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著作権と版権の違いとは?これを読めば著作権のトラブルも未然に防げる

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2015-11-30 16:00

こんにちは、専門家プロファイル編集部です。


最近、民法各社がドラマなどを見逃した方に向けて、無料で前回分の放送を視聴できるサービスをスタートしましたね。この取り組みは、動画サイトに違法アップロードされている動画対策といわれています。そのなかでよく出てくる言葉が「著作権」です。


今回はこの著作権についてピックアップをしています。

著作権とはどんな権利か、侵害するとどうなるかなどをまとめていますので

実際に仕事で関わる方や動画サイトやブログをよく更新する方は必見ですよ。


≪目次≫

1.  「著作権」と「版権」について知りましょう

1―1 著作権とはどんなもの?

1―2 版権とはどんなもの?

1―3 「著作権」と「版権」の違いとは?

2.  商標権を侵害するとは、どういうこと?

2-1 著作者について

2-2 著作者人格権について

2-3 著作権(財産権)について

3.  著作権はどのように生活に関わっている?

3-1 さまざまな場面で楽曲を使用する場合

3-2 アニメや漫画、小説などの二次使用をする場合

3-3 著作権切れの作品を読む場合

3-4 著作権の保護期間について

4.  著作権侵害とは?

4-1 同人誌における著作権侵害訴訟について

4-2 CMソングに関する著作権侵害訴訟 について

4-3 Youtubeにおける著作権侵害について

4-4 著作権侵害の予防策としての公式動画配信について

4-5 著作物の使い方について

5.  商標を申請する前に公的機関で調べましょう


 

1. 「著作権」と「版権」について知りましょう

「著作権」や「版権」という言葉をニュースなどで耳にすることがあることでしょう。また、同人誌などで著作権のある作品が二次使用される場合、「版権もの」というような言い方をします。

このように私たちの生活のいたるところで「著作権」と「版権」という言葉は使われているのです。

では、まず「著作権」と「版権」の違いについてご説明いたしましょう。


 


1―1 著作権とはどんなもの?

著作権とは、知的財産権の一つであり、作品を創作した者に与えられる権利のことを言います。

また、著作権には、「人格的な利益を保護する著作者人格権」と財産権の一つである「財産的な利益を保護する著作権」の二つがあります。

「著作者人格権」とは、著作者だけが持っている権利のことを言います。これは「一身専属権」と言われ、譲渡したり、相続したりすることは出来ません。そのため、「著作者人格権」は著作者の死亡によって消滅しますが、著作者の死後も一定の範囲で守られます。

「財産的な利益を保護する著作権」は、その一部又は全部を譲渡したり、相続したりすることが出来ます。誰かにその一部又は全部を譲渡や相続をした場合、権利者である著作権者は著作者ではなく、著作権を譲り受けたり、相続したりした人になります。


 


1―2 版権とはどんなもの?

「版権」とは法律用語として、1875年(明治8年)に改正された出版條例で初出しされ、1899年(明治32年)に著作権法が公布されるまでの間に用いられました。この当時の「版権」とは、現在の著作権法での著作権とは異なっており、著作物のうちの一部である図書等についての権利であり、「脚本」、「音楽」、「写真」、「映画」等は対象とされていませんでした。


 


1―3 「著作権」と「版権」の違いとは?

「版権」は明治時代に福沢諭吉が「copyright」の訳語として作り出したものであると考えられています。

明治20年には単独の著作権立法として「版権条例」が制定されました。

しかし、1999年の著作権法では「著作権」という言葉が「版権」に代わりました。そのため、法律上「版権」という言葉が廃止されました。


このように「著作権」と「版権」という言葉の違いはありますが、意味は同じです。

また、法律上、「版権」という言葉は使われなくなっていても、一般には現在も使用されていることがあります。

(参考記事) 版権とは? 著作権と版権との関係は? ※専門家プロファイル掲載Q&Aより


 


2.著作権について詳しく学んでいきましょう

では、著作権とは一体どのようなことが保障されている権利なのでしょうか。

著作権を考える時に知っておかなければならないことがいくつかあります。


●著作者について

●著作者人格権について

●著作権(財産権)について


まず、上記3つについてご説明いたします。


 


