藤森 哲也(不動産コンサルタント)- Q&A回答「解体工事による損害の問題について」 - 専門家プロファイル

藤森 哲也
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?

藤森 哲也

フジモリ テツヤ
( 不動産コンサルタント )
株式会社アドキャスト 代表取締役
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隣地解体及び新築工事による家屋破損被害について

住宅・不動産 住宅検査・測量 2017/03/13 14:33

初めて投稿させて頂きます。
隣地解体により家屋破損被害が生じております。
以下に状況をご説明致します。
自宅の隣地にマンションが2棟(A物件、B物件)建設される事になり既存の建物(倉庫)を解体する事となった。
解体にあたり、近隣住民(5世帯)を集め解体施工業者より説明会を開催。
説明会の背景は以前にも近隣で解体工事が行われ、その時の振動で家屋被害が発生し住民が敏感になっていた。
説明会にあたり地盤が弱く重機による解体でかなりの振動が生じる旨を申し入れる。
事前に家屋調査もしております。
解体開始より予想された通り、振動が酷く(震度2程度の揺れ)悩まされた。騒音・震度計設置で記録は残っています。
解体業者によれば基準内で特別問題無いとの事。
解体作業終わり更地になった所でブロック弊、敷きタイルに亀裂、玄関上ひさし傾き、床下沈下?等発生。
解体業者に保障について話合いをしましたが平行線のまま進みません。
新築物件(A物件)が着工され始めました。解体業者との交渉がうまくいかず施工業者に問い合わせるも解体作業は施主が手配しており
関係無いとの事。
そのまま新築物件Aも工事継続しており、時期をずらし新築物件(B物件)も工事開始された。
双方施工者にも地盤が弱いので注意して欲しい旨を逐一伝えていた。
その間も地盤沈下と思われるヒビ、亀裂、傾きが各所に発生し続けた。
もうどの工事の因果関係かわからず、当方としても工事前の状態に戻して欲しい状態です。
解体工事から既に2年弱経過しており、解体業者、新築物件A、Bが建設中にはどちらにも交渉はしておりません。
物件Aについては、引き渡しから半年、物件Bについては3月末で工事終了予定です。
当方は、証拠画像、動画、解体業者とのやりとり録音、工事日記などを残しております。
素人ではこの先どうして良いかわからずご相談した次第です。
工事当初では、解体業者と訴訟も考え弁護士さんに相談しておりましたが、工事完了まで様子見していた状態です。
相談した弁護士さんも建築問題にはあまり強くない様です。
この先どのような行動に移せば良いのでしょうか?
アドバイス頂ければと思います。宜しくお願い致します。

hoppyさん ( 東京都 / 男性 / 51歳 )

藤森 哲也 専門家

藤森 哲也
不動産コンサルタント

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解体工事による損害の問題について

2020/07/16 12:44

hoppy様
はじめまして、不動産コンサルティング会社、アドキャストの藤森と申します。
ご質問いただきました件ですが、hoppy様もご存知の通り、隣地の解体工事が原因で
実損害が生じた場合、民法709条に基づき損害賠償請求ができます。

その責任を負うのは、民法第716条により原則解体業者となりますので、
発注者の依頼内容や指図に過失がない場合は、解体業者を相手取っての
やり取りになると思われます。

なお、損害賠償請求を行うにはhoppy様に立証責任があり、
これが困難なことは既に熟知されているからこその、
・事前の家屋調査
・騒音・震度計設置での記録
・証拠画像、動画、解体業者とのやりとり録音、
・工事日記といった、
素晴らしい事前準備だったとのだと思います。

解体作業終わりでブロック弊、敷きタイルに亀裂、玄関上ひさし傾き、
床下沈下等の発生したのであれば、これまで記録した材料を基に
損害賠償の請求や交渉となるのでしょうが、その話合いが平行線のまま
進まないということであれば、訴訟までやるかどうかといった判断になります。

不法行為での損害賠償を認めてもらうためには、hoppy様への権利や利益の侵害、
解体業者の過失または故意及びそれによる権利侵害の因果関係、権利侵害で発生
した実損害とその因果関係の立証が要件となります。

各記録や工事の時期から時間が経過している点が危惧されますが、
困難な検証結果がなくとも、因果関係が認められる例はあると聞きます。
これだけの記録があることで可能性を見出せる専門家はいるかもしれません。
建築問題に強くない弁護士と建築の話をしても次の行動を判断・決断するのは
難しいことと思います。

まずは各資料や記録を持参のうえ、建築問題に強い専門家へ相談し、
賠償責任を負わせられる可能性をしっかり確認することが先決かと思います。
その内容如何で、再度交渉の余地があるのか、裁判を行って利益になる状況か、
今後のことをまったく別路線で模索する必要がある状況なのかといった、
正確で明確な判断になるのではないかと思われます。

大きなストレスや不安のかかる状況下で、次の行動を冷静に考えることも
困難な状態ではないかと危惧するところではありますが、hoppy様にとって
ベストな行動と、有益な状況の実現、また、精神的なストレスの軽減に
役立つアドバイスとなれば幸いです。

以上、ご参考になりましたでしょうか。
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