山本 雅暁(経営コンサルタント)- Q&A回答「先ず、『差異化』出来る技術を持っているか検討・確認しましょう」 - 専門家プロファイル

山本 雅暁
起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

山本 雅暁

ヤマモト マサアキ
( 神奈川県 / 経営コンサルタント )
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
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独立起業を年内にしたい

法人・ビジネス 独立開業 2010/06/04 05:32

36歳です。プラスチックの再生原料の製造、販売の仕事で起業したいと考えております。しかし、得意先の獲得、資金などの目星が立たずにいます。また、この業界の今後の展開にも不安があるのですが今後どういった行動を起こしていけばいいのかご指導お願いします。

補足

2010/06/04 05:32

会社の設立がまだなのに顧客獲得のために営業しても大丈夫なのでしょうか?

gorojunさん ( 群馬県 / 男性 / 36歳 )

山本 雅暁 専門家

山本 雅暁
経営コンサルタント

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先ず、『差異化』出来る技術を持っているか検討・確認しましょう

2010/06/04 16:16

ご相談者様、

このたびご相談くださり、有難うございます。

プラスチックの再生原料の製造、販売での起業化について以下の通り回答いたします。
但し、私はこの市場の専門家ではありませんので場違いな回答になった場合はご容赦願います。

1.プラスチック再生原料市場の状況

これまでプラスチックは、軽くて強く、耐久性があり、加工しやすい等の利点から市場を著しく拡大してきましたが、最近では地球温暖化や廃棄物増加に繋がるなど、問題点が多々指摘されています。
景気低迷も手伝って、国内プラスチック市場が停滞感を強めています。

地球環境に配慮した資源循環型社会への転換の担い手として、生分解性(バイオ)プラスチックへの期待が高まっています。
これまでは、価格が高かった事と、用途が限られていましたので市場は限定的でしたが、廃棄物発生の抑制と石油資源節約の観点から注目されています。

ご相談者様は、バイオプラスチックを手掛けるのでしたら、この市場は有望と考えます。


2.バイオプラスチックの場合、最大の課題は「価格」です。

もしご相談様がこの価格を下げる方法を特許やノウハウとしてお持ちでしたら、最大の『差異化』につながります。
ここは、起業家するにあたってのポイントの一つです。

3.もう一つの課題は、応用範囲です。

現状のプラスチック加工製品で代替できる分野としては、フィルム、シート、日用品・雑貨、容器、発泡製品等が挙げられます。
現在、生分解性プラスチックの市場が比較的大きいのは農業用フィルム分野と食品包装分野だと考えています。

ご相談者の技術でこの応用分野を広げられれば、大きな市場になる可能性がありますね。


4.他社状況について

ご存知のようにプラスチック業界には多くのの企業が既に参入しています。例えば、大手企業だけでも、旭化成ケミカルズ、 味の素、宇部興産、花王、鹿島建設、LG化学等があり、ざっと300社以上の企業が事業を行っています。

(回答補足に続きを記載します。)

補足

多くの企業との競合に勝つためには、『差異化』が必要です。
ご相談者様は、上記2項の価格や3項の応用範囲で他社を圧倒できる技術をお持ちでしょうか。

この点がこのプラスチック再生事業に入れるかどうかの分かれ目です。

もしお持ちでないとしましたら、他の回答者が述べています、事業計画作成は必要ありません。
この競争過多の業界で起業する場合、『差異化』のある事が前提です。

『差異化』がある場合、事業計画は下記の要領で作成願います。
この時点では詳細な計画を作る必要はありません。

現時点では、事業概要で十分です。
事業概要には、以下の項目が含まれます。

(1)対象市場・顧客の想定
上述しました価格や応用範囲などから対象顧客を具体的に抽出し、書き出します。
応用製品と顧客企業を具体的に書き出すようにします。ここまで書けますと、市場規模が推定できます。
   
(2)どう実現するか
『差異化』を実現する方法を技術的な観点で具体的に書き出します。
ここでも具体性や客観性が重要です。

(3)他社との差異化
『差異化』が可能な点を競合他社の技術や製品と比較して一覧表を作り、明確化します。
この表があると自ら理解できるだけでなく、他人にも明確に説明できます。


上記(1)~(3)項までのものが出来ましたら、この業界を知っている人や信頼できる人に説明してください。これらの人たちから理解を得る事が出来ましたら、「事業計画」の骨子が完成した事になります。

この骨子をもとに、売上計画、投資計画、必要資金の計算、コスト/利益の計算、キャッシュフローなどの計算を行い、詳細事業計画を作成します。

ここまで来ましたら、日本政策金融公庫などの金融機関に融資などの相談が出来ます。

ざっくりと説明しましたが、詳細事業計画を作るまでに幾つかの課題があります。

それらの課題を一つ一つクリア出来るように、考える事をお勧めします。


よろしくお願いいたします。
以上、

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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