荒川 雄一
アラカワ ユウイチ「レセプト債券 またもや破たん!」
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こんにちは!
さて、この度「レセプト債」を発行していた3社と運営会社が、
破たんしたという報道がありました。
「レセプト債」とは、医療機関の診療報酬の請求権を買い取って、
社債などに証券化された金融商品のことです。
医療機関の診療報酬という“裏付け”をもとに、ファンド化し、
資金を集める商品ですが、今回、発行会社の資産の合計額が、
明らかに債券の発行残高に比べ少ないことが判明しました。
現在、証券取引等監視委員会が、
ファンドの運用に不審点があるとして、調査を始めています。
関連3社が発行した債券残高は、約227億円に上るとみられ、
今後この資金が回収できるかどうかが焦点です。
診療報酬債権の事件としては、
米国のMRIインターナショナルの詐欺事件が記憶に新しいところです。
この時も、約1800億円の資金が搾取されました。
この手の事件の共通点は、“ファンドのストーリー”が、
「一応安全な形」を装っていることです。
「医療機関の報酬請求権」と聞けば、
何となく、取りっぱぐれのない資産と思ってしまいます。
ただ、問題はその中身です。
この手のファンドは、りっぱなパンフレットはあっても、
その実態がまったく掴めません。
結論からいえば、このような“ファンド”には、
絶対手を出さないことです。
一般個人投資家の投資に適しているのは、
上場している公募商品か、私募の場合は、
その会社の“格付け”がしっかりしている商品に限ります。
そうすれば、投資のため価格変動はあっても、
少なくとも詐欺事件などには巻き込まれなくて済みます。
毎年、必ずこのような詐欺事件が、何件かは起こります。
被害に合わないためにも、是非ともこの“鉄則”は、
守っていただきたいと思います。
それでは、今週末も、穏やかな日々をお過ごしください!
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