2-1 著作者について

「著作者」とは、「著作権法第2条」によれば、「著作物を創作した者」を言います。

共同著作物については、共同で創作に寄与した者全員が一つの著作物の著作者となります。また、法人でも法人著作者(職務著作者)となることが出来ます。

但し、法人著作者(職務著作者)は下記4点を満たす必要があります。


●法人等の発意に基づくものであること

●法人等の業務に従事する者が職務上作成するものであること

●法人等が自己の名義で公表するものであること

●作成時の契約、勤務規則に別段の定めがないこと


このように「著作者」と呼ばれるのは、この3つのうちのどれかに該当する必要があります。


 


2-2 著作者人格権について

「著作権人格権」とは大きく分けて3つに分類することが出来ます。


●公表権

●氏名表示権

●同一性保持権


まず、「公表権」についてですが、これは著作物でまだ公表されていないもの(著作者の同意を得ずに公表された著作物を含む)を公衆に提供することや提示する権利のことを言います。当該著作物を原著作物とする二次的著作物についても、同様の権利が認められています。この権利は著作物の公表の可否について決めることが出来る権利です。

次に「氏名表示権」についてですが、これは著作者が著作物の原作品に、その著作物の公衆への提供や提示をする際に、実名やペンネ―等を著作者名として表示することや、著作者名を表示しないことを決めることが出来る権利のことを言います。

また、著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供や提示をする際も同様の権利が認められています。

また、著作物を利用する場合は、その著作物の著作者の意思表示がない限り、その著作物にすでに表示されている著作者名を表示することが可能です。

その他、著作者名の表示は、著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められ、問題がないとされた場合のみ、省略することも出来ます。

そして、「同一性保持権」についてですが、これは著作者が著作物及びその題号の同一性を保持し、意に反して、勝手にこれらの変更や切除、その他の改変を受けない権利のことを言います。


 


2-3 著作権(財産権)について

著作権(財産権)は大きく分けて、11個に分類することが出来ます。


●複製権

●上演権・演奏権

●上映権

●公衆送信権・伝達権

●口述権

●展示権

●頒布権

●譲渡権

●貸与権

●翻訳権・翻案権など

●二次的著作物の利用権


それでは、それぞれの権利について詳しくご紹介していきましょう。


≪「複製権」について≫

著作者が著作物を「印刷」や「写真」、「複写」、「録音」、「録画」などの方法によって有形的に複製する権利を専有することを言います。


≪「上演権・演奏権」について≫

著作者が著作物を、公衆に直接見せたり、聞かせたりすることを目的として上演したり、演奏したりする権利を専有することを言います。


≪「上映権」について≫

著作者が著作物を公に上映する権利を専有することを言います。


≪「公衆送信権・伝達権」について≫

著作者が著作物の公衆送信を行う権利と公衆送信される著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有することを言います。


≪「口述権」について≫

著作者が言語の著作物を朗読などの方法により公に口述する権利を専有することを言います。


≪「展示権」について≫

著作者が美術の著作物やまだ発行されていない写真の著作物の原作品を公に展示する権利を専有することを言います。


≪「頒布権」について≫

著作者が映画の著作物を複製物によって、頒布(販売・貸与など)する権利と映画の著作物において複製されている著作物を、当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有することを言います。


≪「譲渡権」について≫

著作者が映画以外の著作物を原作品または複製物の譲渡により公衆に提供する権利を専有することを言います。


≪「貸与権」について≫

著作者が映画以外の著作物の複製物を貸与することにより、公衆に提供する権利を専有することを言います。


≪「翻訳権・翻案権など」について≫

著作者が著作物を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化するなど、その他翻案する権利を専有することを言います。


≪「二次的著作物の利用権」について≫

二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有することを言います。


このようにそれぞれ細かく著作権(財産権)は規定されています。


 


3. 著作権はどのように生活に関わっている?

ここまで、著作権とは何かについてご紹介してきましたが、はたして、私たちの生活に著作権はどのように関わってくるのでしょうか。

生活をしていく上で関わってくる著作権について、ご紹介いたしましょう。


 


3-1 さまざまな場面で楽曲を使用する場合

楽曲にも著作権は存在しています。楽曲の著作権管理を行っているのは、JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)です。

JASRACは著作権信託契約によって、これまでに制作された作品から今後制作される作品まで、すべての作品の著作権を預かり、著作者に代わって著作権管理を行っています。

放送やインターネットでの音楽配信だけでなく、コンサートやカラオケ、冠婚葬祭での生演奏やBGMにいたるまで、登録されている楽曲が利用された際、利用を許諾して使用料を受け取り、管理手数料を控除した上で著作者にJASRACから振り込まれます。

