対象:労働問題・仕事の法律
両社間及び従業員の間でどんな合意となっているのか
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合併の場合は、包括承継といって全ての権利義務関係が合併前の状態で新会社に当然に承継されることとなっています。消滅会社の従業員も新会社に当然に承継されることになり、労働契約関係も新会社にそのまま移転することになります。労働契約は存続するため退職したことにはなりません。
ですから、通常であれば吸収合併で移った新会社に退職金などの労働条件もそのまま引き継がれることになり、退職金についても合併時点で請求権が生じることはありません。
ただ、新会社には退職金制度がないとのことなので、このあたりは両社間、及び従業員との間でどのような合意となっているかによります。一般的には合併時点で会社都合退職の扱いで退職金を精算する、または新会社で新たな制度を作って退職金資産を移行するなど、何らかの移行措置、代替措置をとることが多いと思います。
合併によって統一が図られ、退職金などの労働条件が変更されて不利益が生じる場合は、従業員の合意や変更についての合理性が求められることになります。(合併という事情の場合、統一の必要性や合理性は比較的広く認められるようです。)
転籍にあたっては、上記以外にも就業時間、給与、休日休暇といった重要な労働条件がありますので、このあたりがどう変更されるのかを十分に確認し、おかしいと思う点にはしっかり声を上げていくことが必要であると思います。
補足
追記された部分も拝見しました。
やはり不利益変更に対する代替措置として、話し合うしかないと思います。どんな退職金制度だったのか分かりませんが、例えば今でも適格年金だったのであれば、解約時の資産を一定基準で対象者に分配することになり、積立額によっては退職金として規定された金額には届かない事があり得ます。
もう一点、制度の移行方法によっても変わってきますが、制度廃止による解約払戻金は退職所得にならず、一時所得として課税される可能性があります。(各自が確定申告をして、追加で所得税を納めなければなりません。)
代替措置として解約払戻金の積み増し、合併後の給与上乗せ、その他条件を総合して要求することになると思います。会社側としても従業員の個別同意が必要になりますし、強引に一方的に進めることはできません。転籍される社員同士でよく連携して行動されることが良いと思います。
評価・お礼
kittyomu さん
細々とした質問を丁寧にお答えいただきありがとうございました。
状況を踏まえた上で同じ立場の社員同士で話し合い、最終的な話し合いを持ちたいと思います。
先生のお話とお言葉に、とても励まされました。
本当にありがとうございました。
回答専門家
- 小笠原 隆夫
- ( 東京都 / 経営コンサルタント )
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
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この回答の相談
会社が吸収合併されることになりました。
そのため、社員は吸収合併後の新会社に転籍する者、グループ企業への転籍となる者、退職となる者に分かれました。
退職(要はリストラ)となる… [続きを読む]
kittyomuさん (神奈川県/37歳/女性)
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