藤森 哲也(不動産コンサルタント)- Q&A回答「相続登記の必要性について」 - 専門家プロファイル

藤森 哲也
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?

藤森 哲也

フジモリ テツヤ
( 不動産コンサルタント )
株式会社アドキャスト 代表取締役
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相続登記について

人生・ライフスタイル 遺産相続 2020/01/29 18:42

被相続人(父)の相続についてお教えください。
昨年年末に父が亡くなりました。
相続人は母と子供2名(長男と長女)です。私は長女です。
実家の不動産についてですが、土地は被相続人の名義ですが、建物が父の死後
実は今まで、登記されていないことが分かりました。建物は鉄筋コンクリートで3階建てです。
登記されていなかった詳しい理由は不明です。
法務局で登記事項証明書を取り寄せたのですが、建物が昔そこにあった木造のままで登記されていまして、
今はその後建築した鉄筋コンクリートで3階建てですが登記されていませんでした。

司法書士に、聞いたところ、土地家屋調査士に建物を調べてもらってから、登記するので費用がかかる。今、建物を売る予定がないのであれば家(建物)の登記はしないでもいいと言われました。しかし心配なのは、今後の二次相続がもし発生した際に、このまま建物を登記しないままで、何か問題がないのか?建物の固定資産税だって、費用がかかります。誰が負担するのか?
ちなみに固定資産税は、父と母の名前で納税通知書がきており、金額は合算された金額で請求されています。
よろしくお願いいたします。

補足

2020/01/29 20:35

私の身内家族の件を私のマイページで代理で質問していますので、その点
了解お願いします。文章は本人が書いています。

nyanko390308さん ( 千葉県 / 男性 / 57歳 )

藤森 哲也 専門家

藤森 哲也
不動産コンサルタント

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相続登記の必要性について

2020/01/30 11:59

nyanko390308様 
はじめまして、不動産コンサルティング会社、アドキャストの藤森と申します。
この度はお悔やみ申し上げます
ご質問いただきました件ですが、相続登記には期限や罰則がある訳ではないので、
売却などの機会まで何もしていないことは多々あります。
そのことで問題やトラブルが起こるケースもあまり耳にはしません。

しかし、nyanko390308様が危惧される通りリスクもございます。
まず、質問でもございました新たな相続が発生した場合、その子供、孫と
いった具合に不動産の相続人が増えていきます。
いざ売却や建物の取り壊しを行いたいとなったとき、必要書類や承諾を得る先が
多くなり、縁も住まいも遠い関係であれば連絡を取るだけでも大変になります。
時間の経過により相続人が認知症などを患ってしまうと、判断能力の問題上、
遺産分割協議の作成も手間が増えることが考えられます。

なお、法定相続分は登記がなくても主張できますが、法定相続分とは異なる持分で
遺産分割協議がされた場合、その持分は相続登記をしなければ主張できません。

また、相続人に借金などの債務があった場合、債権者が不動産を差押えする
可能性があります。
仮にnyanko390308様の単独名義で話が付いても、その登記をしていないと、
別の相続人の法定相続分に対して行われるリスクがあるということです。
第二次、第三次の相続が発生して、縁の遠い姪っ子甥っ子や鳩子までが相続人となると、
そういったリスクは運まかせな状況になりますし、その時になって登記の依頼をすると
難易度的にも必要書類の実費的にも今より負担は大きくなると思われます。


また建物が未登記ということは、ローンなど組まずキャッシュで建てた場合に見かけます。
建物登記がなくても、役所の調査等で把握し課税していることが多いです。
現在課税されている固定資産税は、相続登記がなければ元々のお父様の名義も含めた請求が
暫くあると思いますし、相続があったことを行政が知った際、法廷相続人のうちの一人に
代表ということで請求先を変えて送ってくるようになると思われますが、支払いの責任は
相続人全員にあることになるはずです。


確かに、直ぐの売却予定や法定相続と異なる分け方をしていなければ、
または素行に不安を感じる相続人がいる等の状況でもなければ、
費用を掛け相続登記を行ってまで回避するようなトラブルは
なかなか起こりえないとも言わがちです。

但し、将来的に必要なこととお考えであったり、他の人だけでなく自身にも万が一のことがあった際、
遺族に面倒な状況は残したくないという意向があれば安易に放置できないこととも思われます。


以前あった古い建物に関しては既にないものなので、複数の所有者がいても一人の申請で
滅失登記は行えます。
逆に現存している建物は、建替え等を検討しても他の共有者の承諾なく解体工事などすると
損害賠償や器物損壊罪といったリスクを伴います。
相続放棄をお考えであれば、相続登記前提の遺産分割協議が単純承認と見なされ相続放棄できない
可能性に注意が必要となってきます。


心身共に大変な時だと存じますが、そういった部分も注意しながら検討していただき、
よりnyanko390308様の意向にそった判断に役立つアドバイスとなればと思います。

以上、ご参考になりましたでしょうか。
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