対象:新規事業・事業拡大
回答:1件
購入予定の地域に詳しい専門家に相談しましょう。
軽肥満さん、こんにちは。
ご質問は、雑貨屋を建てられる用途地域等の条件を確認したい、どのような諸経費等が必要か知りたい、ということですね。
雑貨屋を開業される場所は、住宅や商店、オフィス等のある地域かと思います。
このような地域は都市計画区域(または準都市計画区域)に指定されますので、その前提で回答します。
また、小さな雑貨屋ということですので、大規模店舗に関する内容は割愛させていただきます。
<用途地域等の条件>
都市計画法、および建築基準法で区域区分、用途地域が定められており、店舗の建築には制限があります。
1-1 区域区分について
無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要に応じて定めるもので、市街化区域と市街化調整区域があります。
店舗の建築が容易で、人通りが多く売上が見込める市街化区域が雑貨屋の経営に向いている区域です。
都市計画法 第七条
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=343AC0000000100#61
・市街化区域
「市街地を形成している区域及び市街化を図るべき区域」と定義されており、適切な用途地域(後述)であれば店舗の新規建築ができる区域です。
・市街化調整区域
「市街化を抑制すべき区域」と定義されており、建築制限があるため店舗を新規建築するのは難しい区域です。
条例等で規制が緩和されていて新規建築できる場合もあります。
例えば、兵庫県では「特別指定区域制度」により緩和されている地域があります。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks29/tokubetsushiteikuiki.html
また、上記の区域区分が定められていない区域は、一般的に「非線引き区域」と呼ばれます。
・非線引き区域
用途地域(後述)が定められていない場合(非線引き白地地域と呼ばれます)は特別な制限がありませんので、店舗の新規建築ができる区域です。条例等で規制されていて新規建築できない場合もあります。
定められている場合は市街化区域と同様です。
1-2 用途地域について
都市計画区域は利用目的応じて13の地域を定めることができます。これを用途地域と呼びます。
都市計画法 第九条
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=343AC0000000100#106
用途地域は、それぞれの利用目的に応じて建築できるものが定められています。
建築基準法 第四十八条
(用途地域等)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC0000000201#538
建築基準法 別表第二
用途地域等内の建築物の制限
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC0000000201#2578
雑貨屋の場合、建てられるのは以下の9地域です。
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域、第二種住居地域
準住居地域
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
一方、以下の2地域では建てられません。
第一種低層住居専用地域
工業専用地域
なお、以下の2地域については「日用品の販売」等の条件を満たす場合は建てられます。
第二種低層住居専用地域
田園住居地域
建築基準法施行令 第百三十条の五の二
(第二種低層住居専用地域及び田園住居地域内に建築することができる店舗、飲食店等の建築物)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325CO0000000338#1458
以上のとおり用途地域により基本的な建築制限が決まりますが、地方公共団体が特別用途地区として規制を緩和、強化している場合もあります。
建築基準法 第四十九条
(特別用途地区)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC0000000201#559
なお、用途地域が定められていない地域でも、地方公共団体の条例で特定用途制限地域として各種制限が設けられている場合があります。
<諸経費等>
土地の購入時、購入後に以下のような費用等が発生します。
2-1 購入時の費用等
・売買契約の印紙代(印紙税)
購入金額に応じた印紙税額です。
・仲介手数料
一般的には不動産会社を介して土地を購入しますので、仲介手数料が必要となります。
仲介手数料は宅地建物取引業法で「取引額×3%+6万円」が上限と定められています。
・所有権移転登記費用
登録免許税額は不動産評価額の1.5%(令和3年3月31日まで)です。
一般的には、登記を司法書士に依頼しますので、司法書士へ支払う手数料(報酬)が必要となります。
・不動産取得税
土地の不動産取得税額は不動産評価額の3%(令和3年3月31日まで)です。
・固定資産税
年税額は課税標準額の1.4%ですので、取得日に応じて日割りで按分して精算します。
・都市計画税
年税額は課税標準額の最高0.3%ですので、取得日に応じて日割りで按分して精算します。
・消費税
手数料にかかり、手数料額の10%です。
上記以外に、以下のような費用等が発生する場合があります。
・実測値が必要な場合は測量費
・ローンを利用する場合はローン手数料、抵当権設定登記費用等
2-2 購入後の費用等
以下のような費用等が発生する場合があります。
・上下水道、ガス、電気などのインフラ整備の費用
・更地でない場合は取り壊し費用
・農地の場合は農地法で定められた手続き(農地転用)を行い宅地に変更するのにかかる費用
最後になりますが、建築制限を含む都市計画は各地域で特色ある内容となっております。
都市計画は地方公共団体のホームページや県庁、市役所等で確認することができますが、一般の方には難解なものです。
また、自治会等で自主ルールを設けているケースもあります。法的な強制力はありませんが、建てた後に反対運動等で開業できなくなる可能性があります。
土地を購入する際は、その地域に詳しい宅地建物取引士等の専門家にご相談することをお勧めします。
軽肥満さんの雑貨屋が成功されることをお祈りしております。
回答専門家
- 小松 和弘
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ホットネット株式会社 代表取締役
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