対象:新築工事・施工
私の住んでいる宅地は30数年前に大手不動産会社が造成した宅地で、自宅近隣の区画を最近入手しました。その宅地は2m深の土地改良をしています。したがって当時はベタコン基礎のみで家を建てました。
その区画に新築をと考え、あるHMにヒヤリングしたところ、新たに地盤調査をして、必要ならば杭打ちの地盤改良をする必要があると言います。土地改良の確認の地盤調査はやりますが、まったく土地改良をしていないとは考えられず、結果が多少問題でも地盤改良をするつもりはありません。測定数値の1箇所でも問題ならば改良必要との判定になることも疑念があります。HMはそれでは社内規定違反で責任が持てないといいます。ならば、そのHMでの建築を止めるつもりです。
昔と同じことをするのに、今なら法律違反になるなら話は別です。施主の責任で建築するのに、ローンも使いませんので、とやかく言われる筋合いはないと思います。
別の観点で工務店、建築事務所の意見をお聞きしたい。
補足
2013/07/11 19:45回答を咀嚼すると、どの方法であれ新たに地盤調査をし、その結果がNGであれば、大手業者や設計事務所は地盤改良工事をしないと建ててくれないとの見解ですね。
だんかいせだいさん ( 岡山県 / 男性 / 64歳 )
回答:3件
地盤調査の方法
横浜で設計事務所を開業しています。
私は家の設計をする時は昔から必ず地盤調査をします。
OK判定なら地盤改良はしなくても3万程度で地盤保証をつけられるからです。
NG判定なら地盤改良せざるを得ません。
これは法律で決まっているわけではありません。住宅の瑕疵保証の
内容からは地盤起因は省かれています。
しかし一端沈下すると修正には多額の費用がかかるので、最近はまともな
業者は大抵やると思います。
ただ、地盤調査の方法については状況に応じて使い分けしています。
住宅規模で一般的な方法としては、スウェーデン式サウンディング法と
いうものが多いです。
これは既に改良が避けられない状況で改良深さを判定するには必要ですが、
どちらかわからないという場合には、多少問題も指摘されています。
(具体的には長くなるので割愛させていただきます)
おっしゃる通りに、より安全側(という名の改良判定)に流れる傾向はあります。
もし、より正確な調査をお望みでしたら表面探査という方法をお奨めします。
これは、地盤に微弱な振動を与えてコンピューターで解析する方法で
より正確な判定になります。
面で判定するので、点で判定するより誤差が出にくいです。
おっしゃるような土地でしたら、改良判定は出ない確率も大きいかと思います。
もちろんOK判定の場合には地盤保証がつけられます。
費用は、サウンディングが3万くらいの場合で表面探査は6~8万くらいです。
多少上がりますが、改良する事を考えると安いものです。
これでNG判定出たら、もう仕方がないと思います。
こうした方法は設計事務所に依頼するのが一番良いと思います。
改良するにしても様々な工法があり、その状況や費用で最適なものを選定します。
ぜひお近くの設計事務所を探して依頼してみてください。
<あーす・わーくす http://office-ew.com>
補足
補足に対する回答します。
設計事務所は施主さんの代理人として設計します。法律に反することでなければ施主さんの意向に沿うようにします。
地盤改良に関しては、行政の指導がなければ施主さんがやりたくないと言えばやらない事はできます。
ただし
・非常な危険が明確に予想できる
・沈下の影響で他の家に被害を及ぼすことが予想できる
という場合にはできないと言うでしょう。
また、沈下がおきた時の責任の免除に関して文書化を求めると思います。
さらに広い目で見ると家は社会資本とも言えます。もし売却という事態になった場合に、購入した人への責任問題という事もあります。(現実的にそのような訴訟はあります)
ですから地盤調査結果の程度によっても対応は変わると思います。
評価・お礼

だんかいせだいさん
2013/07/11 20:23すぐにクレームを言う施主に対し、まずは保身を考える業界の姿が浮かびます。施主の私が判断して責任を取ると言っても、了解しようとしない業界の姿は今の訴訟社会を反映しているのでしょう。絶対に問題が起きない状態にしておくための審査をし、保険を掛けさせ、融資をする。結果的に審査制度や保険制度や金融機関の利益となる。回答者を批判しているのではありません。住宅業界を批判しているのです。答え難いのにすばやい回答、どうもありがとうございました。
小松原 敬
2013/07/11 21:06モンスターのようなクレーマーというのは対応する側に立つと辛いものです。住宅はクレーム産業と呼ばれるくらいですから、事前に「保身という過剰反応」に走る対応もあるでしょう。
それが為に社会が窮屈になっている状況は私も否めないと思います。
ただ、今回の件に関しては必ずしも保身のみとは限りません。
補足で書いたような施主さん以外への影響というのもありますし、技術者として危険が予想される場合にそれを見逃して良いのか?という職業倫理も絡みます。
改良判定に誘導して改良工事による利益を得ようという質の悪い場合はまた別ですが。それは知識のある設計者がついていれば防げます。
どちらにしても程度問題という判断が必要です。判断ができる設計者にご相談ください。
回答専門家

