筋肉の凝りによる神経圧迫が原因か・ほぐしと矯正を
首の左方回旋時に肩から上肢にかけて痺れや痛みが出現するのは、頚髄から分岐した上肢の神経が首の回旋運動に伴い、骨や椎間板、靱帯、軟骨、筋肉、腱その他の組織によって圧迫されることを示唆します。
代表的な疾患として頸椎ヘルニアや変形性頸椎症などがありますが、これらは単純レントゲン撮影やMRIなどで比較的診断が容易です。複数の病院でレントゲンを撮り異常なかったとすると、これらの疾患はほぼ否定してよいかと思います。
上肢の神経痛を起こす疾患としては脊髄腫瘍や肺上端部の腫瘍、多発性硬化症なども挙げられますが、これらは通常、持続的な痛みが特徴的であり、運動時に限定した痛みという点では合いません。またMRIで異常なかったとすると、これらも否定的です。
首の回旋時に限って痛みを起こす原因として考えられるのが、頸部から肩にかけての筋肉や腱の硬化による圧迫です。筋肉や腱の「凝り」が進行し、頸部の神経を圧迫して痛みや痺れを引き起こす病態です。
首という場所は、狭い領域を神経や血管、筋肉や腱がひしめき合って走行しています。従って何かが腫脹したり硬化したりしただけで、付近の神経を圧迫しがちです。神経を圧迫するものは骨、椎間板、筋肉、腱と多様です。
筋肉や腱が硬化する状態とは、疲労やストレス、運動不足、低体温、加齢などが原因となり、筋肉が血流不足に陥り、硬化する現象です。軽度ならば肩凝りや筋肉痛程度で済みますが、悪化すると上記の理由で神経痛を引き起こすことがあります。
これに側湾症や猫背などの姿勢異常が加わると、特定方向の神経痛が出現しやすくなります。従ってアプローチとしては、筋肉の「ほぐし」と姿勢の「矯正」が中心となります。それ以外に、適切な運動や入浴、ストレス緩和、正しい栄養摂取や姿勢の維持などが重要なポイントです。お近くに腕のいい整体師の先生ががいれば、一度診ていただいてはいかがでしょうか。
回答専門家
- 吉野 真人
- ( 東京都 / 医師(精神科) )
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この回答の相談
首を左後ろに曲げると肩〜手に痺れと痛み
レントゲン(3病院)MRI(2病院)で頸ヘリニア無、変形性頚椎症神経根症は神経より遠いので否定。
どういった科を受診、どういった病気の可能性がありますか?
これなにさん
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