商品や仕入方法により許認可および品質表示の規制は様々です - 小松 和弘 - 専門家プロファイル

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小松 和弘 専門家

小松 和弘
経営コンサルタント

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商品や仕入方法により許認可および品質表示の規制は様々です

2017/04/04 20:08

0.はじめに
けろんさんからご質問頂いた雑貨屋経営における許認可の件、および、品質表示の件について回答させて頂きます。また、最後に、その他の注意事項を少しお話させて頂きます。

1.雑貨店経営の許認可について
けろんさんは、国内外で仕入れた下記のような商品を販売する雑貨店を検討中とのことですね。
-ハーブティー
-紅茶
-ジャム
-洋服
-石鹸類
-基礎化粧品
商品の仕入れ地(国内/海外)や種類により必要な許認可が異なるので、下記ではケースごとに分けて説明します。

1-1.国内で仕入れる商品
上記に挙がっている種類の商品を日本国内で仕入れ、そのまま販売する場合は許認可不要です。しかし、下記のような場合・商品には許認可が必要となります。
-けろんさんが食品を加工して販売する
(ハーブティーや紅茶を小分けにして販売したり、飲料として提供する 場合なども含まれます)。
詳細は下記のようなサイトをご参照のうえ、地域所管の保健所にご相談ください。
https://goo.gl/SwDzB9

-酒類
-犬・猫などのペット類

1-2.海外から仕入れる商品
海外から直接仕入れた商品を販売する際には、輸入者としての義務と責任が発生するため、必要な許認可が厳しいです。以下、商品の種類別に説明します。

a.ハーブティー、紅茶、ジャム
食品に関しては加工済みの場合でも、食品衛生法に基づいた対応が必要です。
具体的には、輸入時に、「食品等輸入届出」に必要な書類を添付したものを厚生労働省検疫所の輸入食品監視担当へ提出し、商品の審査・検査を受けります。
審査は食品等輸入届出書に記載されている輸出国、輸入品目、製造者・製造所、原材料、製造方法、添加物の使用の有無等をもとに行われます。
審査の結果、検査による確認の必要があると判断されたもの(例えば、過去食品衛生法違反が多い貨物、輸入フグ等)は検査が実施されます。
尚、口に接触する食器類などの輸入の際も同様な手続きが必要となりますのでご注意下さい。
手続きの詳細は下記の厚生労働省のHPをご参照下さい。
https://goo.gl/ihGktI

また、ハーブティーに関しては原材料植物によっては「植物防疫法」や「薬事法」により輸入や販売が規制されている場合もあります。輸入される製品の詳細をもって税関相談官室に確認されることをお勧めします。

b.洋服
衣類の輸入にあたっては特に許認可はありません。

c.石鹸類、基礎化粧品
石鹸やボディソープは、顔や体を洗う目的の場合は「化粧品」に該当します。
また、シャンプー、コンディショナー、香水なども体につけるものなので「化粧品」に含まれます。
これらの化粧品を輸入・販売するには、医薬品医療機器等法に基づき、「化粧品製造販売業」と「化粧品製造業」の許可が事前に必要です。
「化粧品製造販売業」は輸入販売のため、「化粧品製造業」は国内で保管・包装・表示するためのものです。
これらの許可申請先はけろんさんのお店が所在する都道府県の薬務主管課となっています。下記のHPにて全国の薬務課を確認できますのでご参照下さい。
https://goo.gl/sERNea

また、輸入する商品が「化粧品基準」等に適合していることも必要です。
「化粧品基準」には配合禁止・配合制限成分(ネガティブ・リスト)および特定成分群の配合可能成分(ポジティブ・リスト)が定められていますので、基準を満たしていることを事前にご確認下さい。
化粧品基準の詳細については下記HPをご参照下さい。
https://goo.gl/MVGDdX

