山本 雅暁
ヤマモト マサアキグループ
日経記事;『原材料高、影響3.5兆円 57社の4~9月コスト増加分の2割 自動車やガス、負担大きく』考察
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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。
12月1日付の日経新聞に、『原材料高、影響3.5兆円 57社の4~9月コスト増加分の2割 自動車やガス、負担大きく』のタイトルで記事が掲載されました。
本日は、この記事に関して考えを述べます。
本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『原材料高が企業収益を圧迫している。主要57社の2022年4~9月期は前年同期に比べて約3兆5000億円の減益影響があった。売上原価と販売費及び一般管理費を足した総コストの増加分の2割強に当たる。電力・ガスや自動車、電気機器などで影響が大きい。下期も影響が続く企業は多く、一段の価格転嫁や合理化などを迫られる。。。』
私の支援先企業のうち、製造事業者は約65%を占めています。これらの企業は、国内市場だけでなく例外なく海外販路開拓・集客を継続的に行っています。
海外販路開拓・集客を行っている理由は、国内市場は縮小しており、国内市場だけに依存していると、継続的な収益拡大を実現できないことによります。
当該企業の対象市場は、米欧アセアン地域や湾岸諸国などです。これらの対象市場は、決済通貨として米ドル建てになります。
現在の為替相場では、日本円は米ドルに対して安くなっています。安い日本円は、原材料や部品などを輸入している製造事業者には、当然のごとく、製造原価上昇になります。
一方、安い円は、米ドル建ての輸出価格設定について、極めて有効に活用できます。
現時点では、多くの場合、私の支援先企業は、上昇した製造コスト分をカバーできていますので、輸出価格を上げる必要がありません。
輸出価格を上げるにしても、円安メリットにより製造コスト上昇分をそのまま反映する必要はありません。
中小の製造事業者が、海外販路開拓・集客を実現するためには、自社技術や部品あるいは商品が強みをもっていることが必要不可欠です。
海外の競合企業の技術や商品などに対して、競争力をもっていることが、海外販路開拓・集客を実現するための前提条件になります。
中小の製造事業者は、自社技術や部品あるいは商品に強みをもっていれば、円安メリットがなくても、市場環境や経済環境に応じて、輸出価格を上げることができます。
一般的には、本日の記事にありますように、海外の原材料高は、国内製造事業者などの企業に、大きなダメージを与えます。
このダメージは、自社のサービス、部品、商品などが強みをもっていれば、販路開拓・集客の対象市場を、海外を含めて多角化することで、和らげる、あるいは解決できます。
国内市場を対象としている製造事業者は、自社技術や部品あるいは商品に強みをもっていることが確認できれば、早期に海外販路開拓・集客を実現する施策を計画し、実行することをお勧めします。
海外市場は、広いです。
海外販路開拓・集客を実現するには、幾つかの施策を行う必要があり、一定の時間がかかります。
実行すべき施策の例としては、以下のものがあります。
・対象市場、対象顧客の選定;市場調査の実施
・市場調査に基づく事業計画(行動計画)の作成
・販路開拓・集客のやり方の立案と実施
・海外向け情報発信と宣伝広告の実施;英語版Webサイトの制作と運用など
・海外展示会出展の準備と実施
・海外企業との各種契約書のひな型作成や準備、など
上記情報が、原材料高などによる製造コスト上昇と、このコスト上昇を販売価格に転嫁できない製造事業者の参考になれば幸いです。
よろしくお願いいたします。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁
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