福味 健治(建築家)- Q&A回答「予算オーバーの顛末について」 - 専門家プロファイル

福味 健治
木造住宅が得意な建築家。

福味 健治

フクミ ケンジ
( 大阪府 / 建築家 )
岡田一級建築士事務所 
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予算からの見積りオーバー

住宅・不動産 住宅設計・構造 2014/10/25 10:01

宜しくお願いします。
設計事務所に注文住宅を依頼し、今は実施設計に入っています。

先日、初めて工務店からの見積りが出たのですが、その額が予算よりも、一千万越えていました。

あまりにも、予算から差がありすぎるため、いかにコストを減らすかの話ばかり、自分たちの希望する家から遠退く感じで、注文住宅で建てる意味がわからなくなり、不信感を持ってしまいました。
そもそも予算内におさまる間取り設計だったのかさえ疑問でなりません。


そこで、契約解除を考えているのですが、契約書にも書かれている完成物の金額は、請求されると思うのですが、はっきり言って詐欺に近いので、全額は払いたくありません。

また土地は、繋ぎ融資が始まってしまっており、金利分を払っています。
この場合、住宅ローンは使えなくなるのでどうなるのでしょうか?

また、設計事務所から請求される設計監理料もローンに組み込んでいるので、一円もまだ払っていません。

預金が少なく用意が難しいのでその辺も悩んでいます。

この機に、もう家を建てるのは諦めるつもりなので、土地も売却するつもりでいます。
初期費用を出来るだけ抑えて住宅ローンを申し込みしたので、どれだけ請求されるかも不安でなりません。

でも、家を建ててしまってからでは遅いので、何か良きアドバイスをお願いいたします。

ブーケさん ( 大阪府 / 女性 / 37歳 )

予算オーバーの顛末について

2014/10/26 01:45
( 4 .0)

大阪で設計事務所をしています。
心中お察し申し上げます。
コストダウンを図るには色々な手法があります。
○間取りを整理して構造的な無駄を省く方法
○仕上げ材や住設機器を吟味して質を落とさず値段を下げる方法
○住まい方を熟慮して無駄な坪数を減らしてしまう方法
○工法の選択
○工務店さんの協力
一般的にはこれらを駆使して、ご予算に近づけるのですが、1000万円のコストダウンとなれば至難の業かと思います。
但し、1000万円もオーバーする物件となれば、建築総額が相当高額な物件ではありませんか?最も多く建てられている2000万円クラスの物件では、1000万円もオーバーすることはまず考えられません。
また、高額物件であれば、上記手法を駆使すれば1000万円のコストダウンは不可能な数字でもありません。私の経験ですが、昨年1000万円以上のコストダウンに成功しています。

その為には、設計事務所をはじめ、工務店さんの選定から洗い直す必要があるかと考えます。
同じ業者で減額案を要求しても、今までと同じ発想でしか、減額案を出して来ないと思います。工事サイドの論理で値段を積み上げた減額案は、建築主の夢を色褪せたものにするばかりで、決して許容できるものではないでしょう。

また、折角苦労して求められた土地を買値で売れるかどうか判らない状況で、売却されるのももったいない話しかと思います。
つなぎ融資の金利負担は売却が成立するまで払わなければなりませんし、早急に処分しようと思えば、売却価格そのものを引き下げねばなりません。
夢と希望を膨らませて今まで来られたのですから、失望は大きいかと思いますが、夢を捨てずに再度マイホームに挑戦されることをお勧めします。

一つ教えて頂きたいのですが、現在実施設計中との事ですが、一般的には実施設計が完了していない段階での見積もりと云うのに、いささか違和感を感じます。
実施設計が完了して初めて正式な、見積もりの発注が出来るのであり、実施設計が完了していない段階での見積もりに、どれほどの信憑性があるのか疑問です。見積もり金額だけが一人歩きをしていませんか?
もしも2000万円クラスの物件で1000万円以上も予算がオーバーしているのなら、それは実施設計図書の不備による、工務店さんの過激とも云える安全側(値段が高い側)の見積もりである可能性だって考えられます。

もう少し詳しいお話しをお聞き出来れば、お力になれると思うのですが。。。。

評価・お礼

ブーケ さん

2014/10/27 00:31

ご回答ありがとうございます。
実施設計の大半は、完成しているのだろうと思うのですが、まだ頂いてない図面などもある状態なのに、一式図面の受領書にサインを求められ、サイン済みです。
設計士さんの手元には、完成された図面一式があるようですが、今思うと全て仕上げてからの受領書サインが当たり前ですよね。
そういうやり方にも疑問を感じています。

建築費用は、およそ2000万なので、おっしゃる通り1000万の予算オーバーは、おかしいと思います。

福味 健治

2014/10/27 08:25

ご返答有難うございます。
改めてご質問を読み返すと、もう一つ疑問が湧いてきました。
完成物の請求とは設計図書や確認申請書を指すのでしょうか?設計契約を工事請負契約と分離して行われているのであれば、設計契約書の条項に契約解除に関する条項があるはずです。
事前に予算を提示しているにも関わらず、希望を逸脱した設計図書を作成されてしまってのであれば、契約解除に該当するかと思います。
その時の請求金額に対する支払方法も明記されているかと思います。
それなら条項に則り事務的に作業を進めれば問題は解決しますが、そうではないのですね。

推測ばかりで申し訳ないのですが、もしかして設計事務所さんは、ご自分で事務所選びをされたのではなく、工務店さんから紹介された設計事務所さんではありませんか?
そうであれば、設計事務所さんは工務店さんが得意先であり、工務店さんが不利益となるような設計図書は作成しません。つまり、減額に消極的な態度しかとれないのです。

工務店選びは重要ですが、工務店さんは設計図書に書かれた内容を忠実に完遂するのが業務です。設計図書の良否如何で建物の良否が決まると云っても過言ではありません。
再度設計契約書を熟読されることを勧めします。

可能であれば、もう少しお話しをお聞きしたいです。

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