対象:企業法務
労働局での相談をしてみてください
会社の使用者は、雇用関係にある従業員に対して、良好な職場環境を整備すべき義務(職場環境配慮義務)を負っています。そして、職場いじめやパワハラを防止することも、その義務の内容の一つです。また、職場いじめやパワハラが蔓延する職場では、労務能率が落ちるだけでなく、従業員の生命や身体の安全や安心を脅かすこととなり、その行為の態様やかかる状況対する使用者の対応の如何によっては、使用者に損害賠償責任が生じることにもなりかねません。会社の使用者としては、これらのことを十分に認識したうえで、職場環境を快適に整備するよう努めることが必要とされます。
ご質問者の方の会社では、社長によるパワハラが日常的に行われているとのことであり、他の取締役の方々も諦観されている状況にあるとのことですが、ご質問者の方が堪えられないほどの精神的・身体的苦痛を感じられていらっしゃるのであれば、所轄の労働局の窓口で相談されてみることも一案かと思われます。
ただ、オーナー企業(社長やその家族が株式の大半を保有しているような企業)の場合、社長の独裁的経営が行われやすいのではないかと思われます(会社の倒産はそのオーナー自身のリスクですから、自分でリスクをとっている以上、自分の自由に経営をしたいという方も多いものです)。また、他の取締役の方々(恐らく会社の株式は保有されていない方と思われます)も諦観されている状況にあるということであれば、社長自身が、自らの行為が自社の職場環境を悪くしていることや、そのような行為が会社の使用者としての義務に違反しているということを自覚しない限り、残念ながら、現在の職場環境が改善されることはないものと思われます。
ご質問者の方は、会社の将来が危ういのでは、とも感じられているとのことですから、そのような状況にあるのであれば、思い切って転職することを考えてみられることも一案かもしれません。
回答専門家
- 金井 高志
- ( 弁護士 )
- フランテック法律事務所
フランチャイズとIT業界に特化。最先端ノウハウで支援します
フランチャイズ本部と加盟店に対して、法的アドバイスでのお手伝いをしてきています。また、インターネット関連のベンチャー企業の事業展開のお手伝いもしています。特に、株式公開を目指すベンチャー企業のために、お手伝いができればと思っています。
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この回答の相談
現在私の勤める会社では社長によるパワハラが日常的に行われています。具体的な内容としましては、
・業務の都合を無視し社長室や会議室へ呼び出した上で会社の債務状況や経営状況を説明しす… [続きを読む]
衛生兵さん (新潟県/23歳/男性)
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