多くの場合、楽曲を利用する際に企業等が間に入り、JASRACに利用許諾を取り、使用料を払っているのですが、個人的に利用したいと考えた場合は自分で手続きする必要があります。無断で楽曲を使用した場合は、著作権法に抵触してしまうので、しっかりと手続きをしましょう。


 


3-2 アニメや漫画、小説などの二次使用をする場合

ここ数年、「コミケ」という言葉がニュースなどで取り上げられることが多くなり、「同人誌」という言葉を耳にしたことがある人もいることでしょう。

「同人誌」とはオリジナルストーリーのものを除くと、既存のアニメや漫画、小説などのキャラクターを用いて、自分で新たに漫画や小説などを書いたものを指します。この「同人誌」はコミケなどの即売会で販売され、利益が発生しますが、基本的に著作権を持つ著作者には二次使用料等の支払いはありません。そのため、著作権のグレーゾーンとも言われています。

また、企業によっては二次使用におけるガイドラインを提示していますが、同人誌の著作権侵害問題で訴訟にまで発展した例もあります。


 


3-3 著作権切れの作品を読む場合

現在、著作者の没後50年で著作権は切れてしまいます。そんな著作権が切れた作品だけを集めた「青空文庫」という無料電子書籍サイトがあります。このサイトはボランティアで運営されているのですが、実にさまざまな著作権切れの作品を無料で読むことが出来ます。

このように、著作権が切れた作品は誰もが無料で読むことが出来ますし、二次使用(音声化など)をしても、使用料が発生しません。

ですが、環太平洋経済連携協定(TPP)の事前協議で、著作権の保護期間を現行の著作者の没後50年から、米国が要求している著作者の没後70年に延長する可能性が高まっています。20年延長されるということは、青空文庫で扱える作品数が大幅に減少することになります。


 


3-4 著作権の保護期間について

現在、日本における著作権の保護期間は下記のようになっています。


●著作者の没後50年

⇒小説、脚本、漫画、音楽など


●著作者の没後70年

⇒映画


ちなみに欧米での著作権の保護期間は著作者の没後70年が主流となっています。

今までも、日本の著作権保護期間は、海外に合わせ延長されてきたという経緯があります。

戦後、著作物の保護期間は著作者の没後30年だったのが、1971年に施行の法改正で映画が公表後50年となり、他の著作物も著作者の没後50年となりました。そして、2004年施行の法改正で、映画の保護期間が公表後70年に延びました。

著作者側からすれば、著作権の保護期間が長くなることは喜ばしいことであると考えられますが、著作権切れの作品を無料で利用していた側からは反発の声もあがっているという実情があります。

著作権の保護期間が50年から70年に延長されると、権利関係の確認をするための期間も長くなりますし、復刻版ビジネスなどに悪影響を及ぼす可能性もあります。また、映画やテレビ番組の中に権利不明な著作物が映っていた際、DVD化やネット配信などが難しくなることも考えられます。

こういったことからも、著作権の保護期間延長にはさまざまな問題をはらんでいると言えるでしょう。

しかし、著作者の権利も大切なものですから、難しい問題であることがうかがえます。


 


4. 著作権侵害とは?

著作権はあらゆるものに存在しています。著作権がどういったものかを知らなければ、侵害してしまう可能性もあります。また、これくらいはいいだろう、という気持ちから著作権侵害をして、訴訟に発展してしまうこともあるかもしれません。

著作権侵害をしないためにも、ここでは今まで実際にあった著作権侵害の例をご紹介いたしましょう。


 


4-1 同人誌における著作権侵害訴訟について

≪「ドラえもん最終話」同人誌訴訟≫

「ドラえもん最終話」として発売された同人誌に関する訴訟が2007年に起こされました。これは「ドラえもん」の最終話を著作者の絵そっくりに描き、販売したものでした。

小学館は訴訟という異例ともいえる厳しい措置を取った理由として、「絵柄や装丁がよく似ていて本物と間違える人がいること」、「作品の世界観を勝手に改変したこと」、「部数が同人誌の範囲を超えていること」などをあげました。結局、この訴訟は和解されることになったのですが、和解の条件などは明らかにされていません。明らかになっているのは、著作権侵害をした方は著作権侵害したことを認め、小学館と藤子プロに謝罪し、今後、同様のことをしない旨を書いた誓約書を提出したことと、不当に得た利益の一部を返還しているということです。


 


