対象:企業法務
回答:1件
見積書の有効期限と法的制限
Ricakoさん、こんにちは。
弁護士の水嶋一途です。
さて、ご質問の見積書の有効期限に関する法的制約についてですが、原則として法律上の制限はありません。
法律的にご説明すると、見積書を顧客に提示することは、一般的には「申込の誘引」という行為になります。
契約が成立するためには、「申込」と「承諾」の合致(これを合意といいます)したときに成立します。
「申込の誘引」とは他人の「申込」を誘う行為であって、この誘いに応じて申込があったとしても、「承諾」しない限り契約は成立しません。
見積書に有効期限を設けるということは、法律的には、「見積書に記載された有効期限内であれば見積書記載金額で契約したいという申込を受け付ける」という意思を表示するという意味になります。
したがって、法律的には有効期限を何日以内にしなければならないという制限はありませんので、Ricakoさんの会社の都合で適切な期限を設定すればよろしいでしょう。
ただし、見積書が「承諾期間を定めた契約の申込み」と理解される場合、つまり有効期限内であれば見積書記載金額で売りますという「申込」と解釈される場合には、その承諾期間内(有効期限内)は申込を撤回できないという制約があります(民法521条1項)。
先にご説明したとおり、一般的には見積書は「申込の誘引」と解されますが、実際の取引においては「申込」なのか「申込の誘引」なのか判断が難しいケースもないわけではありません。
したがって、見積書には、「本見積書に対して貴社からの申込があり、これについて弊社が承諾した際に契約が成立するものとします」などと付記し、見積書が「申込の誘引」であることを明確にした方がいいでしょう。
少しでもRicakoさんのご参考になれば幸いです。
補足
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評価・お礼

Ricakoさん
2010/10/20 21:09お礼が遅くなり申し訳ありませんでした。大変ためになり心強く業務を遂行できました。
回答専門家

- 水嶋 一途
- (東京都 / 弁護士)
- 一途総合法律事務所 弁護士
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