茅野 分(精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))- コラム「「頸椎椎間板ヘルニア」と「うつ病」について」 - 専門家プロファイル

茅野 分
東京・銀座の心療内科・精神科、夜間・土曜も診療しております。

茅野 分

チノ ブン
( 東京都 / 精神科医(精神保健指定医、精神科専門医) )
銀座泰明クリニック 院長
Q&A回答への評価:
4.7/334件
サービス:1件
Q&A:1,052件
コラム:217件
写真:0件
03-5537-3496
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。
印刷画面へ

「頸椎椎間板ヘルニア」と「うつ病」について

- good

2019-08-02 03:18

ネプチューン・名倉潤さん(50)が「2018年6月末に『頸椎板ヘルニア』の手術を行い、10日間の休養をいただきましたが復帰いたしましたが、その後、手術の経過は良好な一方で、手術の侵襲という普段の生活圏にはないストレスが要因でうつ病を発症し、一定期間の休養が必要という医師の診断により」休職することなったそうです。心よりお見舞い申し上げます。


当院へも「椎間板ヘルニア」による「慢性疼痛」にて「うつ病」を併発し、受診される患者さんは大勢いらっしゃいます。また「慢性疼痛」特に「腰痛」「心理的ストレス」により生ずるというエビデンスも昨今、多々、報告されています。

ただし、今回の報道を拝読しますと、通常の症例と印象がやや異なります。手術は良好であり、1年間経過しており、番組へも復帰されているにもかかわらず、うつ病に罹患されたというのは、手術の侵襲と今回のうつ病との因果関係はいかほどかという疑問です。

「頸椎椎間板ヘルニア」の治療は、症状として上肢への放散痛が主たる場合、いわゆる「保存的療法」と呼ばれる治療法を原則とします。保存的療法にても上肢痛が軽減しない場合や、上肢の筋力低下が改善しない場合に「手術的療法」が行われます。

「頚椎椎間板ヘルニア 手術」の画像検索結果

(メディカルノートより引用)

手術後は「頚椎カラー」を装着する事もありますが、翌日には起床して歩行器を用いての歩行を開始します。通常は術後10-14日目に退院できます。しかし、術前から歩行障害などが見られる場合は、術後のリハビリテーションが数週間から数ヶ月必要となります。退院後は定期的に来院し、神経症状の診察と頚椎X線撮影による頚椎のチェックを行います。術後の通院は3-12ヶ月必要となることが多いです。仕事や学業への復帰は術前の症状によりますが、通常は術後、1-2ヶ月が一応の目安です。(日本整形外科学会・日本脊髄外科学会より引用改変)

「頚椎椎間板ヘルニア 手術 風景」の画像検索結果

うつ病の「誘因」「発病」「反応性うつ病」や「心因性うつ病」ならば少なくとも数週間以内であり、1年間を経て休職まで至ったならば、その間に他に様々な「誘因」が想定されるということです。これ以上はご本人の個人情報に関わることですから、敢えて言及いたしません。本日、複数のマスコミ各社より問い合せをいただいたため、この場で、簡略に回答する次第です。

「頚椎椎間板ヘルニア 手術」の画像検索結果

銀座泰明クリニック

カテゴリ このコラムに関連するサービス

対面相談 東京・銀座の心療内科・精神科

夜間・土日も診療しています

料金
2,381円

精神保健指定医・精神科専門医が、適切な診断・治療を提供いたします。

東京・銀座の心療内科・精神科
プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム