山本 雅暁(経営コンサルタント)- コラム「日経記事;『身につける端末、病気兆候つかむ。。オムロン系、腕時計型血圧計で医療機器承認』に関する考察」 - 専門家プロファイル

山本 雅暁
起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

山本 雅暁

ヤマモト マサアキ
( 神奈川県 / 経営コンサルタント )
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
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日経記事;『身につける端末、病気兆候つかむ。。オムロン系、腕時計型血圧計で医療機器承認』に関する考察

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経営戦略 新規事業開拓・立上 2019-11-24 14:22

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

11月24日付の日経新聞に、『身につける端末、病気兆候つかむ 世界で開発競うオムロン系、腕時計型血圧計で医療機器承認』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『腕時計型の血圧計などウエアラブル機器を健康管理だけでなく、病気の早期発見や発作の予知に活用しようという動きが広がってきた。オムロンが医療機器としての承認を得たほか、ソフトバンクグループなどは医療機関と共に研究を始める。病気や発作の予防に役立てて利用者の健康寿命を延ばし、約6兆円にのぼる脳卒中や心臓病の医療費削減につなげる。。。』
現在の世界市場での医療機器・ソフトウエアの最新傾向の一つは、高額な医療コストを削減するため、潜在患者と疾病の予測を事前に行って、予防する動きになっています。

この傾向は、今後、年々加速していくとみています。キーとなる技術は、ソフトウエア、IoT対応、AI(人工知能)、ウェアラブル(wearable)などです。

本日の記事では、このウェアラブル(wearable)、身につける端末について書いています。

日本の医療行政の動きは、他のAIやIoT対応などと同じように、米国や欧州などと比較すると、完全な周回遅れになっています。

世界で最も大きな医療機器展であるMedica2019(11月18日~21日に、ドイツのデュッセルドルフで開催)では、wearableがキーワードの一つになっています。

Medica2019の公式WebサイトのCompanies & Products at MEDICA / COMPAMEDのページに、wearableを入力すると、118社が104の商品を出展していることがわかります。
https://www.medica-tradefair.com/en/Companies_Products/Companies_2019/Search_for_exhibitors

この出展社数と出展商品の数は、Medica2018に比べると、非常に増加しています。

本日の記事によると、国内企業のオムロン、テルモ、ソフトバンクなどが、ウェアラブル(wearable)端末機器の開発・実用化を行っていることについて書いています。

米国では、国策として医療機器とソフトウエア、IoT対応、AIを融合して、次世代の医療産業で、世界市場で勝ち組になるための動きが数年前から始まりました。

この米国のプロジェクトには、米大手IT企業である、アップル、グーグル、マイクロソフトなどが、積極的に参加しています。

並行して、米国FDA(U.S. Food and Drug Administration;日本の厚生労働省に相当)は、既存規制の見直しと緩和を行っています。

具体的な成果の一つとして、米アップルのアップルウオッチは、最新版では心電図計測機能が実装されています。

加えて、アップル、グーグル、マイクロソフトは、FDAなどの行政機関などと協業して医療データ提供の新しい試みを始めています。

この一つが、医療保険申請データを、患者がスマートフォンやタブレットなどの端末機器から、必要な情報を何時でもどこでも入手できるようにするための取り組みです。

このプロジェクトは、The CARIN Blue Buttonと呼ばれています。詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.carinalliance.com/events/2019-blue-button-developers-conference/

このように米国では、医療機器とソフトウエア、IoT対応、AIを融合するとともに、スマートフォンなどのウェアラブル(wearable)も活用して、より低コストで、効果的な次世代医療ビジネスの構築を、官民一体で行っています。

日本のベンチャー・中小企業の中には、ソフトウエア、IoT、AIなどを活用して、次世代医療ビジネスに参入する会社が増えています。

私は、何社かのこのようなベンチャー・中小企業を経営支援しています。本来なら日本の国内市場から事業化したいのですが、既存規制が厳しい状況下では困難になっています。

そこで、多くの企業には、米国での事業化を行ってもらっています。FDAの許認可を取ることは、一定の負担になりますが、大体の場合クラスⅱに該当しますので、何とかクリアできます。

このような企業には、FDA取得前後から積極的にMedicaでの出展を行ってもらうようにしています。

Medicaへの出展を行って、協業・連携(アライアンス)先や海外販路開拓のために、販売会社や代理店を探すことが重要になります。

欧州市場開拓のためには、CEマーク取得が必要になります。この規制も多くの場合、クラスⅱになります。

現在の米欧市場での医療機器に関する事業環境は激変しています。特に、米国では、上記しましたように、既存規制の見直しや緩和が進んでいますので、実力がある国内企業には、新規事業機会獲得の可能性があります。

今後、多くのベンチャー・中小企業が、ソフトウエア、IoT、AI、ウェアラブル(wearable)などを活用して、新規医療機器やサービスの開発・実用化を、米欧市場で行って事業成功させることを祈念します。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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