対象:住宅設計・構造
現在、設計事務所に依頼し、木造軸組工法での新築を計画しています。
設計士さんから提案された外観は、屋根と外壁がガルバリウムで、シャープなデザインが大変気に入っているのですが、最近、いくつかのサイトで、庇はなるべく大きくしたほうが良いという記述があり、少し心配になってきました。
夏の日射対策と雨から外壁を守るという理由ということですが、やはり、庇の大きな屋根より、庇のない屋根では、外壁や建物の耐久性という面で、リスクが高くなるのでしょうか?
また、その場合、注意すべき点等ございましたら、教えてください。
補足
2012/04/08 09:40外壁は1階部分が窯業系サイディングで、2階部分がガルバリウムです。
garugaruさん ( 福岡県 / 男性 / 35歳 )
回答:2件
庇の効果
横浜の設計事務所です。
庇の役割は日射の調整にあります。
昔は窓の性能や施工状態が良くなかったので庇をかけて雨を防いでいましたが、
今はそういう意味では必要ありません。
外壁の耐久性などもあまり関係ないです。
深い庇だと少しの雨ならば窓を開けられるという利点もありますが、それは
間取り設計や住まう方の考え次第です。
日射の調整としては、太陽の南中高度を冬至と夏至で判断して庇を作ると
冬には陽を取り入れ、夏には遮ることができます。(主に南面)
しかし、デザインや北側斜線の関係で庇が作れなかった場合でも、ブラインドや
ロールスクリーン、熱線反射ガラスなどを使ってコントロールすることができます。
また、冷暖房のエネルギー負荷は住宅の場合、冷房より暖房のほうが大きいです。
なぜなら、冷房は5度ほど下げるだけで除湿もできるので不快指数は改善されますが
暖房は場合によっては20度以上あげなくてはいけません。
それだけエネルギーを使います。
つまり冬を旨と考えると、とりあえず日射を取り入れることのみを優先してもいい
かもしれません。ただ、それらは地域ごとの気候にもよるので日射が厳しい地域では
考え方も変わります。
間取りとの兼ね合いもあるので、その辺を考え合わせて設計事務所さんと
よく相談してください。
<あーす・わーくす http://office-ew.com>
評価・お礼

garugaruさん
2012/04/15 10:58早速ご回答いただき有難うございました。
冬を旨とする考え方は大変勉強になりました。今後の家づくりの参考にさせていただきたいと思います。
回答専門家

- 小松原 敬
- (神奈川県 / 建築家)
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
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中舎 重之
建築家
1
軒先の出と庇の効用
日本の国は、温帯で多雨の地帯に位置しています。梅雨の時期も30~40日もあります。
其処に造る建物もその気候を勘案して設計し施工されて然るべきとの考えを持っています。
今は外装材や断熱材も進化して良い物があります。 設備的にもエアコンもありますが閉鎖された空間に長時間にわたり過ごす事が良いとは思えません。
軒が出ていて庇があれば霧雨や小雨程度なら窓を少し開けて外気と接触したいものです。 夏の太陽は真上にありますので、軒の出が深ければ夏の日差しも外壁に当る面積が少なく、室内温度も抑えられると思います。 冬の太陽は斜め上ですので、軒が出が深くても日差しは部屋に入ります。 古来からの日本建築にはそれらの事が深く配慮されています。 建物の耐久性を左右するのは水であり、湿気であるのは紛れもない事実です。
軒の出や庇に今一度目を向けて下さい。
以上です。 2014.6.9 中舎重之
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