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藤森 哲也
フジモリ テツヤ
隣の解体工事、越境を超えて掘り起こされました
住宅・不動産 住宅・不動産トラブル 2020/07/15 23:222年ほど前に新築で家を建てました。隣に古いアパートが建っており、この度解体工事が始まりました。アパートの解体後、業者が土を2.3m程掘り起こしていたのですが、境界に建っているブロック塀の下まで掘り起こしていました。そのブロック塀は新築する際に30.40cm程土を盛り、土留め用に境界内に作ったものです。ブロック塀を作った時に入れたと見られる鉄筋まで露出しており、ブロック塀の間には隙間が出来、犬走りとブロック塀の間にクラックまで入っていました。更にブロック塀の下に崩れてこないようにか木枠のようなもので地面に突っ張り棒のようなものまでしていました。掘り起こした大きな穴には水が溜まっています。数日前に解体業者にこれはこんなに掘り起こして大丈夫なのかと問うと、大丈夫ですと言っていましたが、まさか越境してまで土を掘り起こすとも聞いていなかったので憤りを感じています。
本日解体業者にクレームの電話を入れると、業者は依頼主に隣の家に影響が出るか確認したが、構わないから掘ってくれと言われたと言うのです。依頼主は不動産屋です。
素人目には、許可もなく越境してブロック塀の下まで掘り起こしたこと、さらにブロック塀に隙間ができ、クラックまで生じさせたことは賠償や修復などを求めて良いのではと思うのですが、可能でしょうか。
magcaさん
（
高知県 / 女性 / 29歳 ）
解体工事による損害について
magca様
はじめまして、不動産コンサルティング会社、アドキャストの藤森と申します。
ご質問いただきました件ですが、隣地の解体工事が原因で実損害が生じた場合、
隣地所有者は民法709条に基づき、損害賠償請求ができます。
その責任を負うのは、民法第716条により原則解体業者となります。
本来、工事の発注者(今回は不動産屋)は、請負人が第三者に加えた損害を
賠償する必要がないのが原則です。
但し、依頼内容や指図に過失がある場合はこの限りではありません。
隣の家に影響が出るか解体業者が確認したにもかかわらず、構わないから
掘ってくれという指示がこれに当たる可能性があります。
なお、損害賠償請求を行うにはmagca様に立証責任があります。
発注者や解体業者が起こした損害や無責任な工事だからと、
単にクレームを入れているだけでは、この証明が困難な状況にも
なりかねません。
経年劣化や自然損耗と反論されたり、元々あったクラックだと
主張し出したり、掘り起こした穴を埋め立てて確認できない状態に
されてしまったりという状況です。
解体業者は、こういった時の保険に加入していることや、解体前の
隣地を記録に取っていることも通常の仕事内容として考えられますが、
仕事の無責任さや雑さを鑑みると、解体業者も発注者の不動産屋も、
真摯に対応してもらえない可能性が危惧されます。
法律上、あくまで損害の立証責任はmagca様側にありますので、
早い段階で専門家に詳細な状況説明のうえ相談し、立証に必要な
材料集めを始めることが何より優先事項に思われます。
工事前後の写真収集や、どのような工事を行っているか分かるよう
現況を記録しておくは、直ぐにでも始めることが賢明です。
または、工事に関する業者とのやり取りの言質等を録っておくとこも
良いかもしれません。
不安やストレスの大きな状況で、なかなか冷静でいられないことも
あるかと思いますが、magca様にとってベストな行動と準備、
有益な状況の実現、また、精神的なストレスの軽減に役立つアドバイス
となれば幸いです。
以上、ご参考になりましたでしょうか。
アドキャスト:http://ad-cast.co.jp/ 藤森哲也
