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対象:法律手続き・書類作成

祖母名義土地への新築

暮らしと法律 法律手続き・書類作成 2015/05/15 15:37

冠省 ご質問させていただきます。

今般、母方祖母名義の土地に自身(孫)名義の住宅を建設予定です。
(間もなく着工)

フラット35やメガバンクの本審査も通りました。

今後のもしもの予期せぬ事態に即座に対応できるようご教示いただきたく。
(ローン窓口のかたはあまりご存じない)

現在祖母はすこぶる元気ですが(3日前の大学病院の人間ドックもオールOK)

1、縁起でもないですが予期せぬ事態で祖母が他界してしまった際は
相続人(祖母は配偶者他界・兄弟なし・子として私の母一人)が相続した後、
私の母からの使用貸借になると思いますが正しいでしょうか。


2、では、よしんば認知症等になり、金消契約の際にサイン等が困難な場合
母を成年後見人としてたてて契約は出来るのでしょうか?
(土地抵当等は成年後見人では無理だと思うのですが。)

では2、のような場合なった際にはどのような事態になるのでしょうか
建物が完成した後、融資がおりないということは施工会社からの裁判等に発展するのでしょうか?

性格が心配性の為、不測の事態への対処法を事前に有しておきたく、ご教示いただければ幸いです。

尚、自身に不慮の事態があった際は現在契約している生命保険にて
建築費用を一括完済+生活費補填できるようにはしております。

べんべんさん ( 愛知県 / 男性 / 34歳 )

回答:1件

田島 充

田島 充
行政書士

1 good

使用貸借と成年後見制度がポイントかと思います。

2015/09/11 17:24 詳細リンク

ご質問者様の質問の番号に沿ってなるべく回答させていただきます。
1.予期せぬ事態でご質問者様の御祖母様が他界し,土地の名義が御母様に変わった後は,ご質問者様のおっしゃる通り,土地の使用権を御母様から使用貸借により借りるかたちでよろしいかと思います。
ただし,「使用貸借は,当事者の一方が無償で使用及び収益をした後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取ることによって,その効力を生ずる。」(民法第593条)契約ですので,どうしても借り手側の立場が弱くなってしまう可能性が高いことから,御母様と契約を結ぶ際にも契約書を作成することをおすすめいたします。
また,補足になりますが,仮に御母様が他の人に土地を譲渡し,名義を移してしまうようなことがあると,使用貸借ではその後土地建物の使用を続けられなくなってしまう恐れがあります。使用貸借によらず,建物の所有を目的として土地を借りるために賃料を支払う契約を結んでおくと,借地権として土地の名義人が移った場合でも土地建物の使用を続ける権利を主張することができます。

2.御祖母様が認知症等になった場合に,御母様が後見人として契約を締結することは可能です。しかし,御母様が確実に後見人となるには任意後見契約において御祖母様が御母様を後見人として選んだ場合の話です。
ここで成年後見制度について少し説明させていただきます。
成年後見制度とは,認知症や精神障害などの理由で判断能力が不十分な方々が,財産の管理や契約の締結の際に不利益な被害を被らないよう,保護し支援するための制度です。
そして,その成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度の2つがあります。
法定後見制度は本人の判断能力が不十分になった後に,家庭裁判所に選任の申立てを行うことで裁判所が法律の規定に基づき後見人を選認するのに対し,任意後見制度は本人の十分な判断能力があるうちに,将来に備えて自らが選んだ代理人(任意後見人)と任意後見契約を公正証書で結んでおくことを言います。
つまり,今回の場合で言うと御祖母様が判断能力が不十分な状態になった後に後見人をたてるようとする場合には法定後見になりますので,必ずしも御母様が後見人となれるわけではないということです。どうしても将来的に御母様を後見人にしたいという御祖母様の気持ちがあるようでしたら,今のうちに任意後見契約を結んでおくのがよいかと思います。
また,成年後見人等は,本人のために本人の財産を適切に維持・管理する義務があり,本人の利益を損なう行為は許されませんので,本人名義の不動産に担保権(抵当権)を設定することは原則として出来ないことはご質問者様のおっしゃる通りです。担保権を設定する際等は,家庭裁判所に申立てをし許可を得る等の必要があります。

2(補足)
一般的には,建物が完成した後に融資がおりないということは,建物を建ててもらう代わりにその対価を支払うという契約を守れていないため,債務不履行で損害賠償を請求される可能性があります。
そうならないためにも,御祖母様の判断能力が危ぶまれる段階においてきちんと裁判所に申立てるか,今のうちから任意後見契約を締結するかして成年後見の制度を正確に活用する必要があります。

依頼者様のように不測の事態への対処法を前もって考えておくことは,将来のトラブルの回避につながることですので非常に大切です。文字のみでの回答ですので,伝わりづらいところもあったかもしれませんが,少しでも参考にしていただける部分があれば幸いです。
また,裁判所や法務省のホームページ等では広く一般の方向けに,成年後見制度についてわかりやすく正確な情報が公開されておりますので,よろしければご覧になってみてください。

法務省HP http://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html
東京家庭裁判所HP
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/koken/seinengokentou_mousikomi/

使用貸借
判断能力
借地権
成年後見
不動産

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