4-2 CMソングに関する著作権侵害訴訟について

作曲家・小林亜星さんの作曲したCMソング「どこまでも行こう」に類似した服部克久さんのフジテレビ番組テーマ曲「記念樹」に関する訴訟なのですが、この訴訟では、作曲者である服部克久さんと曲の利用を認めていたJASRACが続けて、訴えられたという珍しい訴訟でした。


まず、1998年に「記念樹」の作曲家である服部克久さん訴え、2002年9月に東京高等裁判所は、服部克久さんに「編曲権侵害」を理由として、約900万円の損害賠償の支払いを命じました。

翌年、2003年には「記念樹」の利用を認め続けていたことが著作権侵害にあたるとして、小林さんの曲の著作権を持つ「金井音楽出版」が、JASRACに損害賠償を求める訴訟を起こしました。

2005年2月には、約180万円の賠償を命じた東京地裁の一審判決を取り消し、JASRAC側逆転勝訴の判決が言い渡されました。

ちなみに一審では「著作権侵害の有無を慎重に検討せず、放送局などに漫然と利用許諾を続けた」とされたのですが、高裁では「最高裁判決まで見極めようとしたJASRACの対応はむしろ適切な措置」と判断されたという経緯があります。


 


4-3 インターネット利用した著作権侵害について

≪動画共有サイト「YouTube」での著作権侵害で初の逮捕となった事件≫

2010年、動画共有サイト「YouTube」を通じて、週刊少年漫画誌に掲載された漫画を動画ファイルとして、著作権利者に無断でアップロードし送信できる状態にしていたという疑いで愛知県名古屋市中区の男子中学生(当時14歳)を著作権法違反(公衆送信権侵害)で逮捕しました。

少年は2009年から2010年の間に前後4回に渡って、株式会社集英社が出版している「少年ジャンプ」に掲載されていた「銀魂」(第291話)、「NARUTO―ナルト―」(第481話)、「ONE PIECE―ワンピース―」(第574話)の3作品と株式会社小学館が出版している「週刊少年サンデー」に掲載されていた「MAJOR」(第721話)の1作品を「YouTube」を通じ、著作権利者に無断でアップロードして、不特定多数のインターネットユーザーに対して送信出来るようにし、著作権(公衆送信権)を侵害した疑いが持たれています。ちなみに2010年4月末時点で合計約800万回にものぼっていました。また、少年は保護観察処分となっています。


 


4-4 著作権侵害の予防策としての公式動画配信について

動画共有サイトなどに著作権侵害されているテレビ番組の動画は数えきれないほどアップロードされています。それらの動画は「著作権侵害の申し立て」として削除要請が出来るものの、現状、いたちごっこであると言えるでしょう。

そうした違法アップロードが増え続ける中、テレビ各局は見逃してしまった人やもう一度観たい人を対象とした動画の再配信サービスを行っています。

たとえば、フジテレビの「+7(プラスセブン)」は対象番組の放送終了後から次週放送開始までの原則最大7日間無料で番組を見ることが出来ます。このサービスを利用する場合には、パソコン、スマートフォン、タブレットが必要となります。その他の民放でも同じようなサービスがあり、日本テレビでは日本テレビ系列の見逃し番組を無料で視聴できる動画サイトとして、「日テレ 無料TADA! by日テレオンデマンド」があります。TBSでは「TBSFREE byTBSオンデマンド」として、注目番組の最新話を原則放送終了後から1週間無料で見ることが出来ます。テレビ朝日では「テレ朝キャッチアップ」として、最新話を期間限定で無料で見ることが出来ますし、テレビ東京では「ネットもテレ東キャンペーン」として、無料試聴出来るサイトがあります。

また、各局で有料ではありますが番組を見ることが出来るサービスも実施されています。


その他、最近CMが流れている「TVer」もあります。これは在京民放5社である「日本テレビ放送網株式会社」、「株式会社テレビ朝日」、「株式会社TBSテレビ」、「株式会社テレビ東京」、「株式会社フジテレビジョン」が連携している公式テレビポータルです。この公式テレビポータルは、放送後一定期間限定の放送局による公式無料動画配信サービスであり、先にご紹介した各局の動画無料配信サービスの総合版のような位置づけです。

また、「TVer」というこの名称は、「ユーザーの誰もが、場所や時間の制約から解放され、もっと自由に、もっと自分に合わせてテレビ番組を楽しめるように、また新しいスタイルでテレビを視聴する人 たち(=TVer)が世の中にどんどん増え、テレビをこれまで以上に楽しんで頂きたい」という願いが込められているそうです。