尚、顔や体を洗う目的でない石鹸(例えば、台所用や洗濯用など)の場合は「化粧品」に該当しないため、上記の許認可は不要です。

2.品質表示方法など
販売する際に必要な品質表示方法などについて説明します。

a.ハーブティー、紅茶、ジャム
食品関連を取り扱う場合、食品表示法に基づいて食品の表示をする必要があります。
外国製の場合、現地の言語で表示されていたとしても、日本国内の一般消費者に分かりやすいように日本語で記載しなければなりません。
食品表示法の食品表示基準に基づく表示項目は下記の通りです。
1.食品の名称
2.原材料名
3.食品添加物
4.原料原産地
5.内容量-固形量-内容総量
6.加工食品の表示、消費期限又は賞味期限
7.保存方法
8.原産国(輸入加工食品)
9.製造者等の氏名・住所
10.特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品
11.有機加工食品
12.遺伝子組替え食品

尚、原材料が1種類であるものは原材料名の表示を省略できるなど、細かい基準は様々なので、けろんさんが取扱う商品に適した品質表示基準に従って下さい。
詳細は、消費者庁の食品表示に関する下記HPをご参照下さい。
https://goo.gl/0VOK51

b.洋服
洋服を販売する際には、家庭用品品質表示法に基づき、下記項目の表示が必要です。
1.繊維の組成
2.家庭洗濯等の取り扱い方法(絵表示)
3.表示者名および連絡先

表示は消費者にとって見やすく、分かりやすくなければなりません。そのため、輸入品の場合でも日本語表記にする必要があります。
ただし、繊維規定の指定用語である "COTTON" や "WOOL" などはそのままでも大丈夫です。
詳細は、消費者庁の家庭用品品質表示法に関する下記HPをご参照下さい。
https://goo.gl/NQ1uMX

c.石鹸類、基礎化粧品
石鹸類や化粧品を輸入販売する際には、直接の容器・被包に、下記の情報を日本語で分かりやすくラベル表示する必要があります。
1.種類別名称
2.商品名称
3.製造販売業者の氏名または名称及び住所
4.内容量
5.製造番号または製造記号
6.使用期限
7.成分名称
8.原産国名
9.使用上又は保管上の注意
10.問い合わせ先

尚、成分名称については全成分表示、すなわち、製品に配合されているすべての成分を表示しなければなりません。また、表示の順序は配合量の多い成分順です。
詳細は、化粧品公正取引協議会の公正競争規約に関する下記HPをご参照下さい。
https://goo.gl/NgbEmD

3.その他
上記以外で、けろんさんの雑貨店の運営に関係するかもしれないトピックについて少しコメントさせて頂きます。

3-1.古物の取り扱い
これまでの回答は新品の扱いを想定しておりましたが、もしけろんさんのお店で古物も扱う場合には、事前に「古物商許可」を申請する必要があるのでご注意下さい。
申請先は、けろんさんのお店の所在する場所を管轄する警察署の「古物商担当」係です。
ただし、海外から商品を仕入れて日本で販売する場合には申請不要です。

3-2.輸入禁止・規制商品
海外で普通に販売されている商品でも、日本への輸入が禁止または規制されていることがあります。以下によくある例を示します。
-絶滅の恐れのある野生動植物を保護する目的で定められたワシントン条約に 該当する動物の毛皮を用いた加工品など
-偽キャラクターや偽ブランド商品など知的財産権を侵害する物品
詳細は、税関の輸出入禁止・規制品目に関する下記HPをご参照下さい。
https://goo.gl/5HlcIW

4.最後に
取り扱う商品により法規制も様々ですが、是非とも、けろんさんの想いを実現できるような素敵な品揃えの雑貨店となることを祈っております。
頑張って下さい。

医薬品医療機器等法
税関
食品衛生法
厚生労働省
薬事法

回答専門家

小松 和弘
小松 和弘
( 東京都 / 経営コンサルタント )
ホットネット株式会社 代表取締役
03-6685-6749
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この回答の相談

雑貨店開業に必要な許認可

法人・ビジネス 独立開業 2009/04/24 11:09

早期退職し小さな雑貨店を開業する予定です。品は国内・海外で買い付けたハーブティー・紅茶・ジャム・洋服・石鹸類・基礎化粧品などを予定しています。雑貨店は特に必要な許認可はないと聞いていたのですが… [続きを読む]

けろんさん (京都府/43歳/女性)

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