山本 雅暁(経営コンサルタント)- コラム「日経記事;『都市鉱山データ,三菱マテが掘るウェブ取引で60カ国の廃基板回収,スマホの金/銅再資源化』考察」 - 専門家プロファイル

山本 雅暁
起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

山本 雅暁

ヤマモト マサアキ
( 神奈川県 / 経営コンサルタント )
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
Q&A回答への評価:
4.7/11件
サービス:0件
Q&A:55件
コラム:523件
写真:0件
お気軽にお問い合わせください
※ご質問・相談はもちろん、見積もりや具体的な仕事依頼まで、お気軽にお問い合わせください。
印刷画面へ

グループ

専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

日経記事;『都市鉱山データ,三菱マテが掘るウェブ取引で60カ国の廃基板回収,スマホの金/銅再資源化』考察

- good

経営戦略 新規事業開拓・立上 2022-01-06 13:16

皆様、

こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁です。


1月6日付の日経新聞に、『都市鉱山データ、三菱マテが掘るウェブ取引で60カ国の廃基板回収、スマホの金・銅再資源化』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

『三菱マテリアルは、貴金属などを含む電子基板の廃棄情報を世界規模で集約できる取引システムを構築した。金や銅などを取り出せる廃基板は「都市鉱山」と呼ばれる。世界各国のスクラップ会社をネットワークで結び、廃基板をいち早く確保する体制を整える。世界最大級の取引量を生かして都市鉱山の成分データを分析し、廃基板を安定した資源に変える。。。』


以前から、日本にはe-scrap(金・銀・銅・パラジウムなどの有価金属が高い濃度で含まれる各種電子機器類の廃基板など)、いわゆる都市鉱山が毎年蓄積されていると指摘されてきました。


この都市鉱山の有効活用は、以前からその必要性が言われていましたが、なかなか画期的な有効策が打ち出されていませんでした。


その原因の一つが、本記事でも下記のように書かれています。

『原因は非効率な取引だ。国内外では家族経営の回収業者も多く、やりとりは依然としてメールやファクスが主流だ。商談は現地の回収業者をよく知る商社を通すのが一般的で「問い合わせてから返信がくるまで1週間かかることも少なくなかった」(三菱マテの金属事業の岩堀滋彦部長)。』


私は、以前、あるベンチャーからの依頼で、都市鉱山から抽出される貴金属を活用した新規事業立上げの検討を行ったことがあります。検討した結果、安定して貴金属が調達できないことから、当該事業の立上げを諦めました。


貴金属を安定して調達できない理由の一つが、多くの回収業者が複雑な流通ルートに存在していたことにあります。


このような状況から、今回、2021年12月20日から三菱マテリアルが開設・運営を始めたe-scrap(金・銀・銅・パラジウムなどの有価金属が高い濃度で含まれる各種電子機器類の廃基板など)のWebサイト取引所に大いに期待します。


三菱マテリアルのオンラインE-Scrap取引システムMEX (Mitsubishi Materials E-Scrap eXchange)の日本語版WebサイトのURLは、以下の通りです。

https://lp.mex-mmc.com/


また、MEXの英語版WebサイトのURLは、以下の通りです。

https://lp.mex-mmc.com/en


三菱マテリアルが2021年10月26日にMEX開設に関して発表したプレスリリースでは、『本件は、当社が進めるデジタル化戦略(MMDX:三菱マテリアル デジタル・ビジネストランスフォーメーション)における事業DX初の成果となります。』と書かれています。


日本の都市鉱山ビジネスは、インターネットやITのデジタル技術から最も遠い、超アナログの世界(紙中心でFaxと電話で取引を行う)にいます。


三菱マテリアルのMEXは、回収業者が直接アクセスする、直接取引を実現します。MEXは24時間稼働しており、メールやチャットボットを活用した双方向の会話が可能です。


現時点で、多くの国内回収業者は、このようなWebサイトを使うことに不慣れでしょうが、この機会にパソコンを活用したインターネット世界により積極的に参加する姿勢が必要であり、重要になります。


回収業者が、MEXを経由して、商社経由ではなく直接取引ができることに大きなメリットがあることによります。


新型コロナウイルスの影響拡大は、日本だけでなく世界中でITやインターネットをフル活用するデジタル化を加速させました。


現在、多くの国内ベンチャー・中小企業は、国内外の企業や顧客とコミュニケーションを取り、取引を行うためには、デジタル技術の活用が必要不可欠になっています。


また、デジタル技術は、国内外の企業が、企業や顧客との直接会話や取引を行うことを可能にしています。


さらに、デジタル技術は、自社ビジネスの運営コストを低減化することも可能にしています。


国内回収業者が、MEXの日本語版および英語版Webサイトを活用して、国内外の市場で事業展開できることを期待します。


日経記事によりますと、三菱マテリアルはMEXを活用して、2022年に日欧米を中心に100近い取引先への導入を目指すとしています。


三菱マテリアルが上記目標を達成するためには、欧米市場でMEXの英語版Webサイトの知名度を向上させる必要であります。


ちなみに、米Google.com検索エンジンにe-scrap recyclingを入力すると、本日時点では、22,700,000の関連サイトの中で、ベスト100に入っていません。


老婆心ながら、三菱マテリアルには、MEXの英語版Webサイトの知名度向上の施策を行うことをお勧めします。その気になれば、お金をかけないでインターネット上で知名度向上を実現するやり方があります。


何れにしましても、貴金属の天然資源がない日本では、都市鉱山;e-scrap(金・銀・銅・パラジウムなどの有価金属が高い濃度で含まれる各種電子機器類の廃基板など)の活用が必要不可欠ですので、三菱マテリアルのMEXに大いに期待します。


今後のMEXの日欧米でのビジネス展開に、注目していきます。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスQ&Aコラム