在来工法浴室の高基礎について
住宅・不動産 住宅設計・構造 2011/05/08 18:17現在、木造の新築住宅を計画中です。
浴室は在来工法で考えていますが、木材の腐朽を考えて基礎を天井まで立ち上げる計画です。
基礎の幅は150ミリで、立ち上がりの高さは2700ミリほどになります。
浴室内部はモルタル下地にタイル、浴室の隣が子供部屋なのですがそちらの内壁はコンクリートの上に胴縁にラスボード、塗り壁の仕上げとなっています。
構造的な心配もあるのですが、隣の子供部屋が結露を起こさないか心配をしています。
子供がまだ小さいので子供部屋は当面は日常的には使わない予定です。
腰くらいまでの高さの基礎を打つというのは聞いたことがありますが、天井までコンクリートを立ち上げるというのは初めて聞いたので、本当に結露等の支障が出ないかどうか構造的に大丈夫なのか、アドバイスをいただきたいです。
cocoruruさん ( 岐阜県 / 女性 / 34歳 )
天井までは不要かと・・・
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cocoruruさん、こんにちわ。大阪で設計事務所をしています。
設計者の浴室に対するこだわりの問題かと思いますので、特に2700mmの基礎高が悪いと云う訳ではありませんが、ご質問の結露には充分注意を払わなければなりません。ラスボードを張るまでに、ウレタン等を吹付けて結露対策を行うべきでしょう。
また、構造的には四方囲むのであれば、あまり気にされることは無いかと思いますが、地震等が発生した場合、他の木造部分と違う揺れ方をしますので、周囲のクラック対策が気になります。外壁面が木造と一直線に並ぶ様な浴室の配置であれば、目地切り等何某かのクラック対策を考えた方が無難です。
技術サイドの話しになりますが、基礎高がそこまで高くなるとRC造と木造の混構造にならないか、申請機関によって解釈が変わるかと思います。もし混構造となってしまえば、RC単体でも耐力を検討する必要があり、天井面(二階床面)までRC造にする必要に迫られる可能性があります。また申請期間も長くなります。
2700mmまで高くするメリットは木の腐朽よりも構造体の違いによるタイルの割れ等の事故を回避する事にあります。通常の高基礎であれば、激しい地震等が発生しなくても、膨張・収縮する比率の違いで、基礎面と木造面の境に水平にクラックが入ってしまう事故が確認されています。その為タイル面は全てRC造にすべきだと考える設計者もおられます。しかしタイルの割れは、ラス下地をRC基礎部分まで延ばして施工する等の処置で回避できますので大きな問題とはなりません。
頻繁に壁面を水洗いしない限り、通常の浴室で水を被る高さ(床面から900mm程度)まで基礎を上げてやれば問題はないかと考えます。
それよりも在来浴室の問題は、浴室の出入り口廻りの木部の腐朽にあります。ユニットバスより防水性能が劣る為、出入り口の額縁や床面に浴室の水が染み込みます。木の腐朽が最も進むのは、木が濡れたり乾いたりを繰り返す時です。まさに、出入り口廻りの木部は濡れたり乾いたりを繰り返します。出入り口には恐らくアルミ建具を取り付けされると思いますが、取り付け下地を仕上げ同様に、木で施工しますと、数年後には間違いなく腐朽します。基礎を高くする事に予算を使うよりも、土台も含め出入り口廻りから木を排除することに予算を使う方が丈夫で長持ちする家になるかと思います。
評価・お礼
cocoruru さん
2011/05/11 11:36
ありがとうございます。
基礎を頑丈にすれば構造的には強い物だと思ってしまっていましたが、他の部分とのバランスもあるのですね
RC造にしなければいけないということになると少し大掛かりになりすぎて、基礎高を高くするメリットととそれに付帯してくるいろんなことを比べてしまうと必要性はそこまで無いような気もしています。
浴室の扉は木製の開き戸で入り口まわりは腐朽を防ぐために石を貼ることを提案されていますが、洗面所側は木製の枠にするのでどうしても少しは木部が浴室側にも出てしまうようです。扉は腐ったら作り替えればいいので素材感を優先したいのですが、取替ができない部分が腐ってしまうのは極力さけたいです。