- 小松原 敬
- (神奈川県 / 建築家)
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
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柏倉 智弘
工務店
-
住宅瑕疵担保履行法のためです。
こんにちは。
新築住宅には10年間構造上の瑕疵(不具合)を保証する義務があります。
住宅の品質確保の促進等に関する法律に規定されています。
ただし、保証すると行っても十分な資力がないとそれは言葉だけになってしまいます。
そこで住宅瑕疵担保履行法ができました。
施工業者に、住宅の保証をするための保険をかけるか、相当分の供託を義務づけるものです。
供託の場合は2000万円以上となるためほとんどは保険をかけますが、この保険に入るのに地盤に関する資料(地盤調査)が必要となるのです。
地盤調査などせず建築し先の震災でもほぼ大丈夫だった住宅地でも同様です。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutaku-kentiku.files/kashitanpocorner/01-rikouhou-files/1-aboutlow.htm
評価・お礼

だんかいせだいさん
2013/07/13 12:54住宅瑕疵担保履行法が地盤を除外しているのに、保険に入るために地盤調査結果を提示する必要があるの現実は矛盾している。

柏倉 智弘
2013/07/13 21:02品質確保法は、本来は住宅性能表示制度の創設のみが目的でしたが、その当時の欠陥住宅問題により主要構造部と雨水防止性能について10年間の瑕疵担保を義務づける内容が急遽盛り込まれたと聞いています。さらに、瑕疵担保履行法が成立した背景とは、構造計算偽装によりマンション供給会社の破綻とそれによる瑕疵担保責任を負うべき会社が存在しなくなると言う問題に対処する必要が出たからです。
いずれも一部の「悪いことをしたやつ」のおかげで、できた法律といえるのではないでしょうか。結局以前と同様の性能の住宅を建築する場合でも、余計な書類作成の費用が増えてしまっています。その分建て主さんとのコミュニケーションや提案に使えればと思うときもあります。法律に関しての私個人の感想を申し上げました。
われわれ業者がお客様と巡り会うのも大変ですが、お客様が自分に合う施工者設計者に巡り会うこともなかなか大変なようです。
質問者様の地元でも、建て主さんの希望を汲みしっかりとした住宅を建築している工務店や設計者が多くいるはずです。文面から察するに、建築・住宅業界に対しての不信がだいぶあるようですがそんな人ばかりではありません。
実際の地盤調査を行うに当たっては、小松原さんのおっしゃる通りです。
ほぼ問題なしという結果になる可能性が高いと私も思います。
最後に実務上の報告です。
瑕疵保険をかけるようになってから(要するに地盤調査が義務のようになってから)建て替えの現場であっても要改良の判定が出ることがあります。
当社で依頼している地盤改良工事に関して、不同沈下は10年の保証がありますが地震に起因するものは免責です。
とはいえ先の震災では、当社が建築にあたって改良工事を行った建物に、沈下や傾きが生じたものはありませんでした。
一軒だけ品確法以前に建築した物件で5mほどの高さの擁壁がズレ、沈下を起こした住宅があります。
長文失礼いたしました。

吉田 武志
建築家
-
沈下修正工事は高額
はじめまして。
栃木県宇都宮市で注文住宅とリフォームの設計施工を行う工務店ヨシダクラフトを経営しています。吉田と申します。質問を読ませて頂きました。
私も必ず地盤調査をして必要なら地盤改良や杭工事をします。
地盤に起因する瑕疵、トラブルは、発生すると直す為の施工金額が高額になります。
杭工事しておけば、100万円で済んだものを、建物が沈下してしまい沈下修正するには1000万円以上掛かってしまうかもしれません。沈下修正にも様々な工法がありますが、実績のある工法は、一般的に高額です。住まい手と造り手の生活を守る為にも必要な工事を行うことは大事です。
ですから、地盤改良が必要と分かった敷地で、住まい手から建物が傾いても自分で責任を取るから、地盤改良をせずに建物を建ててくれと言われても、私は建築は行いません。
上記のような説明をしても理解して頂けないお客さんとは、その他の面でも考え方が合わず、トラブルになる可能性があると考えるからです。
評価・お礼

だんかいせだいさん
2013/07/13 13:15当たり前のことを言っておられます。金融機関が保険に入っていないと融資しないのと同じ態度です。過去に明らかに地盤改良し、下水道まで設置されている宅地造成地ですよ。そこに長く住んでいる施主の気持ちが理解できませんか。

吉田 武志
2013/07/14 16:18評価頂きありがとうございます。
その過去の地盤改良が自社(今回造り手が)で行ったものなら
どういう根拠で地盤改良がなされ、実際の施工がどうなっているかも分かります。
しかし、他社施工だと、施工実態がわかりません。
実態のわからない地盤改良がなされている土地に
建物を建てるのは、造り手としては、怖いですね。
建物は、部材と部材が密着して造られているので、
他社施工部分が入っていると、
万が一、不具合が起こった時に、
どの部分に不具合があるのかを特定するのは難しいのです。
密着して影響を受け合っているので、不具合箇所の特定が容易ではありません。
そうなると、責任の所在が不明確になる可能性が高い。
だから、過去の調査等は参考にはしますが、自社で調査から行うのは、
責任の所在を明確にするためにも自然なことだと思います。
(現在のポイント:-pt)
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