対象:企業法務
調剤薬局を運営している会社です。
毎年、薬学部卒業予定者に、卒業と薬剤師の国家試験合格を条件に内定を通知しております。
入社式と国家試験の合格発表が4月の1・2日あたりで重なり、中には試験に不合格だった方がいらっしゃいます。
このような方は入社式後であっても、採用しないのが通例ですが、上述した条件を書面にて交付しているため、合意はできていると考えます。
こういった場合、書面を残そうとしたとき、会社側発信の「採用取消」の通知書がいいのか、採用予定者発信の「入社辞退」の通知書がいいのか、労働局に問い合わせましたが、明確な回答をいただけませんでした。
そこで、先生方にご回答いただきたく、よろしくお願い申し上げます。
文書例も提示いただければ幸いです。
アスピリンさん ( 香川県 / 男性 / 79歳 )
回答:1件
採用取消通知と考えられます
採用内定の法的意義については「始期付解約権留保付契約」であるとするのが一般的見解です。ですから、採用内定通知書あるいは誓約書に労働契約の始期(たとえば、「平成○○年度薬剤師国家試験の合格通知を受領した日」など)および採用内定取消事由が明記されていれば、不合格であった場合や採用内定取消事由に該当する事由が発生した場合には、会社は当然に採用内定を取り消すことができます。
ご質問では、採用取消通知書がよいか、あるいは入社辞退通知書がよいかとのことですが、会社から採用内定者宛てに通知書を出される場合、採用取消事由を記載した採用取消通知書を送付されることがよいと思われます。
なお、入社式後に不合格が分かるようなケースがあるとのことですが、入社式自体は入社時に行われる儀式であり、法的な意義は特にないもの思われますが、辞令の交付については、正式採用のための書面と解される可能性もありうることから、辞令の交付は合否が確定した後にすることがよいと思われます。
回答専門家
- 金井 高志
- (弁護士)
- フランテック法律事務所
フランチャイズとIT業界に特化。最先端ノウハウで支援します
フランチャイズ本部と加盟店に対して、法的アドバイスでのお手伝いをしてきています。また、インターネット関連のベンチャー企業の事業展開のお手伝いもしています。特に、株式公開を目指すベンチャー企業のために、お手伝いができればと思っています。
(現在のポイント:-pt)
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