藤森 哲也(不動産コンサルタント)- Q&A回答「不動産業者の責任について」 - 専門家プロファイル

藤森 哲也
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?

藤森 哲也

フジモリ テツヤ
( 不動産コンサルタント )
株式会社アドキャスト 代表取締役
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不動産業者のミス。仲介手数料は?

住宅・不動産 不動産売買 2018/01/30 22:13

中古戸建を購入しましたが、決済前日に売主が抵当権を抹消していなかったことが発覚しました。それにより建物取り壊しや工期が延び、また新たに決済日を設けて出向くことになりました。
ハウスメーカーは、「不動産業者のありえないミス」と言い、不動産業者に工期が遅れることによる補償も求める可能性があると言っていました。
私たち買主も非常に迷惑です。引っ越し日も延びますし、販売中の今の自宅の受け渡し日も延びます。
不動産業者に補償(仲介手数料無料や手付け金の返還)をしてもらうことは可能ですか?
中古戸建を壊したあとに建てる注文住宅の話が進んでいるため、契約を放棄することはないです。

woody1234さん ( 東京都 / 女性 / 33歳 )

藤森 哲也 専門家

藤森 哲也
不動産コンサルタント

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不動産業者の責任について

2018/02/05 14:04

woody1234様
はじめまして、不動産コンサルティング会社、アドキャストの藤森と申します。
想定していたスケジュールが頓挫する事態に、ストレスのかかる日々をお過ごしと
察します。

ご質問いただきました件ですが、他の回答者様とは見解が若干異なり、
また、内容的にはwoody1234様にとっては納得のいかない見解も
あるかと思いますが、今後の対応でのリスクを想定する意味でも、
一読頂ければと思います。

まず、売主側の抵当権抹消に関しては、通常の取引では決済時に抹消が完了している
ことは殆どありません。
残債の金額にもよりますが、数百万、数千万の残債があった場合、それらの金額を
売主が用意することが困難だからです。


通常、売買契約の実務上では、売主が買主から受領する残代金の一部を充当して、
その債務を完済し抹消することとします。
このため、抵当権等の抹消登記については、woody1234様の支払い(決済)、売主から
woody1234様への所有権移転登記、これらと同時に売主の債務完済・抵当権抹消の
申請手続きを行うことになります。

そのことから、決済日に抵当権が抹消されていないことが、損害賠償となる程
問題のある状況とは考えづらい印象がございます。

また、仮に抵当権の残債が数十万程度で、woody1234様の支払い(決済)代金に
頼ることなく売主自身で用意し、決済までに抹消しておくといった状況・条件
であったとしても、それで起こるwoody1234様への損害は、不履行を起こした売主
に限られるのではと思われます。
仲介業者の助言や履行責任を促すなどの行為があれば、確かに防げた事態であった
かもしれませんが、契約条件を履行するのは契約の当事者である売主であって、
その助言をする・しないは仲介責任というより、仲介の営業努力の範疇に留まる
可能性があると考えられます。



尚、ハウスメーカー側から不動産業者に対して損害賠償請求するというお話ですが、
売買契約で不履行が生じた際に、その者が賠償責任を負うのは対象は、その契約の
相手方に限られるというのが、常識的な考え方ではないかと思います。

「中古戸建を壊したあとに建てる注文住宅」の建築を行うのがハウスメーカーと想定して
お話しますが、工期が遅れてハウスメーカーに損害が生じれば、通常は建築請負契約を
締結した注文者であるwoody1234様に対して、建築現場の確保が不十分であるとして
損害がでれば賠償請求をする運びになると考えられます。


そのような状況になった原因が売主の契約条件不履行(抵当権抹消の未了)にあれば、
woody1234様から売主へ、契約条件不履行で生じた損害(ハウスメーカーからの請求)の
賠償を求めるという順序になるのではないでしょうか。


ハウスメーカーと売主との間に、抵当権を抹消しなくては違反を問われるような
契約関係などがないのであれば、そのハウスメーカーの主張は感情論によるところが
強い可能性が高いです。

売主側で弁護士等を依頼した場合、そういった点を突いてくる可能性はありますし、
工期の遅延の賠償先を、工事の依頼主であるwoody1234様へと手のひら返しする
可能性もあります。

あくまで一般的な商慣習や契約条件、請求先の考え方からのアドバイスとなって
しまいますが、woody1234様が損害賠償を請求できるとすれば売主となり、
建築の工期の遅れや販売中の引渡し延期で、ハウスメーカー、購入希望者など
他に困る方がいれば、その方達からなにかしら賠償請求されるのはwoody1234様と
なる可能性があるということです。

それによってwoody1234様が受ける損害を、売主側に保証できる資力などなければ、
woody1234様にとっては非常にリスクのある状況です。


そういったリスクヘッジの一手としては、今回の決済を延期するにあたり、
売主と合意書などを取交しておいては如何でしょう。

内容としては、その延期によって生じる可能性がある損害の明記、
実際に生じた場合は売主の不履行が原因であることの確認、
そして損害賠償を行うことと、その方法には買主が希望すれば
決済時に売買代金から相殺することができることなどの条件です。

woody1234様が支払う売買価格と抵当権の残債とに差額があって、
その範囲で賄うことができればリスクヘッジの方法を一つ担保
できる可能性があります。

一般的な商慣習や契約条件からの注意点ですので、実際に取り決められている
契約内容に則っていない可能性もありますが、woody1234様の利益となる
アドバイスであれば幸いです。
以上、ご参考になりましたでしょうか。
アドキャスト:http://ad-cast.co.jp/  藤森哲也

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