犬の去勢について

最近の去勢の考え方は昔とは変わってきています。特に先進国のアメリカなどは、すでに去勢避妊してないと、ドックランやペットホテルに入れないところも多いですし去勢避妊するのが当たり前になってきています。
理由としてはかわいそうだからです。交配をしないで去勢しないでストレスを与えながら生活をするわけですからかえってかわいそうだという考え方です。
また雄の去勢は基本的に皮膚しか切りませんので、勿論痛みはありますが避妊手術よりは痛がることはありません。しかしながらエリザベスカラーをつけたりして傷口を保護することが術後ストレスになったり、排尿時に座りたがらなかったり、一週間ほどトラブルがある犬もたまにありますが、本当にごく少数ですので心配はないと思います。
またこれは話は違いますが、ミニチュアダックスは前立腺疾患が多い犬種ですので、将来的に去勢する可能性も高いので、病気を防ぐ効果もあることを知っておいてください。
こういった理由で去勢は今ではかなり普通に行われています。主治医の先生とも良く相談して、きめられると良いと思います。

私の回答がどこかへ行ってしまったようなので、もう一度回答いたします。
地域の事情はあるでしょうけれど、当院での若いワンちゃんの去勢についてお話いたします。ほとんどの場合、公園やドッグランなどで他のワンちゃんに執拗にマウンティングをするために、疎まれてしまうというのことです。以前このコラムで、遠藤先生がご回答なさっているように、老犬になって精巣、前立腺腫瘍（悪性、良性）のほか肛門周囲腺癌の発生もありますので、キッチョコさんのワンちゃんも、マウンティング、マーキングがあるということですので去勢手術をお受けになるのがいいと思います。また近年、獣医学臨床において術前、術中、術後の鎮痛に注意をあらうようになってきましたので、術後の疼痛は十分制御されると思います。

マウンティングやマーキングは男性ホルモンの影響により見られている可能性が高いため去勢手術をすることで治まると思われます。その他のメリットとしては中年期にかかる恐れのある前立腺疾患や肛門周囲の腫瘍の予防が可能です。手術後の疼痛は、痛み止めを積極的に使用し、疼痛管理を行なう事で痛みによるストレスを最小限に抑えることができます。