藤森 哲也(不動産コンサルタント)- Q&A回答「古屋付き土地の売却について」 - 専門家プロファイル

藤森 哲也
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?

藤森 哲也

フジモリ テツヤ
( 不動産コンサルタント )
株式会社アドキャスト 代表取締役
Q&A回答への評価:
4.6/435件
サービス:6件
Q&A:1,129件
コラム:387件
写真:3件
お気軽にお問い合わせください
03-5773-4111
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。
印刷画面へ
専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

地面をコンクリートで埋めてしまっています。

住宅・不動産 不動産売買 2013/03/16 18:50

現在住んでいる家は父親名義のものですが、いずれは売却をかんがえています。
そこで問題なのですが、基礎工事をした際コンクリートを全体に2か3メートルくらい埋めてあるそうです。その上に鉄骨3階建の家がたっています。
この様な物件は建て替えができないためそのままでは売却は難しいと聞きました。元の更地にしないと売れないんでしょうか・・・             築30年くらいで50坪程ですが解体費用等いくらくらいかかるのでしょう  そんな費用もなく父がいなくなった後は私に負担がくるので困っています。
この様な事例はあるのでしょうか

non-nyago-mamaさん ( 愛知県 / 女性 / 45歳 )

藤森 哲也 専門家

藤森 哲也
不動産コンサルタント

- good

古屋付き土地の売却について

2020/07/16 15:49

non-nyago-mama様
はじめまして、不動産コンサルティング会社、アドキャストの藤森と申します。
ご質問いただきました件ですが、他の回答者様もおっしゃっています通り、
建物が現存したままの不動産の売買は割と一般的です。
むしろ、解体して更地にしてしまうと税金が数倍高くなることから、
使わない古屋でもそのままにしている所有者の方も少なくないはずです。

確かに、non-nyago-mama様が危惧される通り、建替えに解体が必要であったり、
その費用が通常より掛かりそうであることが、購入意欲に影響することは
あるかもしれません。

しかし、希望のエリアで解体費用を含めた予算内の物件が他に無ければ、
または他の物件より安価であったり、立地的なメリットがあったすると、
古屋付き土地の売買として成立することも多々あります。

これに関しては、その物件にハマる購入希望者が物件探しを始めた時期、
ライバルとなる近隣の物件の状況など、タイミングによるところがあります。
1~2年まったく問合せがなかった案件が、急に数件の申し込みが重なって
入ることもあります。
non-nyago-mama様が売却したい価格と相場のすり合わせであったり、
どれくらいの期間、古屋付きで市場に出すのか、値下げのタイミングや値幅は
どうするか、希望額で売れるまで長めの期間待つスタンスなのか、大幅に値下げ
しても早く売却することが優先なのか等、ご希望とご都合にもよって変わってきます。

なお、解体費用に関しては坪単価以外にも、物置や倉庫、植木、庭石、駐車場設備、
塀、井戸や浄化槽やガラといった地中障害物等の撤去、廃材の処分費も含め見積もる
必要があります。こういった付帯工事は、解体業者ベースで価格が大きく変わります。
他にも、養生、重機、清掃費などが掛かり、細い道で重機が入れない場合や、
手作業、人力作業が増える現場であれば価格は上がりますし、繁忙期などの時期や
地域、建物の規模(大きい方が坪単価が安くなる傾向多)によっても変動があります。

鉄骨造50坪であれば250万から500万というのが多そうな印象ではありますが、
坪単価は目安であって、物件毎の解体総額を正確に求めるのは難しいのが現実です。
こればかりは数社見積もりをとった上で、その解体費用を負担し、更地として売りに
出すのか古屋付き土地(中古)としていくのか戦略を立ていくしかありません。


また、売却に関しては優秀なパートーの存在が大きく結果を左右します。
つまり、non-nyago-mama様の希望と状況を勘案して、最適な提案や戦略を
行える不動産業者や担当者を見付けられるかが重要です。

売却であれば、明確な根拠や納得のいく理由に基づいた、販売戦略があるかどうか。
仮にnon-nyago-mama様が売り買い同時で行うようであれば、市況によって売り先行、
買い先行の優位性も変わってきます。
相場が上向きなら買い先行、下向きなら売り先行くらいは、基本的な戦略の知識として
もっていてほしいところですし、地域限定で探している顧客を狙って当初は相場より
高めに売出すことや、価格変更はネット上の価格幅(多くは500万単位で区切られます)を
考慮して変更しないと効果が少ないことなど、そういった実務上の知識・戦略がアドバイス
できるかどうかも、売却を依頼する担当者選びの判断材料の一つです。

依頼する解体業者や時期、実際の埋設物の状況によっては、その費用が大きく
変わる不透明な要素もあります。
想像以上の大きさ・量の埋設物撤去となれば、数百万・数千万かかることも
あるのが埋設物のコワイところです。
3000万で売却できても、想定外の撤去費に契約不適合責任(以前の瑕疵担保責任)で
1000万負担することになれば、2000万でしか売れなかったということになります。
そのことから、契約条件としては契約不適合責任(以前の瑕疵担保責任)を免責
として契約を進めてもらえれば、買主にはリスクですがnon-nyago-mama様の
後々の費用負担に関する不安は一つ解消されます。
相場よりちょっと安い2500万で、契約不適合責任(以前の瑕疵担保責任)を免責
とした方がリスクなく購入希望者を見つけられるかもしれません。


同じ物件の売買でも、その条件や売り方次第で満足いくものか、不満と負担が
のこる売却になるか大きく変わります。
後々、思ってもみなかったという売却にならないよう、non-nyago-mama様にとって
ベストな判断・選択のお役になれば幸いです。

以上、ご参考になりましたでしょうか。

アドキャスト:http://ad-cast.co.jp/  藤森哲也

プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム写真