堀江 健一
ホリエ ケンイチ夫婦喧嘩を無くすには?
2010/07/28 12:251年ほど前に子供が生まれてからというものの、夫婦喧嘩が絶えません。子供が生まれる前は、自分でいうのもなんですが、周りがうらやむほどの仲の良さで、ブログにもおのろけ記事を更新してしまうほどでした。
ところが子供が生まれてから生活が一変。子育て中心の毎日に心身ともに疲弊しきってしまい、自分のための時間もつくれずいつもイライラしてしまっています。家事と育児であまりに手一杯な私を横目に、協力する気配もみせないマイペースな夫に、結婚してから皆無だった夫婦喧嘩が、今や日常茶飯事となってしまいました。
子供も1歳になりこちらのいう事も大分分かるようになってきたので、なんとか夫婦喧嘩をやめなければと思っているのですが、どうしたらよいでしょうか。
※この質問は、ユーザーの方から事前にいただいたものを、専門家プロファイル が編集して掲載しています。
All About ProFileさん
寂しい、悲しい感情を怒りとしてぶつけていませんか?
初めまして、堀江健一と申します。
他の先生方とは、違う視点での回答をして見たいと思います。
元々好き同士であった二人が喧嘩になってしまう。お互いに仲良くしたいのが本心であるはずなのに、いがみ合ってしまう事自体、お辛い状況ですよね。
子育てなど、目の前の「やらなければならないこと」だけで手一杯で、心の余裕がないのも大きな原因でしょう。
合理的に考えれば、旦那様に手伝ってもらうにはどうするか考えるより、何か公的支援や旦那様以外の身内の助けをお願いして、奥様の自分の時間を作り、心の余裕を少しでも持たれるのも策かと思います。
しかし、問題の本質はそこではないかも知れません。
喧嘩になるくらいですから、腹が立ってしまわれるのでしょう。
どう言う所に、腹が立たれてしまわれるのでしょう?
旦那様は余裕がありそうなのに、奥様だけが忙しいのは不公平だと感じるからでしょうか?
旦那様が、奥様が辛いのに無視している様に感じるからでしょうか?
両方かも知れません。
他の気持ちもあるのかも知れません。
男性は女性に比べ、あまりコミュニケーション能力に長けておりません。ですから、喧嘩になってしまった時、奥様が怒っているのはわかるのですが、なぜ怒っているのか、本当の所はわからなかったりします。ただ、自分ばかり怒られたくないので、言い訳をしてしまったり、自分の正当性を主張してしまったりすることで、話の歯車が食い違い、解決の方向に話が進まず、そのことで余計奥様もイライラしてしまわれる結果になることも考えられます。
ましてや、奥様ご自身が、「本質的な自分の怒り」がどこから来るものなのか、自分でもわからないと、平行線を辿る事になりかねません。
一つの可能性ですが、奥様がもっと若いころから、例えば長女だったせいで、下のご兄弟の面倒もみなければならなかったとか、ご家族の誰かが病弱であったとかの理由で、ずっとご自分を犠牲にしてしまう事が多かったとか、そう言った「理不尽さに対する不満」を持ち続けておられたのかも知れません。
そうした場合、旦那様が助けてくれない事に、人並み以上の怒りを覚えてしまうことがあるのかも知れません。
あるいは、助けが欲しいのに協力するそぶりもみせてもらえない状況というのは、本当だったら、寂しくて、悲しいことではないでしょうか?
でも「あなたが助けようともしてくれないのが、寂しいよ。悲しいよ」と訴えるのではなく、「なんで協力してくれないのよ!」と怒りをぶつけてしまわれていたとしたら、奥様の心情を、正確に旦那様に伝えられているとは言い難いかも知れません。
奥様自身「寂しい、悲しい」感情に気付いておられない可能性もあります。
幼いころ、ご両親とも忙しかったりして「寂しくて悲しい」思いを抱いていたものの、そう言っても一緒にいてはもらえず、気持ちを汲んでもらえないまま、いつの間にか寂しい感情を「怒り」としてしか表現できない、相手にわかってもらえないと思ってしまうような癖が付いてしまったのかも知れません。
今挙げたのは、たとえばの例でありますが、「喧嘩の理由」には、「なぜそこに怒りを感じるのか?」人それぞれに背景が違っていたりするものですから、本質的な解決を目指すには、まず自分の心情をきちんとわかっておく事が必要に思います。
それは結構しんどい作業です。
別に表面的にだけ波風立たなければ良い様な相手でしたら、そこまで必要ないかも知れません。
ですが、まだまだこれから先が長いお二人だとしたら、単に「喧嘩をなくす」以上の、「絆を深める」作業となるかも知れません。
自分と向き合うというのは、自分一人だけでは、なかなか難しい作業なものと思います。カウンセラーを頼ってみるのも策でしょう。
そうした難しい作業のお手伝いをするのが、カウンセラーの仕事だと思っております。
補足
もし、そうした過去の歴史に由来するような感情があった場合、それは非常に個人的なことでもあるわけです。
相手からすれば、「話してくれなくては、わからないこと」であるでしょう。
逆に、話してくれれば理解してもらえる可能性も、充分あるでしょう。
むしろ「そういう理由があったんだ」と理解できて、納得が行くものかも知れません。
相手が共感してくれれば、協力してくれる可能性も、グッと上がるものかと思います。
ご自分で、その理由がわかっていれば、相手(旦那様)に話してみる事をお勧めいたします。もし話せないような心情があれば、それはまた、別の相談としてお伺いもできるでしょう。
ご自分でも理由がわからないような場合は、やはり、ご自分を見つめ返すことが、必要なのかも知れません。