対象:事業再生と承継・M&A

平井 宏治
経営コンサルタント
-
簡単ですが、ご回答します。
民事再生が成功するには理由があります。成功確率といっても、くじ引きで、成功・失敗が決まるのとは違います。今回は、小職が法律事務所と一緒に過去に関与しました民事再生の経験を基に、字数制限もありますので、簡単にご説明します。
まず、民事再生案件を数多く手がけ、裁判所の信任の厚い経験豊富な弁護士に依頼することが重要です。民事再生をどれだけ手がけてきたのか、この経験の差は成功する確率を上げるには大切です。民事再生関係の書籍を多く出している弁護士も様々で、出版物(本)が多いから良い弁護士とは限らないと思います。いくら著名といっても事務的な弁護士もいますので、親身に相談に乗ってくれる精通した弁護士を探すことが大切です。
次に、民事再生手続では、債権者に再建計画を承認してもらうことが必要ですので、債権者が賛同してくれる計画を立てることも必要です。自力再建では分割返済が多いと思います。経営権を失いたくないため自力再生に強いこだわりを持つ経営者も多いのですが、企業再生のために自力再生型なのかスポンサー型再生なのかも含め十分に検討することが大切でしょう。スポンサーが誰なのかも重要です。
また、民事再生申立後は、会社の信用が大きく失墜し、仕入先からの仕入れは、原則として現金となりますので、資金繰りが出来るかもポイントになります。取引先の中には、手のひらを返した様な対応をとることも多く、有能な従業員は退職します。
経営者が留任できるかは、個々の事案によりますので、何とも言えません。経営者がそのまま残った事例もありましたし、スポンサーから経営者が送り込まれた事例もあります。会社再生を最優先に考えれば、自ずと結論がでます。従業員退職金は、どのような形の民事再生を行うかで変わります。
最後に、民事再生手続は、会社にある程度の体力が残っていないとできません。弊社ホームページでも触れています。宜しければご覧下さい。
(現在のポイント:1pt)
この回答の相談
民事再生後、成功する確率はどれぐらいでしょうか。非常にハードルが高いのですが、これはどうしてでしょうか。経営者はそのまま在任確率は高いですか。また退職金は民事再生を申請することによってゼロになるのですか。
ポプラさん (埼玉県/33歳/男性)
このQ&Aの回答
このQ&Aに類似したQ&A