山本 雅暁
ヤマモト マサアキグループ
3月4日、フジテレビ『新報道2001』にビデオ出演しました
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皆様、
こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
3月4日の朝7時30分より放映されました、フジテレビ『新報道2001』にビデオ出演しました。特集は、エルピーダメモリが会社更生法の適用を申請して倒産したことに関するものです。
その中で何故、エルピーダが韓国のサムスンに負けたかについて語りました。DRAMは、自動車・電気・電子製品を支える産業の”コメ”の役割を担っています。
各メーカーは、DRAMを使うことにより、多機能付き製品を安く開発・製造出来ます。産業を支えるインフラとなっています。
DRAMは、パソコン、スマホなどの高級携帯端末などで数多く使用されています。エルピーダは、NECと日立製作所、三菱電機の事業を集約した日本で唯一のDRAMメーカーとして活動してきました。会社設立は1999年12月で、NEC日立メモリ株式会社として出発しました。その後、2003年3月に、三菱電機(株)よりDRAM事業を譲り受けました。
エルピーダは、上記のように国内唯一のDRAMメーカーとして誕生しました。その当時からサムスンとは、開発力や資金力で不利な状況にありました。特に資金力の差は顕著でした。
DRAMの新製品の陳腐化は早く、また、販売価格は市況状況で大きく変動します。このような市場では、競合他社より開発を先行して市場の販売価格の変動を受けにくい状況にする、且つ、可能な限り低コストで製造することが必要です。
この時に資金量が大きく影響します。サムスンは常にエルピーダより有利な状況下で競争してきました。
エルピーダは、米国や台湾との連携でサムスンに対抗しようとしましたが、結果的に上手く出来ませんでした。
エルピーダの再生のカギは資金力と低コストで作る製造力です。技術力はサムスンに匹敵するものを持っているとみています。今後の進展に注目しています。
エルピーダに関して、中小企業経営者の方から聞かれることは、パナソニックやソニー、シャープも液晶テレビ事業で大きな赤字を出しており、韓国勢、特にサムスンに負けている。もう、国内の電機・電子メーカーは、サムスンなどの海外企業に勝てないのか、という質問です。
これに対する私の返事は、大手総合・家電メーカーは、例外なしに多くの製品群を持った総合的な百貨店方式では事業継続が難しく、それぞれの強みを最大化出来る技術・開発力である事業分野に集中し、専門化・特化する必要がある、です。
勿論、各世界市場にあった価格で提供出来るように、製造コストは圧縮することが大前提です。高付加価値・高機能化で差別化・差異化を図るだけでは勝ち残れません。
その事業分野や市場は、世界的に需要が右肩上がりでのびるところであり、環境、医療、健康、福祉、食糧、安全・安心などが例として上げあれます。
例えば、パナソニックや東芝は環境事業に、日立は社会インフラ事業に特化しつつあります。
中小企業も同じです。中堅や大手企業が入ってこないニッチな市場で、他社を圧倒する技術力・開発力などでオンリーワンのポジションを獲得・維持強化することです。こうすれば、一定の収益を確保できます。
同時に世界市場を狙うことが重要です。オンリーワンの部品や製品であれば、国内からの輸出が可能です。無理して海外生産を行う必要がありません。当然のごとく上記したように製造コストの圧縮は常に継続する必要があります。
自社の強みを再確認するには、一度冷静に技術やノウハウ、人材、商圏を含めた営業力など、全ての分野で棚卸することが大事です。
中小企業、中堅、大手企業など全ての企業がある事業領域・市場でオンリーワンであることが、勝ち残るための条件の一つになります。
よろしくお願いいたします。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁
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