このように動画を違法アップロードされてしまうという現状を打破しようと、さまざまな手が尽くされています。


ちなみにインターネット上において、無断でテレビ番組をアップロードすることは、著作権法違反となり、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金(またはその両方)が科せられます。法人が同様の行為を行った場合は、3億円以下の罰金が科せられます。

また、個人的な利用である場合も「違法アップロードされたものであること」を知りながら、動画をダウンロードする行為も違法です。「違法アップロードされたものであること」及び「販売(または有料配信等)されている番組であること」を知りながら動画をダウンロードする場合は2年以下の懲役または200万円以下の罰金(またはその両方)が科せられます。

番組を見逃してしまったり、もう一度見たいと思ったりした時は、きちんと公式サイトから試聴するようにしましょう。


 


4-5 著作物の使い方について

著作物を利用する時に著作権侵害にならない使い方が存在します。

著作権法で許可されている使用方法は下記の35通りの方法です。


●私的使用のための複製(著作権法第30条)

●付随対象著作物の利用(著作権法第30条の2)

●検討の過程における利用(著作権法第30条の3)

●技術の開発又は実用化のための試験に用いるための利用(著作権法第30条の4)

●図書館における複製等(著作権法第31条)

●引用(著作権法第32条)

●教科用図書等への掲載(著作権法第33条)

●教科用拡大図書等の作成のための複製等(著作権法第33条の2)

●学校教育番組の放送等(著作権法第34条)

●学校その他の教育機関における複製等(著作権法第35条)


●試験問題としての複製等(著作権法第36条)

●視覚障害者等のための複製等(著作権法第37条)

●聴覚障害者等のための複製等(著作権法第37条の2)

●営利を目的としない上演等(著作権法第38条)

●時事問題に関する論説の転載等(著作権法第39条)

●政治上の演説等の利用(著作権法第40条)

●時事の事件の報道のための利用(著作権法第41条)

●裁判手続等における複製(著作権法第42条)

●行政機関情報公開法等による開示のための利用(著作権法第42条の2)

●公文書管理法等による保存等のための利用(著作権法第42条の3)

●国立国会図書館法によるインターネット資料及びオンライン資料の収集のための複製(著作権法第42条の4)

●翻訳、翻案等による利用(著作権法第43条)

●放送事業者等による一時的固定(著作権法第44条)

●美術の著作物等の原作品の所有者による展示(著作権法第45条)

●公開の美術の著作物等の利用(著作権法第46条)

●美術の著作物等の展示に伴う複製(著作権法第47条)

●美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等(著作権法第47条の2)

●プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等(著作権法第47条の3)

●保守、修理等のための一時的複製(著作権法第47条の4)

●送信の障害の防止等のための複製(著作権法第47条の5)

●送信可能化された情報の送信元識別符号の検索等のための複製等(著作権法第47条の6)

●情報解析のための複製等(著作権法第47条の7)

●電子計算機における著作物の利用に伴う複製(著作権法第47条の8)

●情報通信技術を利用した情報提供の準備に必要な情報処理のための利用(著作権法第47条の9)

●複製権の制限により作成された複製物の譲渡(著作権法第47条の10)


著作物の扱い方は難しいと思われがちですが、このように正しい使い方をすれば、自由に著作物を利用することが可能です。

ブログを書かれている方でテレビ番組を紹介したり、歌の歌詞を紹介したりしたいと思った時には出典を明記すれば、「引用」することが出来ますし、勉強のために問題集をコピーすることは「私的使用のための複製」として問題がありません。

一見、難しそうに見える著作物の利用ですが、知識さえ持っていれば、著作権侵害をすることなく、利用することが出来るのです。


(参考記事) どこから著作権法違反になるのでしょうか? ※専門家プロファイル掲載Q&Aより


 


5. 著作権について詳しく知るということは

「著作権」という言葉をよく耳にしていても、一体どういったものなのか、詳しく知らないものの一つではないでしょうか。

また、「著作権」という言葉が法律上使用されているにも関わらず、今でも「版権」という言葉が使われていることもあります。「著作権」と「版権」の両方が使われていることにより、この二つが違ったものであるという認識を持っている方もいたのではないでしょうか。現在は法律上、「著作権」で統一されているということも意識して、「版権」ではなく、「著作権」という言葉を使うよう心がけましょう。

著作権について、正しく知っていないと、著作権を侵害してしまい、思わぬトラブルへと発展する可能性もあります。また、自分が著作者となった際、こうした知識を持っていると強みにもなることでしょう。

著作権について詳しく知り、正しい方法で利用することが重要です。



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