小松 和弘(経営コンサルタント)- Q&A回答「1ヶ月ごとのシフトが企業にとって合理的と考えられるからです。」 - 専門家プロファイル

小松 和弘
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コマツ カズヒロ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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シフトについて

法人・ビジネス 人事労務・組織 2017/12/01 01:11

初めまして、シフトについての質問です。多くのサービス、小売の企業が、シフト制にしていると思います。そのシフトなんですがだいたいが1ヶ月ごとかと思います。中には一年などという所もあるようですが
企業が1ヶ月ごとに設定する理由はなぜでしょうか。

シフト勤務で働く方にとって、たった1ヶ月先の予定しかわからないのは予定を立てづらく、例えば3ヶ月まとめて出してしまえば、旅行の予定を考えたり、病院の予約等、安心できるように思います。

会社の会議もプロモーションなどの予定も年間の枠組みは決まっていると思います。なので、ある程度まとまった期間でのシフトにした方がメリットがあるのに

なぜ企業は1ヶ月ごとや週ごとのシフトを作るのでしょうか。

mas10masさん ( 東京都 / 女性 / 32歳 )

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経営コンサルタント

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1ヶ月ごとのシフトが企業にとって合理的と考えられるからです。

2022/06/27 22:14

mas10masさん、こんにちは。
シフトに関するご質問に回答させていただきます。

多くのサービス・小売等の企業が1ヶ月ごとのシフトにしている理由についてですが、これはもちろん法律で決まっているわけではありません。
ではどうして1ヶ月ごとのシフトにしているケースが多いかというと、それが企業や現場にとって合理的であるためと考えられます。

その理由について説明する前提として、数ヶ月単位の長いシフトサイクルと、1ヶ月や週ごとの短いシフトサイクルについて、それぞれメリットデメリットを考えてみたいと思います。
まず長いシフトサイクルですが、こちらは先の時期まで仕事の予定が明確になるために、病院や旅行等の長期的な予定が立てやすいというメリットがあります。一方で、予定というのはあくまで予定であり、確定ではありません。自分の都合のみならず、家族や関係者の、学校や仕事の都合などでやむをえず変更を余儀なくされるケースがままあります。それは先の予定であればあるほど、不確定要素が多く、変更する可能性が高くなると考えられます。予定が変更になった場合、一度決めたシフトを変更する必要が生じるというデメリットがあります。

次に短いシフトサイクルですが、こちらは先々の予定が決まってなくても、短期的な予定さえ決まっていればシフトが組めます。そのため、シフト変更の必要も生じにくいということがメリットとして考えられます。一方で、短い期間しか仕事の予定が立たないために、長期的な予定が立てにくいというデメリットがあります。

上記の通り、どちらのシフトの組み方にもそれぞれメリットデメリットがあります。それではどうして、短いシフトサイクルのケースが多いのでしょうか。その理由について、シフトに組み込まれる人=「働く人」と、シフトを管理する人=「管理者」の両方の立場で考えてみたいと思います。
まずは「働く人」の立場で考えてみましょう。「働く人」の中には、会社員、契約社員、パート、アルバイトなど、様々な雇用形態があり、それぞれ働き方も異なります。mas10masさんのようにシフトサイクルが長い方が望ましい方もいれば、一方で、数ヶ月先の予定の見通しが立たない等の理由で、シフトサイクルが短い方が望ましい方もいると思われます。例えば、学生など、急な学校の課題やレポートの対応に追われたり、友人たちとの遊びの予定が入るかもしれません。小さい子供がいるお母さんなど、子供の保育園の予定や、夫の出張のため子どもの送り迎えが必要になったり、介護をされている方など、ケアサービスの予定に左右されたり等、色々な不確定要素があり、なかなか先の予定が決めにくい人もいます。そういう人たちに、無理矢理数ヶ月先の予定を決めろというのもなかなか無理がありますので、働く人全体のことを考えると、短いシフトサイクルが望ましいと考えられます。

次に「管理者」の立場で考えてみたいと思います。シフトを作成・管理するのは、店長や現場のリーダー等の立場の方が対応されているかと思いますが、以下の点を考慮する必要があります。
・多過ぎず少な過ぎず、業務に必要な人員を適切に配分する。
・経験が浅い人の場合は、経験豊富な人を同じシフトに入れる
・業務に支障をきたさないよう、予定が変わりやすい人(小さな子どもがいて、子どもの急な発熱なので休むことが多い等)が集中しないようにする
・特定の人に負担が集中しないようにする(深夜勤務や、繁忙時間等)
さらに、シフトに変更が生じた場合は、上記を考慮したうえで、変更で抜けた穴を埋めるために他の人に穴埋めしてもらうよう調整したり等、大きな負担が生じます。「管理者」の立場とすれば、できるだけ一度決めたシフトは変更したくないと思われます。
以上の通り、「働く人」と「管理者」の両方の立場から考えても、短いシフトサイクルが合理的と考えられます。そのため、1ヶ月や週ごとのシフトを採用している企業や現場が多いのです。

しかしながら、mas10masさんのように長いシフトサイクルを希望される方もいますので、それを実現させるためにはどうすれば良いかについても考えてみたいと思います。
1つの方法としては、それぞれのデメリットを引き受ける方法です。なかなか先の予定を決められない「働く人」に対しては、「数ヶ月先の予定を入れても入れなくてもOK。いくらでも変更しても問題なし」とすれば、長めのシフトサイクルでも抵抗が少なくなると思います。また「管理者」に対しては、「自分にシフトの作成も変更の調整もお任せください」と自分で引き受けることで、「管理者」の負担も減らすことができ、長めのシフトサイクルが採用される可能性が高くなるかと思います。
もう1つの方法として、ツールの採用です。現在シフト自動作成等のいろいろなツールがありますので、そういうツールを使ってシフト作成の負担を減らすことで、長めのシフトサイクルについて提案してみるのはいかがでしょうか。ツールには無料で使えるものから有料で高機能なものまでありますが、まずは無料で小規模で試してみて、効果を検証してから本格導入されることをお勧めいたします。

以上となります。
mas10masさんの今後のご活躍を願っております。

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