茅野 分(精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))- Q&A回答「疾病利得」 - 専門家プロファイル

茅野 分
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茅野 分

チノ ブン
( 東京都 / 精神科医(精神保健指定医、精神科専門医) )
銀座泰明クリニック 院長
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パニック障害の後輩について

心と体・医療健康 心の病気・カウンセリング 2008/09/06 13:00

会社にパニック障害の後輩がいます。
以前は仕事がプレッシャーだと言って急に泣き出したりしていましたが、今はプライベートでも習い事をしたり、遊びに行ってり落ち着いているようにみえます。
でも会社に来ると、何にしないでぼ〜っとしたり、何時間も昼寝したりする日がほとんどです。
周りからすると私たちより仕事量も少なく、ストレスも少ないのに、とちょっと納得できないところもあります。
少し何か注意すると、今でも泣き出してしまうので、注意することもできません。
周りは病気だからということで、かなり特別待遇で気を遣っています。
病気なのはわかっているのですが、周りの人から不満の声もあがっていて、このままにしておく訳にもいかないかと思っているのですが、どのように接したらいいのでしょうか?
言い方には気を遣っているのですが、やはり注意するのはタブーなのでしょうか?

ピコさん ( 福岡県 / 女性 / 28歳 )

茅野 分 専門家

茅野 分
医師(精神科)

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疾病利得

2008/09/07 10:03

会社の後輩がパニック障害のため、仕事を十分にしないわりに、遊んだり習い事はできたりして、対応に苦慮されていらっしゃるとのこと、心よりお見舞い申し上げます。

不安障害やディスチミア親和型うつ病は、ともすると''「疾病利得」''を生じます。これは病気であるということで、むしろ様々な利得を生じることを表した言葉です。

無意識ないし心理的な満足を得る''一次利得''、結果として現実的に得る同情・補償などの''二次利得''に区別されます。前者は疾患への''逃避''とも同義になります(精神症候学より)。

つきましては、病気といっても許されることと許されないこと、できることとできないことに基準を明確に設け、穏やかにしかし毅然と説明することが必要です。

またどなたかが厳しい対応をすると、その方が悪者になってしまうこともありますから、組織・集団として求められるルールなのだと共有することが望まれます。

どうぞ宜しくお願い致します。

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