池見 浩
イケミ ヒロシグループ
美容医療のトラブル防止チェックポイント!
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こんにちは。消費者考動研究所代表 消費生活アドバイザーの池見です。
今や美容医療は、脱毛や二重まぶた術などで多く宣伝され、また韓流ブームも加わって身近な存在になってきました。しかし、化粧やエステとは違い、人体に直接リスを与える「医療行為」であり、実際にトラブルも多発しています。
Aさんの場合(実在の相談ではなく、参考事例です)
以前より、一重まぶたの下がりが気になっていたAさん。
インスタグラムで、二重まぶた術とまぶた下垂の調整術の日帰り手術の広告をみました。ネットの口コミも良いので予約し、後日医院に行きました。
カウンセラーに問診票のようなものを書かされた後、「あなたにはこのプランが良いですね」と50万円の施術プランを勧められました。いきなりの高額なので迷っていたら、医師が来てまぶたを診察し、カウンセラーの50万円のプランを勧めてきました。施術内容の説明は一応ありましたが、細かい内容やリスク説明などの詳しい話はほとんどなく、一方的に話が進みました。
正直なところ、医師の説明はよくわかりませんでしたが、説明の同意署名を求められて記入すると、医師はその場を去り、別室でカウンセラーから契約書を渡されました。
契約条項の話は無く、私が50万円に悩んでいると、「今日は50万円の特別価格。後になると70万円になる」と言い、クレジットカードの分割払いにすればいいと言われました。
既に医院に来てから2時間以上過ぎていて、断りにくい雰囲気なので契約しました。すると、「この後、時間があれば施術できる」と迫られ、そのまま施術を受けて帰りました。
痛みが処方薬を飲んでも取れず、その後抜糸まで続きました。ふと鏡を見たら、左右のまぶたの形とたるみの状態が違います。医師に苦情を言っても、そういう可能性もあると言い返されてしまいました。
絶対に知っててほしい、身を守るポイント!!
美容医療は、病気の診療と大きく違う点が2つあります。
1.病気のように治さなければいけない「治療」ではなく、緊急性の無い「施術」であること。
2.施術内容も価格も、消費者と医院との「契約」に基づいて自由に取り決めて注文する医療ということ。
だからこそ、「医師にお任せ」はあり得ません!
「自分の身体にダメージや加工を直接与えるサービスを買いに行く」のですから。
どんな危険やリスクがあるのか、自分でも十分確認理解し、納得の上で契約交渉する姿勢が大切です。
また、カウンセリング当日に契約しないことも、身を守る大切な方法です。
家に帰って、説明された内容を冷静に検討しましょう。施術方法の内容やリスク、本当に必要なのかについても、ネットなどで情報を集めて判断してください。
Aさんのような眼窩下垂は、眼科の診断結果によっては保険適用での治療も可能です。また、包茎手術なども、実は施術する必要が無い場合や、泌尿器科で保険適用の治療ができる場合があります。
予約する前、施術を受ける前のチェックシート
2020年11月下旬に、美容医療トラブルの増加を受けて、消費者庁・厚生労働省・国民生活センターの連名で、「美容医療を受ける前にもう一度」というチェックシートを公表しました。併せて、美容医療の消費者トラブルに関連したWEBページも作成されています。
これから医療脱毛その他の美容医療を受けようと考えている方は、ぜひこのチェックシートを持って医院に出向いてくださいね。
また、内閣府の認定法人である公益社団法人日本美容医療協会のWEBサイトでは、消費者向けの情報提供や相談も行っています。ぜひ参考にしてみてください。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。