茅野 分(精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))- コラム「インターネットによる精神障害の早期発見・早期治療(3)」 - 専門家プロファイル

茅野 分
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茅野 分

チノ ブン
( 東京都 / 精神科医(精神保健指定医、精神科専門医) )
銀座泰明クリニック 院長
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インターネットによる精神障害の早期発見・早期治療(3)

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2008-05-27 08:12

大学病院における初回うつ病
まず我々は、平成14年2月−7月の半年間に「慶應義塾大学病院精神神経科」 を受診した初回うつ病の患者35人を調査した2)。その結果、DUI:14.5±15.3 (Min: 2, Max: 48, Med: 8, Mode: 8) 週だった。患者背景は、男性21人・女性14人、年齢42.4±14.1歳、職業は会社員19人、主婦3人。受診経路は紹介21人(院内9人)だった(画像をクリックすると拡大します)。すなわち、中年の会社員が発病後3ヶ月後に紹介されて初診したと言える。なお、初診後の半年以内に寛解した患者23人(65.7%)において寛解に要した期間(10.5週)・処方量(86.1mg, imipramine換算)とDUIの間に相関は認められなかった。

「琉球大学医学部付属病院」 における2000年4月から2001年3月の1年間に総合診療科を初診した気分障害の患者10名と精神科を初診した気分障害の患者17名の未治療期間を比較したところ、 25.6±14.1 vs 6.8±4.3 週であったという9)。総合診療科のDUIが長い理由は、身体症状の方が精神症状よりも時期を特定しやすいこと、適切な診断・治療を受けることなく医療機関を転々としてきた可能性があることと考察された。慶應義塾大学病院のDUIは、琉球大学医学部付属病院の総合診療科と精神科の中間の値であり、この両者の傾向を有していると考えられる。そして両大学病院とも今後、早期治療を促進するためには、紹介元との連携を強化することが必要と考察された。(つづく)

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