山本 雅暁(経営コンサルタント)- コラム「日経記事;『トヨタ、自動運転でグループ総力IT大手と競争 日産・ホンダも開発強化』に関する考察」 - 専門家プロファイル

山本 雅暁
起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

山本 雅暁

ヤマモト マサアキ
( 神奈川県 / 経営コンサルタント )
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
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日経記事;『トヨタ、自動運転でグループ総力IT大手と競争 日産・ホンダも開発強化』に関する考察

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経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題 2018-03-04 11:32

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

3月3日付の日経新聞に、『トヨタ、自動運転でグループ総力IT大手と競争 日産・ホンダも開発強化』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『トヨタ自動車が自動運転技術の新会社を設立するのは、自社単独での開発では米グーグルなどIT(情報技術)の巨人との競争に勝てないという危機感があるためだ。グループの総力を結集しつつ外部の人材も取り込み、開発のスピードを上げることを狙う。

AI技術を搭載したトヨタのコンセプトEV(17年10月、東京都江東区)

新会社に参画するデンソーはセンサーやカメラなどで構成する高度運転支援システム(ADAS)を手掛け、画像認識技術などに強みを持つ。アイシン精機も自動変速機やブレーキ関連製品を扱い、独自に自動運転技術を開発してきた。

従来の自動車開発はトヨタが全体の設計や仕様を決め、それをもとに部品メーカーが開発するという流れだった。

ただ自動運転ではハードとソフトウエアとの連動がカギを握る。基盤技術の開発段階からグループの総力を結集させることで、自動運転技術の一貫開発体制を整える。

新会社の最高経営責任者(CEO)に就くのはトヨタの人工知能(AI)開発子会社「トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)」の幹部を務める元グーグルのジェームス・カフナー氏。

トヨタはTRIのCEOであるギル・プラット氏も1月から本体の副社長級の新設ポストで先進技術開発の責任者に据えるなど、TRIとの連携を加速させている。

トヨタは昨年、電気自動車(EV)の基盤技術の開発でデンソーやマツダなどと新会社を設立。電池の開発、生産でもパナソニックと協業を検討する。

先進技術の開発で外部企業との連携が加速しており、今回の新会社もこの流れに沿ったものだ。自動運転の新会社は3社で事業をスタートするが、さらに参画企業が増える可能性もある。

先進技術の開発で新組織を設けるのは他の自動車メーカーも同様だ。 

日産自動車は国内の研究開発拠点でソフトウエア技術者を300人規模に増員する計画。2016年にはコネクテッドカー(つながる車)などの開発体制を強化するため、東京都内に新たな開発拠点を開設した。

ホンダも17年、東京・赤坂に研究拠点を本格稼働させた。外部と連携して研究開発を効率的に進める「オープンイノベーション」の窓口とし、主にAIや自動運転、コネクテッドカーなどの研究開発に役立てる。

各社とも本社と違う環境や待遇を用意することで、優秀な人材を獲得しやすくする狙いがある。』

この記事は、日経新聞が3月3日の記事で、「トヨタ自動車は2日、人工知能(AI)など自動運転技術を開発する新会社を東京都内に設立すると発表した。当初は300人体制とし、国内外の技術者を獲得して1000人規模に拡大する。。。」と書いています記事と連動しています。

この新会社名は、「トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント」となります。

この新会社の最高経営責任者(CEO)は、トヨタが2016年に米国シリコンバレーに設立したAI研究開発子会社「トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)」の技術部門トップを務めるジェームス・カフナー氏が就任します。

ジェームス・カフナー氏は、世界的なAI研究者であり、グーグルのロボット部門責任者として自動運転技術の開発チームのトップでした。

この「トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント」とTRIの設立、および両会社の運営・経営を、外部から招聘したジェームス・カフナー氏に一任するやり方は、トヨタの本気度、真剣度、高い危機感を表しています。

TRIを東京に設置するのは、他社との連携・協業(アライアンス)を、技術面で加速させる理由によります。

2020年以降に、日米欧中国市場に本格投入される自動運転機能付HVやEVなどの環境対応車は、言わば動くAI・IoT対応した動く電子機器になります。

自動運転車の性能や機能を左右するのは、AI・IoT対応能力です。この技術の根幹は、ソフトウエアやアルゴリズムの開発・実用化の能力になります。

このソフトウエアやアルゴリズム開発・実用化の能力は、一般的に国内製造事業者が現時点では強みをもっていません。

トヨタも例外ではありません。トヨタは、この弱点を克服するため、最近2~3年の間に多くの施策を行ってきました。

一つは、上記しましたTRIの設立・運用です。このTRIの研究・開発資金に、1000億円以上の巨額資金を投資します。

また、トヨタは、国内AIベンチャーの雄であるPFN(Preferred Networks)に100億円以上の出資を行っており、PFNはトヨタとの関係強化、共同研究・開発を強化しています。

PFNの本社は、東京都千代田区にあります。理由は、TRIと同じであり、AI・IoT対応のソフトウェアベンチャーなどとの、連携・協業(アライアンス)を短時間に効率良く行う事業環境を整えることによります。

当然の如く、「トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント」とPFNは、連携・協業(アライアンス)を行うと考えます。

トヨタの競合相手は、既存自動車メーカーだけではなく、米大手ITベンダーであるグーグル、アマゾン、アップルなどになります。

EVの開発・実用化は、今までのガソリンエンジン車の能力やノウハウ蓄積がなくても、可能なことによります。

上記しましたように、HVやEVの自動運転車の性能や機能を左右するのは、AI・IoT対応能力であり、ソフトウエアやアルゴリズムの能力が勝敗を決します。

米大手ITベンダーは、インターネットやITで徹底的な差別化・差異化を図り、既存事業基盤を破壊・再構築し、プラットフォーマーと言われるようになっています。

国内企業が、これらの米大手ITベンダーが構築したプラットフォーム上でビジネスを行うことになると、事業の主導権はプラットフォーマーに握られてしまいます。

トヨタは、その歴史を冷静にみており、その大波が自動車業界に押し寄せていることを確実に理解しています。

このため、トヨタは本日の記事にあるような巨額投資を行っています。

トヨタが、米大手ITベンダーや他の自動車メーカーとの競争に打ち勝つには、今までの垂直統合方式の開発・実用化を捨てて、AI・IoT対応で競争力をもつ他社との連携・協業(アライアンス)を、有効に実行できるかにかかかっています。

今までの大手メーカーの一部は、ベンチャーや中小企業の技術やノウハウを、しょうしょう極端に言いますと、「盗み撮り」するようなかたちで、自社商品の開発・実用化に反映させてきました。

このやり方は、イコールパートナーシップが前提条件となる連携・協業(アライアンス)を有効に活用できません。

トヨタのような大手メーカーとITベンチャーが、お互いに「Win/Win」の関係構築で行うオープンイノベーションを効果的に行うことが必要不可欠になります。

国内製造事業者の代表であるトヨタが、他社との連携・協業(アライアンス)・オープンイノベーションを、今後効果的に行えるか注目しています。

トヨタがオープンイノベーションを有効に活用できると、他の国内企業の良い事例になるとみていることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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