胸が息苦しいのですが、原因が分かりません
心と体・医療健康 心の病気・カウンセリング 2007/01/17 12:44胸が息苦しい状態が続いており、病院でさまざま見てもらいましたが、原因が特定できませんでした。
心療内科関係の可能性もあると言われましたが、自分としてはあまり思い当たる節がありません。どう考えたらよろしいでしょうか?
おださん ( 東京都 / 男性 / 38歳 )
胸が苦しい状態について
胸が苦しい、息がし辛い、喉の詰まる・・・しかし身体には異常はない、これと言った心理的な原因もない、このような症状は''不安障害やパニック障害''の可能性もあります。
パニック障害とは突然、何の誘因もなく、動悸・息切れ・めまい・吐き気などの''パニック発作''が生じ、その後も繰り返す病気です。そして、また起こるのではないかという''予期不安''も生じるようになります。そして以前、発作を起こした場所や空間を避けるようにもなります''(広場恐怖)''。
原因としては''心理的な葛藤''も誘因となりますが、最近は''脳内の神経伝達物質の異常''が指摘されています。特に大脳辺縁系・基底核といった部位の''セロトニンやノルアドレナリンの伝達異常''が示唆されています。これらの異常が全身の神経系や内分泌系に波及し、上記のようなパニック発作を引き起こすのです。
治療をしないと''段々と悪化''します。発作自体も繰り返しますし、二次的に予期不安や広場恐怖が持続することにより仕事や生活にも支障を来たすようになりのです。またこの障害は''うつ病や躁うつ病''へつながることもありますので、注意深く経過を観察する必要があります。
治療はたいてい''数ヶ月''かかります。まずは発作を抑えるための薬物治療を行います。''SSRI''といった抗うつ薬や''ベンゾジアゼピン系''の抗不安薬を用います。発作が消失した後は予期不安や広場恐怖に対して精神療法を行います。
最近は''認知行動療法''が主流で、歪んだ認知を客観的に観察し、適切な思考・行動へ修正いたします。治療者と共同し、ワークブックを用いながら、対人関係や社会生活を改善していくと有用です。時には発作や不安の再発を生じることもありますが、継続することで、徐々に改善しますので、どうぞご安心下さい。
茅野 分 (銀座泰明クリニック)
補足
銀座泰明クリニックへのリンクは以下へ移転しました。
http://ginzataimei.com