山本 雅暁(経営コンサルタント)- コラム「日経記事;『自動運転技術、8社連携トヨタ・GM・ボッシュなど』に関する考察」 - 専門家プロファイル

山本 雅暁
起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

山本 雅暁

ヤマモト マサアキ
( 神奈川県 / 経営コンサルタント )
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
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日経記事;『自動運転技術、8社連携トヨタ・GM・ボッシュなど』に関する考察

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経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題 2019-10-13 10:29

皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

10月9日付の日経新聞に、『自動運転技術、8社連携トヨタ・GM・ボッシュなど』のタイトルで記事が掲載されました。

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

『トヨタ自動車や米ゼネラル・モーターズ(GM)など世界の自動車メーカーと部品メーカー、半導体メーカーが自動運転の技術開発で連携する。各業界の大手8社が発起企業となり、自律走行のデータ処理や安全要件の共通化などで協力する。他の企業にも参加を呼びかけ、完全自動運転の早期実用化と開発コストの低減につなげる。。。』

トヨタは、自動運転機能付次世代環境自動車(EVや水素燃料電池車)を開発・実用化するため、2~3年ほど前から積極的にオープンイノベーション(他社との連携・協業:アライアンス)の手法を活用しています。

今回の記事は、トヨタやGMなどの自動車メーカー、部品メーカーのデンソーと独ボッシュ、半導体の米エヌビディアなど、自動運転機能を実現するため、自動車メーカーだけでなく、幅広く関連企業をアライアンス先に選んでいます。

トヨタは、GMと共に、共同組織「オートノマス・ビークル・コンピューティング・コンソーシアム(AVCC)」を発足させました。

自動運転機能付EVの開発・実用化は、現時点では米大手IT企業のグーグルが先行しています。この自動運転車市場には、アップルやアマゾンなどの他の米大手IT企業も参入する可能性があります。

次世代環境自動車(EVや水素燃料電池車)は、現在の自動車メーカーが大きな強みをもっていますガソリンエンジン車のノウハウが、まったく通用しません。

EVは、テスラモーターズが先行して開発・実用化しています。テスラモーターズは、ガソリンエンジン車についてはノウハウをもっていません。

しかし、テスラモーターズは、しょうしょう大げさに言いますと、蓄電池システムとITの活用で、電気自動車を開発・実用化しました。

テスラモーターズは、現在電気自動車の量産化では多少苦戦していますが、米国のサンフランシスコやシリコンバレーでは、数多くのテスラ車が走っています。

グーグルは、電気自動車自体を製造する考えをもっていません。フィアット・クライスラー・オートモービルズは、グーグルと自動運転機能付EVの開発・実用化を共同で行っており、グーグルに自動車本体をOEM供給する可能性があります。

もし、グーグル、アップル、アマゾンなどの米大手IT企業が、自動運転機能付EVの開発・実用化で主導権を握ると、多くの自動車メーカーは、自動車本体(ハードウエア)のOEM供給者になり、既存の事業基盤を失います。

米大手IT企業は、既存事業基盤を急速に破壊・再構築することで、自前の事業基盤を新規に作って、プラットフォーマーとして発展してきました。

トヨタは、その動きをきちんと学習しており、既存自動車の事業基盤は、100年に1度の大変革時期に直面していると名言しています。

米大手IT企業は、新規の事業基盤を迅速に作るために、自社の強みを最大化しつつ、自社がカバーできない領域は、オープンイノベーション(他社との連携・協業:アライアンス)のやり方で乗り切ってきました。

オープンイノベーションのやり方は、水平分業方式です。このやり方には、アライアンスだけでなく、M&Aの手法も含まれます。

トヨタは、自動運転機能付EVの開発・実用化にこのオープンイノベーションのやり方を積極的に取り入れています。

本日の記事にあります、共同組織「オートノマス・ビークル・コンピューティング・コンソーシアム(AVCC)」をGMと共同で構築・運営するやり方も、その一つになります。

次世代自動車の開発・実用化の動きで、米大手IT企業との競争に打ち勝つための、ライバル企業同士のオープンイノベーションのやり方になります。

トヨタは、このAVCCも含めてのオープンイノベーションのやり方に加えて、様々な開発・実用化を実現するための巨額投資を行っています。

トヨタが現在行っている今後1~3年間の様々な対応は、将来のトヨタの事業展開に大きな影響を与えます。

トヨタのオープンイノベーションのやり方は、新規事業を立ち上げるベンチャー・中小企業にとって、大きな参考事例になります。

この視点から、トヨタの今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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