対象:リフォーム・増改築
築15年ですが、新築時の工事が悪かったことと、転勤等で雨漏りや白蟻を放置していた結果、構造の傷みがひどく、スケルトンリフォームを考えております。
この機会に標記、ダイキン全館調湿システムの導入を考えておりますが、十分な性能を得るためには高機密高断熱が必須ということで、最適な方法をお伺いできればと思います。
メーカーとしては、システム導入に際してQ値・C値とも2.0以下が目標値とのことですが、外断熱・充填断熱・W断熱 ・・・と、どうにも決め兼ねている次第です。
どの工法を選ぶにしても施工をしっかりすることが条件だとは思いますが、そこをクリアーした上でのお話をお伺いできればと思います。ちなみに、工法は木造軸組工法です。
お勧めの工法をお教え頂いたうえで、その工法での材料の選び方や施工上の注意点もお聞かせ願えれば幸いです。
よろしくお願い致します。
MEGU2さん ( 東京都 / 女性 / 51歳 )
回答:2件
スケルトン・リフォーム
横浜の設計事務所です。
スケルトン・リフォームの場合は、おそらく間取りなども変更されるでしょうから、きちんとした壁量計算が必要です。
それによっては柱の引き抜き耐力なども検討しなくてはいけませんし、基礎との緊結方法もいろいろ検討が必要です。
構造としての木は水漏れやシロアリの被害さえなければ、かなり古くても健全な事が多いです。
ただ、一度やられると被害が広がっている事が多いです。
そういう場合には、ホウ酸処理などをしたほうが良いと思います。
新築ですと防蟻防腐処理は義務ですが、防腐防蟻材は農薬系のものがほとんどで揮発性があります。数年すると効果がなくなりますし、揮発した農薬にあまり多く接するのは良いことではありません。
ホウ酸処理は安全で効果が半永久的なので最近新築には使うようになってきています。アメリカのカンザイシロアリがいるハワイや西海岸などではホウ酸処理が昔から義務化されています。
そうした設計の中の一部に、断熱方法の選択があります。リフォームは程度の大小によって断熱方法が限られてきます。
もっともコストパフォーマンスが良いのはウレタン現場発泡での充填断熱でしょう。
外断熱はリフォームの程度によって使えない部位が出てきます。
W断熱というのはどちらかををきちんとやった上での+αと考えるべきです。
また空調は、私はダクトを引っ張り廻すエアコンの全館空調は、住宅には疑問に思ってます。ダクトの清掃や故障の長期対応など考えると住宅向きではないように思えます。
セントラルクリーナーや集中暖房などで、故障等で使わなくなった家を多く見ます。
設備は必ず更新が必要になるので、住宅設備は更新のしやすさが重要です。
家のどこにいても温度差が少ないヒートショックを軽減する設計は、閉じる技術と開くデザイン(光や風を取り込み、遮り、流れを考える)が肝になります。
ぜひ、そういう設計事務所に依頼する事をお奨めします。
<あーす・わーくす http://office-ew.com>
回答専門家
- 小松原 敬
- (神奈川県 / 建築家)
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
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島崎 義治
建築家
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どのような住まいにしたいかによって決まると思います。
私も大きな中庭のある45坪のワンルームの住宅を、全館空調で検討しています。全体が流れるような空間だからこそ、全館空調が必須であると考えております。しかし、全館空調にするために大きな中庭を閉鎖的にして断熱性を良くするという発想はなく、住まいを、自分らしい生活を実現するための空間づくりであると考え、それらをより快適なものとするために設備があるのだと考えております。
ただ、イニシャルコストが高いため、全館空調なのか、個別エアコン+全館換気システムなのか、いくつか段階的に検討しています。調湿換気装置は水を通すため、専門の保守契約が必要となります。現在は水を使わない機種もでておりますが、イニシャルコストがさらに高くなります。
全館空調システムは、単にメーカーからの説明などによって既成の製品として取り込むのではなく創造的に計画する必要があると思います。
さて、
高気密、高断熱住宅についてはメーカーや専門家がさまざまに説明しており、本当に迷うところです。説明に使用されているデータは壁面だけ、断熱材だけ、ガラスだけ、サッシだけの、しかも実験データです。複数の視点を効果的に取捨選択し、有機的に統合することが必要と思います。さまざまな条件が異なりますので一概に結論付けることは難しいです。現実的にも、予算の制約も大きいためやれることは限られています。
ただ、木造の場合は、RCや鉄骨造と違い、木自体の熱貫流率が比較的低く、外断熱の必要はないように感じています。それに伴うデメリットも多いです。
むしろ、開口部分の開け方やサッシの種類(素材や開閉方法)を考えることが重要です。自然な快適性を保ちながら、設備による快適性も同時に享受できる計画が必要です。
また、基礎はRC造ですので、コンクリートからの熱の侵入、床下や屋根裏などの換気と気密性とをどのように調停するか、など細かな視点ですが、案外重要です。特にリニューアルであれば、基礎構造や耐震壁の補強と断熱性や気密性との関係も大きいです。
いづれにしても木造は揺れたり、伸び縮みする生きた生命体のようなものです。CもQも変化していますのでハードな考え方だけでは対応できないように感じます。氾濫する情報に対しても原点に帰る必要があると思います。
島崎義治/島崎義治建築設計事務所
2012グッドデザイン賞を受賞しました
http://architect-studio.com
(現在のポイント:-pt)
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