藤森 哲也(不動産コンサルタント)- Q&A回答「住宅ローンの審査について」 - 専門家プロファイル

藤森 哲也
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?

藤森 哲也

フジモリ テツヤ
( 不動産コンサルタント )
株式会社アドキャスト 代表取締役
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52歳での住宅ローン

マネー 住宅資金・住宅ローン 2017/09/13 17:33

現在52歳勤続29年、年収800万です。預金は少なく50万。自己破産から11年今更ながらマイホームの夢捨てられません。希望は2500万までの物件です。この状況で住宅ローンは可能でしょうか?

ジロウさん ( 茨城県 / 男性 / 52歳 )

藤森 哲也 専門家

藤森 哲也
不動産コンサルタント

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住宅ローンの審査について

2021/02/15 19:40

ジロウ様
はじめまして、不動産コンサルティング会社、アドキャストの藤森と申します。
ご質問いただきました件ですが、ご年齢に関しては問題ありません。
一般的な説明になりますが、申込は60代でも対象となります。
完済時の年齢が決められており、現在の年齢から逆算した年数を借入期間と
するのが一般的です。
多くあるのが80歳完済なので、現在52歳であれば、最長27年(1年未満切り上げ)
での返済期間となります。
それ以降は年数ごとに借入期間が短くなり、月々の支払額も大きくなります。
返済比率の関係もあって、融資額が少なくなる可能性がありますが、
年齢的には大丈夫です。

年収的には400万が一つの目安となりますので、問題ないかと思います。

フルローンに通る可能性もゼロではありませが、ジロウ様も危惧されている通り、
自己破産を含め幾つかの懸念点はござます。

現在、個人信用情報にどのように記録されているか、CICやJICC、
KSCといった機関から、ご自身の信用情報を確認することも可能ですが、
情報開示も記録されるので、頻繁に開示請求していることに不信感を
もたれ変に勘ぐられないよう、確認する際は注意してください。
一番気にされているのが自己破産の履歴でしょうが、10年以上経過している場合、
記録として残っている可能性はほとんどありませんので、そこは不自然な開示請求
の記録をつけるより、そのまま審査に行った方が良いかもしれません。

しかしながら、借入の記録がない場合でも、スーパーホワイトという扱いがあります。
30代を過ぎた年代にありながら、過去に一切の借り入れ記録がない人のことです。
今までキャッシング類を持ってこなかった人なのか、破産から10年経過したのか
判断がつかず、それら全てが審査の土台にのせてくれない状態です。
ただし、40代のスーパーホワイトで楽天カードやイオンカードすら作れない方が、
住宅ローンの審査は問題なく通るところをみると、スーパーホワイトに関して
住宅ローンの場合は、クレジットカードの審査ほど神経質になっていないかと
推測されます。
クレジットカードの審査では、クレジットヒストリーを作ってから審査といった
話がありますが、住宅ローンの審査前に変に借り入れを付けてもマイナスになる
こともあります。
車のローンも完済することを条件にされることもあるくらいです。
おそらく売買には金融機関との間で動いてくれる仲介業者もいらっしゃると
思いますので、そちらにも相談し、出来るようであれば申し込む先の金融機関の
担当者などへ確認してもらっては如何でしょう。
目ぼしい金融機関との取引きがあるようであれば、申し込む先の担当者などへ
見通しを確認してもらえることもあり、具体的な話も聞けるかもしれません。



他に危惧されるポイントとして、頭金(手付金)はローン実行時ではなく
契約締結時に支払う必要がある為、一旦は自身で都合を付けなければなりません。
頭金については売主との交渉が必要となりますが、承諾してもらえれば
手付金を0円でも契約上は有効です。
ただし、あまり了承してもらえないケースが多く、少なくても50万ほどは
必要となるかと思います。
なお、手付金を0円にした場合、万一のときの契約解除に手付金放棄という
手段がなくなってしまうので、少しでも入れておくことが望ましいかと思います。

また、仲介に入る不動産業者がいる場合、買主側が支払う仲介手数料も多くは
契約締結時なので、決済時(ローンの実行時)にしてもらえる仲介を選び、
媒介契約書や約定書の日付をそのように設定してもらう必要があります。

合わせて注意が必要なことに、仲介手数料の支払い義務は、仲介様との
媒介契約で取り決められており、多くは売買契約が締結されたときに
仲介手数料の支払い義務を設定しています。
売買契約が締結されれば、何らかの理由で売買契約を解除し引渡しを
受けなかったときでも、仲介手数料の支払う義務を負ってしまう可能性が
高いです。
そのことから、仲介手数料の支払い義務は、売買契約締結でなく、
引渡しを受けたことで生じる設定にしてもらえるよう交渉してみると
良いかと思います。



なお、ローンの審査基準は金融機関によって様々です。
年収や年齢だけでなく、物件の接道状況や土地の広さ、越境があるかどうか、
建蔽率や容積率のオーバーなど、物件に起因することや、売主の宅建業者が
どこなのかによっても融資がでないといった、買主の信用に無関係なケースも
多々あります。

審査時の情勢によっては、同じ金融機関での同一人物の審査であっても、
審査の厳しさや審査結果が変わることも多々あります。


どこまで影響があるかは図りかねますが、融資審査が通りやすいと言われる
3月、9月、12月に申し込み時期を見計らってみるなり、審査が厳しいと
言われる4月と10月は避けるなり、また、審査難易度が低いと思われる、
完済時年齢や返済比率を高めに設定している金融機関や、年収・勤続年数の
縛りが甘い金融機関に申し込んでみる等、良い結果となる為に出来ることを
やってみることが大切かと思います。
(審査が通りやすい時期は都市伝説的な話なので信ぴょう性は薄いですが、
念のためです)


不安も多い状況と察しますが、ジロウ様にとって安心とマイホーム購入の
実現に役立つアドバイスとなれば幸いです。


以上、ご参考になりましたでしょうか。
アドキャスト:http://ad-cast.co.jp/  藤森哲也

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