コラム一覧
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うつ病と病前性格(2)
改めてそれぞれの病態と性格をご説明いたしましょう(濱田秀伯、精神症候学、弘文堂、1994、他)。 うつ病(メランコリー、Melancholia) 抑うつ気分または興味・喜びの減退、精神運動抑制、早朝覚醒、体重減少、日内変動などを生じ、生活や仕事に著しい支障を生じる病態。従来型うつ病。 気分変調症(ディスチミア、Dysthymia) 抑うつ気分などが少なくとも2年間以上も続いているが、大うつ病ま...(続きを読む)
うつ病と病前性格(1)
前回は最近のうつ病として「現代型うつ病」「未熟型うつ病」「ディスチミア(気分変調症)親和型うつ病」をご紹介いたしました。いずれも従来の「メランコリー親和型うつ病」に対して、若年期に生ずる性格因を伴ううつ病といえます。すなわち、人生における問題・葛藤に直面して、抑うつを自己の内界に保持せず、不安・焦燥を表出し、時に回避・依存も生ずる病態です。 「うつ病」と一言で言っても、ライフサイクルや性格傾向に...(続きを読む)
最近のうつ病(5)
さて、これらの病態に対する治療は、メランコリー親和型うつ病が休養と服薬のみでも自然軽快しやすいのに対し、それだけでは不十分で、より積極的な精神療法・心理療法を必要とします。具体的には不安や抑うつの背景にある職場や学校の問題を認識し、現実的な解決方法を探索してまいります(問題解決療法)。解決つかない時には、自分自身の考え方(認知)や振る舞い方(行動)を変えることが求められます(認知行動療法)。うつ病...(続きを読む)
最近のうつ病(4)
(画像をクリックすると拡大されます) このように、いわゆる恐怖症的な心性を有した神経症性のうつ病といってよいでしょう。この点においてかつての「逃避型抑うつ」(広瀬、1977)や「退却神経症」(笠原、1978)とも重複する病態と言えます。大学や会社へ入るまでは目立った葛藤や挫折がなかったものの、いざ現実的な問題や苦難に直面して処理しきれず、逃避や抑うつに陥ってしまう病態です。これらを更に、前回まで...(続きを読む)
最近のうつ病(3)
(画像をクリックすると拡大されます) ディスチミア親和型うつ病とメランコリー親和型うつ病とを対比させると表のようになります。 銀座泰明クリニック(続きを読む)
最近のうつ病(2)
最近、非定型うつ病のように、メランコリー親和型うつ病とは異なったタイプのうつ病が増えていると言われています。具体的には「現代型うつ病」(松浪ら、1991)、「未熟型うつ病」(阿部、1995)、そして「ディスチミア(気分変調症)親和型うつ病」(樽味、2005)という、若い世代を中心とした、比較的、軽症で、身体症状や不安・焦燥を前景とするうつ病です。軽症ながら出勤困難となり、自宅で療養されることが少な...(続きを読む)
最近のうつ病(1)
前回は非定型うつ病についてご説明いたしました。典型的なうつ病(メランコリー親和型うつ病)というのは真面目で几帳面な中高年の男性が長く続くストレスに耐え切れなくなり発病するといった病態でしたが、非定型うつ病とは敏感・繊細な若い女性が日常のストレスから発病されるといった病態です。銀座泰明クリニックには20-30代の会社員や大学生の方々が大勢受診され、非定型うつ病の方々も相当数いらっしゃいます。どなたも...(続きを読む)
非定型うつ病(3)
治療は、そもそもこの病気がアメリカにてMAO阻害薬という薬の効果ある一群として定義されたため、MAO阻害薬が効果的なのですが、日本では使用できません。それに代り SSRI, Serotonin Selective Reuptake Inhibitor が効果的と言われています。また躁うつ病が合併している時は気分安定薬を、パニック障害が合併している時は抗不安薬を併用するのが適切です。従って、その時々...(続きを読む)
非定型うつ病(2)
といっても「非定型うつ病」が正式に「病気」として認められるようになったのは、ここ10年程のことでしかありません。それもうつ病のサブカテゴリーとしての扱いであり、明確な定義がなされているわけでもありません。双極2型障害や境界性人格障害との合併や関連も指摘されており、実際のところかなりオーバーラップして診断・治療されているのではないかと考えられます。また前回ご説明した Soft bipolar spe...(続きを読む)
非定型うつ病(1)
これまで「うつ病」や「躁うつ病」について繰り返しご説明してまいりました。これらは気分が落ち込んだり、高ぶったりする「病気」です。中にはもともとの「性格」といった方もいらっしゃり、10代の頃から悩んでいたのだけれども、就職して仕事に支障を生ずるようになり、ようやく受診したという方もいらっしゃいます。いずれにしても適切な治療により症状が緩和されますので、早めの受診をお勧め致します。 「うつ状態」と「...(続きを読む)
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