池見 浩(消費生活アドバイザー)- Q&A回答「トラブル未然防止対策と地域の見守りの活用について」 - 専門家プロファイル

池見 浩
消費生活の専門家が消費者教育・啓発や消費者志向経営をサポート

池見 浩

イケミ ヒロシ
( 東京都 / 消費生活アドバイザー )
消費者考動研究所 代表
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父を亡くした母の扱い方

人生・ライフスタイル 老後・セカンドライフ 2018/07/27 13:38

私は双子姉妹の姉(43歳)で、弟(40歳)がいます。
6月に父(71歳)を亡くしました。母(67歳)は知人に声をかけられると外出先でも泣いているようです。もともと夫婦仲はそれほどよくなかったのに今更泣いていることを、私たちは冷めた目で見てしまいます。母は頭の働きがあまりよくないので、一人暮らしをしていく中で詐欺に合わないか心配です。私たちはそれぞれ家族を持ち遠隔地で生活しているのできめ細やかなサポートはできません。またこどもが小さく(下は0歳、上は12歳)まだまだお金がかかるので、母を金銭面でサポートすることは厳しいです。両親とも公務員でしたので、年金はしっかりともらえています。
こういった状況で、母に気を付けてもらうこと、また私たちが気を付けるべきことを教えていただけないでしょうか。お盆の帰省時に母親と兄弟の4人で話したいと考えています。

ままりさん ( 東京都 / 女性 / 43歳 )

池見 浩 専門家

池見 浩
消費生活アドバイザー

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トラブル未然防止対策と地域の見守りの活用について

2018/07/27 19:32
( 5 .0)

さて、遠隔地で一人暮らしのお母さまが詐欺被害にあわないかご心配とのことですので、いくつかご検討されてはいかがかと思うことをご紹介いたします。

1.固定電話は常時留守番設定にする
振り込め詐欺や、「不用品があれば買わせてほしい」「あなたから注文をもらっている商品を届けてよいか」等々の悪質商法の勧誘のきっかけの多くは、電話から始まります。
多くのご高齢の方は、電話にきちんとお出になり、相手の話に応対なさろうとします。断るにしても、「これから病院に行く」など理由を話したりしますが、それが逆に「じゃあいつがいいですか」などと突っ込まれてしまい、結局断り切れずにOKさせられることが多いのです。

そこで、電話を常時留守番設定する事をお勧めします。ご家族・ご友人等々必要な方々には、留守番設定していることをあらかじめ伝えて置き、お母さまに電話する際は留守電越しに名乗るようにします。お母さまは、そうした信頼できる相手以外は出ないようにします。悪意ある相手は、自分の声が録音されるのを嫌いますし、お母様にとっても、相手と応対して断るなどのリスクを避けられます。

なお、自治体によっては、振り込め詐欺対策用の自動録音機を無料で貸し出ししている場合もありますので、一度ご実家の自治体の高齢者対策部署にお尋ねになってはいかがでしょうか。また、携帯電話の操作に問題がなければ、ご家族のご連絡は携帯電話のみに切り替える方法もあります。

2.突然の訪問には、玄関を開けずに断る
点検商法や強引な新聞勧誘などの場合、突然訪問してくることもあります。
その対処法としては、
・玄関はいつもカギをかける
・依頼していない、覚えのない訪問に対しては、玄関のドアを開けず(=施錠したまま)に、玄関の中から「いりません」「お断りします」ときっぱり断わる
などです。

出来れば、そのお断りの言葉を、玄関のそばと電話機の目の前に貼っておき、読むだけで断ることができるようにすると良いでしょう。その貼り紙には、信頼できる方と地域の見守り担当の方の電話番号、全国統一でお近くの消費生活センターに繋がる電話番号 消費者ホットライン「188」、緊急時用に警察「110」を見やすく載せておいてください。

3.地域の見守り制度を活用する
各自治体の高齢者福祉制度の中には、地域の高齢者を見守る制度があります。ご健康の方でも、民生委員の方や介護福祉関係の方、ボランティアの方などが定期的に訪問して、ご高齢の方のお話を聞きながら、生活の状況を確認したり、トラブルが無いかチェックしたりしています。

この見守り制度は「地域ケアシステム」の一環で、消費生活センターや警察、消防その他必要な関係部署と連携が成されています。

基本的には、お母さまがお住いの市町村にある高齢者福祉課などに申し出て、見守り対象としての登録が必要です。具体的な制度や要件については、直接自治体担当窓口へご確認ください。

更に、この見守りの輪の中に入ると、多くの場合、地元の地域包括支援センターなどが主催しているお茶会やお誕生日会、認知症予防の体操など、いろいろな集まりを知ることができます。
お友達ができますし、いろいろなお楽しみもあります。何より、参加者や周囲の地元の人たちとの繋がりの中で、トラブル防止の情報も入り、お互いに注意することができます。無理強いは逆効果ですが、お母さまにもご相談されてはいかがでしょうか。

なお、地域包括支援センターは、介護ばかりではなく、ご高齢者の方のいろんな相談を受けています。今回のようなお悲しみの状況についても、相談に乗ってくれる場合もありますので、一度問い合わせされてはいかがでしょか。

補足

地域の見守りによって遠方に住む母親が救済される状況を紹介した動画があります。よろしければ、ぜひご参考ください。
消費者庁:高めよう!「見守り力」
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/public_awareness/teaching_material/material_009/

評価・お礼

ままり さん

2018/07/29 11:26

詐欺や悪質商法の勧誘の実例を書いていただけたので、とても分かりやすく母に説明しやすいと感じました。早速、詐欺対策機能 見守り機能搭載の電話を購入設置してあげます。
母が住む自治体のHPで確認しましたが、小さな田舎町のためか見守り制度が充実していないようです。消費者庁の動画にもあったように、民間の見守りサービス、ヘルパーを探してみようと思います。
今回教えていただいたことで、初めてこういったサービスがあることを知りました。本当にありがとうございました。

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