ISO資格を持っているところは株式公開がしやすいか

私はISOの専門家ではありますが、株式公開の専門家ではありません。そこでIS0コンサルティングの中で経験したことを守秘義務に反しない程度に開示します。

―― もう10年も前のことになりますが、ISO14001の認証取得のサポートを依頼されました。一年かけて認証取得の準備を行い、審査登録しました。登録後も御依頼を受けてサポートしましたから合計3年間サポートしました。

―― サポートを開始してから初めてしりました。その企業は株式を店頭公開する計画があったのです。ISO14001を利用して従業員教育を実施し、環境問題に積極的に取り組む会社体質を形成したいと社長は言っておられました。そしてこのことが株式公開に対して役立つと言っておられました。

ですから形だけの審査登録ではなく、社員一丸となって環境問題に取り組む姿勢を醸成するサポートを依頼されたものでした。全社一丸となるために内部監査がとても役に立ちました。内部監査の場が内部監査員養成の場でもありました。

―― このサポートには副次効果がありました。全社で環境問題に取り組む姿勢を醸成するなかで、環境問題だけでなく会社経営全体に亘って社内透明化が達成されました。これが株式公開に役立ったと社長は言っておられました。


―― サポートを始めてから3年目にして見事株式公開を果たしました。一株が一万円以上の値段がついたことを記憶しています。
現在はそんな値段はついていませんが、これによってその会社は大きく発展する道が開けて設備投資も積極的に実施できるようになりました。
株式公開の威力を実感したISOサポートでした。その会社に対して現在はサポートしていませんが、興味をもって観察を続けています。

―― 因みに申し上げます。ISO14001が株式公開に役立ったという話は他にも聞いたことがありますが、ISO9001がその目的に役立ったという話は、寡聞にして聞いたことがありません。