α-シンドロームは正しいか?
私は学者ではありませんので、私自身の経験からお答えするしかありませんが、過去にはα-シンドロームの症状の犬を百頭以上も訓練してきました。
つまり、自分(犬)の要求を通すために手や足に穴が開くほど噛む犬、威嚇的に吠えて触らせない犬など。
実際、犬を家族の一番下位にすることと、犬を上位にさせない為の接し方をアドバイスすることで、良い結果が出ています。噛まれるのが怖くて触れなかった飼い主さんが、どこを触られても嬉しがっている犬を見て喜んでいる姿を見るのは、こちらもうれしいものです。
こんなことを言ったら怒られるかもしれませんが、私は学者さんの言うことがすべて正しいとは思ってません。
私も色々な本を読んできました。中には、「犬の行動はすべて反射行動で、そこに意思はない」と言う学者もいました。そこには宗教も絡んでいて、「犬に意思があると認めると、犬も天国にいけるということになる。それは許されることではない」と言う理由で、犬に意思はないと結論づける学者もいるからです。そして言う事はみんなバラバラだからです。
ただ、犬は群れで行動する動物である事は間違いありませんし、群れで行動するからにはそこにはリーダーが存在することも自然の流れです。そしてリーダーの座から降ろしてあげたことで、精神的に落ち着いてきた犬を百頭以上も見ている経験から、α-シンドロームはあるんじゃないですか?って感じです。
学者の見解で訓練法がガラッと変わる訳でもありません。ドッグ・トレーナーは創意工夫をして、その犬に合った訓練法を常に考え、研究していくことが大事だと思っています。
補足
あまり情報に振り回されない方が良いと思いますよ。
α-シンドロームの定義があってもなくても、犬の訓練やしつけの方法は、生活環境や犬の性格・性質で千差万別。著名な方のしつけ方も、その方法の一つに過ぎません。
一番大切なのは、その犬の性格・性質を見極めて、根本的な解決に導くことです。
それから、私のα-シンドロームについての認識不足については、コラムの「α-シンドロームについて」で、お詫びと訂正をしています。
回答専門家
- 小川 真也
- ( 東京都 / しつけインストラクター )
- ワタナベ・ドッグ・トレーニング
小型犬から超大型犬、パピーから成犬まで対応しています。
「楽しい愛犬とのライフスタイルを、飼い主さんと一緒に構築していく」をモットーに活動しています。犬の個々の性格に合わせた訓練法で、飼い主さんと愛犬とが理想の関係に近づけるように訓練し、アドバイスさせて頂きます。
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この回答の相談
イアン・ダンバー、テリー・ライアンなど日本でも著名な行動学者やトレーナーは、今は「アルファシンドローム」という考え方に否定的な意見のようですが、実際のところはどうなんでしょうか?先生方はどうお考えですか?
わらびもちさん
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