コラム一覧
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非定型うつ病(1)
これまで「うつ病」や「躁うつ病」について繰り返しご説明してまいりました。これらは気分が落ち込んだり、高ぶったりする「病気」です。中にはもともとの「性格」といった方もいらっしゃり、10代の頃から悩んでいたのだけれども、就職して仕事に支障を生ずるようになり、ようやく受診したという方もいらっしゃいます。いずれにしても適切な治療により症状が緩和されますので、早めの受診をお勧め致します。 「うつ状態」と「...(続きを読む)
軽い躁うつ病(3)
一方でこの軽い躁うつ病の方は人格障害と誤診されることもあります。特に境界性人格障害 Boderline Personality Disorder, BPD と呼ばれる、情緒不安定で、慢性的な空虚感を覚え、自傷行為や対人関係のトラブルを繰り返してしまう人格障害と誤診されることが少なくありません。人格障害の方へは薬物療法よりも心理療法が優先されがちなため、本来は必要な気分安定薬を処方されないまま、長期...(続きを読む)
軽い躁うつ病(2)
このように躁状態というのは予想以上に頻繁に生じるもので、注意深い観察が必要です。海外では当初うつ病と診断された方の3‐5割が実は躁うつ病、双極性障害だったという調査結果も出されています。このため国内の精神科医の間でもこの事実は最近よく話題になっており、軽い躁状態を見逃さないようにと注意が喚起されています。軽い躁うつ病、双極性障害は、Soft bipolar spectrum と呼ばれ、幅広い定義が...(続きを読む)
軽い躁うつ病(1)
前回は躁うつ病(双極性障害)についてご紹介しました。抑うつ状態のみでなく、躁状態と言われる、元気の良い、調子の高い状態も生ずる病気でした。この状態は本人にとって心地よく、病気であるという自覚(「病識」と呼びます)を伴わないことが多いものです。周囲も元気ならば病気とは言えないのかと見過ごしてしまいます。しかしこの躁状態は時に攻撃的になったり、誇大的になったりして、トラブルを引き起こします。また気持ち...(続きを読む)
躁うつ病とは(4)
前回ご説明したとおり、躁うつ病の方の病前性格とは明るく楽しく、社会的に好ましい性格とも言えます。集団の中では一際、目立ち、皆の注目を浴びる存在であります。実際に実業家や政治家、芸能人といった世の中で成功されている方の中に、実は軽い躁うつ病であるという方がいらっしゃいます。普通の人よりも多くの仕事をしたり、目立った言動をしたりするためには、軽い躁状態でないとできないのかもしれません。しかし一方で、周...(続きを読む)
躁うつ病とは(3)
このため躁うつ病の方の人生はしばしばドラマティックで、エピソードに事欠きません。度重なる結婚と離婚、転居や転職、失敗と成功など、目まぐるしく移り変わる人生は波乱万丈とも言えます。また、アルコールやギャンブル、そしてセックスといった物質や行為に依存しがちでもあります。そして躁うつ病に加え、アルコールや薬物の依存症、ギャンブルからの借金、浮気や不倫などの問題を抱え込みます。これらは激しい落ち込みを避け...(続きを読む)
躁うつ病とは(2)
躁うつ病はその名の通り「躁」と「鬱」とが繰り返す病気です。躁のみの「躁病」は数少なく、多くは躁の後に鬱を迎えます。動き回り喋りまくりエネルギーを枯渇して鬱になる場合もあれば、躁の時に大きな決断をして、後で悔み鬱になる場合もあります。いずれにしても、躁の時の言動が後に鬱を招くわけです。しかも「うつ病」の鬱と「躁うつ病」の鬱とでは、躁うつ病の時の鬱の方がその落差のため本人が感じる鬱は深いようです。いわ...(続きを読む)
躁うつ病とは(1)
前回までは「うつ病」についてご説明いたしました。気分が沈み、何も面白くなく、意欲のなくなる病気でした。今回からご説明する「躁うつ病」の躁状態はその対極で、気分が高揚し、何でも楽しく、意欲の亢進する「病気」です。一見、楽しく幸せな状態と誤解されるかもしれませんが、度が過ぎると困ってしまいます。落ち着き無く、口数が多く、怒りっぽくなるからです。更にあれこれと手を出し、お金をたくさん使い、異性をいたずら...(続きを読む)
うつ病の分類(4)
それでは躁うつ病のうつ状態とうつ病のうつ状態を見分けるにはどうするのでしょうか。以下の大別が目安になります。 病前性格 体型 発病年齢 うつ病 :真面目(執着気質) 普通 中年期以降に多い 躁うつ病:社交的(循環気質) 肥満 思春期・青年期 うつ病の方は病前においても大人しく、真面目な公務員といった律儀な感じの方が多いですが、躁うつ病の方は賑や...(続きを読む)
うつ病の分類(3)
一方で、内因性のうつ病には「躁うつ病」のうつ状態であることも少なくありません。躁うつ病というのは、躁状態といわれるうつ症状の対極の症状が現れる病気です。具体的には、気分の高揚、怒りっぽい、考えが次々と浮かぶ、口数が多い、気が散る、動き回る、暴飲暴食、アルコール・ギャンブル・セックスなどです。軽い躁状態ならば上機嫌であったり、仕事がよくできたり、自分も周囲もさほど困りませんが、著しくなると周囲に迷惑...(続きを読む)
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