対象:着付け・着物
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1月に新婦の友人として結婚披露宴に参列しました。
30歳既婚です。
その際、訪問着を着るために、プロの方に着付けていただきました。
後日、その時の写真を知人(50代の女性)に見せたところ、
「こんなに帯揚げを出して、子供のようでみっともない」と指摘されました。
普段着として紬や浴衣を自分で着付ける時は、使う帯揚げのボリュームが違うので、帯の内側から少し見える程度でしたが、この日持参した帯揚げは総絞りのものなので、ボリュームもありますし、着物の格や年齢からいっても、幅を出しすぎ、ましてやみっともない、に当てはまるようなものであったのか疑問です。
自分でも調べてみたのですが、特にこうあるべきだ、という事が出てこなかったので、通例を教えて頂ければ幸いです。
kurohiyokoさん ( 東京都 / 女性 / 31歳 )
回答:1件
田村 祐子
きものコンシエルジュ/きもの講師
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訪問着の帯揚げを出す分量について
kurohiyokoさん、こんにちは。
きものコンシェルジュ・着付講師の田村祐子です。
お問合せありがとうございます。
訪問着の帯揚げの分量についてのご質問ですが、この文面からはどの様な色の訪問着・帯に何色の総絞りの帯揚げをどの様に結ばれたのか分かりませんので、考えられる事を述べる事に致します。
実は帯揚げの分量というのはきもの姿を一瞬に良くも悪くもしてしまう重要なファクターの一つで、私たちきものに携わる者にとっても永遠のテーマの一つです。
仰る通り、きものの格・年齢によって出し方は違ってきますが、それだけではなく、帯揚げの種類、色・結び方・着る人の体格・きものを着るシチュエーションなどによっても違ってきます。
礼装・盛装は普段着よりも華やかに多めに見せ、同じ格のきものであれば若い方は多めに、年齢が高くなると控えめに、喪服では例え若い人でも控えめにというのが一般的に言われる事ですが、喪服以外ではこれにプラスして、どの様な種類・色か、結び方は?いつ着るのか、体格はどのような方か、といった事が複雑に絡み合ってきます。また若い方の普段着でもきものや帯の柄行きによっては帯揚げを殆ど帯の中に隠してしまうと粋な着こなしになる事もあります。
振袖を考えてみましょう。
振袖は本体にもとてもボリュームがあるので、総絞りの帯揚げを帯の上に出して入り組や本結びにする事が多いですが、たまに普通の縮緬の帯揚げを本結びにする場合もあります。このような場合同じ本結びでも総絞りの物と比べると見え方が控え目に思えるでしょう。
同様に、訪問着に総絞りの帯揚げをした場合、年齢・きものの格だけを考えて結んでしまうと、今度はきものに比べ帯揚げにボリュームが出るため、沢山見え過ぎている感じがする事があります。同じ総絞りの帯揚げを訪問着に結んでも入り組にするのと本結びにするのとではボリューム感が違うこともあります。
礼装・盛装の場合は一般的に通常よりも華やかに装うことが多いため、帯揚げも少し多めに見せます。特に帯揚げの色が薄めの場合や、きもの・帯と一体化するような色を選んだ場合は多めに出しても良いのですが、個性的な色や反対色を挿し色として使う場合は多めに出すと強すぎるコーディネートになってしまったり、ややもすると品が悪く見えてしまう恐れがあります。薄目の色を選んだとしても、きもの・帯の柄によっては多めに出すと煩い感じになってしまう事もあります。
普段着では礼装・盛装に比べると出し方は少なくても構いませんが、上記で述べたことは同様に当てはまります。また、もう少し自由な発想で決めることも出来ます。
また、体格も複雑に絡んで来ます。
一般に小柄の方は控え目に、大柄の方は少し出し気味でも良いと言われますが、きものや帯の柄行き・着る方の個性などで必ずしも当てはまりません。
シチュエーションを考えると、今回は新婦側の友人として参列されたという事ですが、一般的に新婦側の友人は少し若々しく華やかに場を盛り立てるように、例えば振袖年齢を多少過ぎていても未婚なら振袖を着て参列して欲しいと要望がある事がある程です。同じ友人でも新郎側だと新婦側の友人を立て少し控えめに、と配慮する場合も有ります。細かく言えば帯揚げの出し方もこちらに準ずる考え方をした方がいいかもしれません。
それじゃ一体どれが正解なの?とお叱りを受けそうですが、訪問着だから何歳だから何センチが正解と一概に言えないというのが正しいところでしょう。訪問着なので普段着よりも華やかに多めに見せる、は正解ですが、やはり全体のバランス、色の感じ、そしてお顔のうつりも大事なファクターです。
人間50年生きれば本望で20歳過ぎたら大年増だった頃に比べ、私たちは若さを長く享受しています。つまり僅か数十年の差でも50歳の方の30歳だった時の感覚と今の30歳の方は年齢そのもののニュアンスが違って来ている、ということです。たとえば私なども今の30歳の方を見ていると、自分の30歳の頃と比べると少し幼い感じを受ける事がありますが、その方は今の30歳を生きていらっしゃるのです。
今回のご質問に関して言えば、そのお知り合いの方は総絞りの帯揚げが振袖に重なり、幼い感じを受けられたのかもしれませんし、その方のお考えでは訪問着はもう少し大人っぽく着た方が良いという事かもしれませんね。
きものなら何でも何処でも着て良い、という認識しかない方が多い中で、kurohiyokoさんもそのお知り合いの方も確かな知識をお持ちの様です。上記に述べました事が参考になれば幸いです。
生活様式が劇的に速いスピードで変わり、それに対して私たちの年配がゆっくりと変わるという現代ですが、きものが歩んできたスピードとのアンバランスが益々大きくなってきているのは確かです。昔からの伝統を守りつつ、現代の生活様式にあった美しさを探りつつ、きものライフを楽しんでいきたいものですね。
補足
画像1、2とも普通のちりめんの帯揚げですが、ご参考まで。
画像1では全員訪問着に薄い色の帯揚げで、着物・帯と一体化しているコーディネイトです。右の方は30代なので、華やかに帯揚げを見せ本結びにしています。左2人はもう少し年上で入り組に結んでいます。本来ならばもう少し帯揚げを見せても良い場面ながら、全体のバランスから少し控えめの出し加減にしています。
画像2では訪問着をパーティーで着用しているので、遊び心で濃い目の帯揚げを挿し色として使っています。従って出し具合もかなり控え目です。同じ訪問着を披露宴などに着用する場合はこの様に個性を追求せず、薄い色目の帯揚げをもう少し出し気味で結びます。
(現在のポイント:-pt)
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