対象:防災
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地震による家具転倒防止対策で、食器棚などを、L字金具で壁にビス留めしたいと思っています。
そこで、壁にビス留めする際に、幅木分の隙間が壁と家具上部の間にあいてしまいますが、この隙間は気にせずビス留めしても良いのでしょうか。
または、家具転倒防止板を敷いて、家具上部を壁にもたれさせて、壁との隙間が無い状態を作ってから、ビス留めした方が良いのでしょうか。
だいふくうさぎさん ( 東京都 / 女性 / 46歳 )
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吉田 武志
建築家
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転倒防止対策でL字金具を使う場合は、ビスが効く壁なのかを確認
栃木県宇都宮市で注文住宅建築とリフォームを行う工務店 ヨシダクラフトを経営しています。吉田武志と申します。家具をL字金具で固定する場合の固定方法についての質問を読ませて頂きました。
まず1つ目の質問「地震による家具転倒防止対策で、食器棚などを、L字金具で壁にビス留めする場合、幅木分の隙間が壁と家具上部の間にあいてしまいますが、この隙間は気にせずビス留めしても良いのでしょうか?」についてですが、幅木(巾木 はばき)は、壁から最大で1センチ程度出っ張っている木材なので、幅木をそのままにしても家具と壁は1センチ程度しか開きません。隙間は気にしないでL字金物で留めても大丈夫です。
ちなみに幅木とは、壁の一番下に付いている木材で、高さは4センチから9センチくらい。巾木の用途は、施工上では壁と床の微妙な隙間を無くす見切り材。また現在は、掃除機等が当たるので壁を傷つけないという用途で設けています。
2つ目の質問「家具転倒防止板を敷いて、家具上部を壁にもたれさせて、壁との隙間が無い状態を作ってから、ビス留めした方が良いのでしょうか?」については、L字金具で壁に強固にビス留めされて、家具が転倒しなければ良いので、必要ないと思います。
ちなみに質問者さがおっしゃっている、家具転倒防止板とはこのようなものだと思います。https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AB%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%83%BC-55-03901-%E5%AE%B6%E5%85%B7%E8%BB%A2%E5%80%92%E9%98%B2%E6%AD%A2%E6%9D%BF-%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%B0%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99/dp/B002PK069S
それよりも重要なのは、L字金具で壁にビス留めする場合に、ビスが石膏ボード下の下地木材に効いていることです。普通、一般的な壁は石膏ボードとうスカスカの状態なので、ビスが効きません。ビスが効く壁なのか?を確認するのが大切です。
新築やリフォームする場合は、施主からの要望等でL字金具で壁にビス留めする場合、石膏ボードの下にビスが効くように下地木材を入れておいたり、既存の壁の上に横に木材を流してから、L字金具で壁にビス留めとします。
地震による家具転倒防止対策でL字金具が普及しない理由は、壁がスカスカの石膏ボード壁で下地が入っていないからです。L字金物を使えない状態の時は、家具下に転倒防止板を敷いて、天井からポール式の転倒防止器具を付けると、L字金物を使った場合とほぼ同等の
転倒防止効果があるようです。
こららに詳しく載っています。http://www.nhk.or.jp/sonae/column/20121019.html
また、食器棚の場合は、地震時に扉が開かないように、家具の扉に耐震ラッチをつけるのが良いと思います。
耐震ラッチhttps://www.amazon.co.jp/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%83%A0%E3%83%A9%E3%82%B3%E3%82%B7%E7%B2%BE%E5%B7%A5-%E8%80%90%E9%9C%87%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%81%EF%BC%88%E9%96%8B%E3%81%8D%E6%88%B8%E7%94%A8%EF%BC%89%E8%80%90%E9%9C%87%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF/dp/B007HI03KK
松島 康生
危機管理/BCP/防災計画コンサルタント
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倒さない対策と共に、滑り止めや飛散防止の工夫も!
災害リスク評価研究所の松島です。
幅木によって食器棚や家具類の後ろに隙間(空間)が出ることよくある事です。
この場合、厚い壁と家具類の堅い部分がL字金具で充分カバーできる物であれば大丈夫です。
取り付ける際はクギのような抜けやすい物ではなく、ネジ込み型ビスのような抜けにくい物を使ってください。
仮にL字金具の取付け位置に、厚い壁や家具類の堅い部分が合わない時は、ベルトまたはチェーンタイプものに変更するが良いでしょう。
補足として・・・
私の防災講演では、室内の地震対策について詳しく説明しているのですが、ここでは文字数の制限があるため簡単に解説いたします。
地震による室内対策のカギは「倒さない」「動かさない」「落とさない」の"3ない"が重要です。
食器棚は中身の食器が見えるよう扉にはガラスが使われています。大きな地震が発生した時、食器棚は倒れなくても棚の食器類が飛び出してくることもあります。
これを防止するには3つ
◎扉が勝手に開かないように扉にロック機能や耐震ラッチなどを取付ける
◎食器下に滑り止めシートを敷く。(我が家では100均で購入したものですが、東日本大震災の際は効果がありました)
◎食器類が地震の揺れによってガラス扉に当たってガラスが割れてしまうことがあります。これを防止するため「飛散防止フィルム」を貼ることをお勧めします。
このような対策もぜひ参考にしていただければ幸いです。
補足2
耐震収納のススメ
http://uchishu.com/category/knowledge/taishin/
(現在のポイント:-pt)
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