対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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難しい固体伝搬音対策
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小家さんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡です。
音の伝わり方には、2つの異なる伝わり方があり、対処の方法も違います。
1つは、空気を伝わる「空気伝搬音」です。
音は壁に当たり、振動が隣にも伝わります。
空気伝搬音の遮音は、重い方が遮音性が高く、コンクリートの床が有効です。
木造のように軽量の場合は、2重の面(各スキマが無い事)として、各面を絶縁する(振動を伝えない)と遮音性能を上げることができます。
床も下の天井もスキマなく、天井を絶縁金物で吊るのが有効です。
ロックウール等を充填することも有効です。
もう一つの伝わり方は、「固体伝搬音」です。
これは、固いもので床や壁をコツコツと叩くと構造躯体を通して伝わる音です。
この対策は難しく、重量だけ、コンクリートでもだめです。
昔のカーペットが標準のマンションで、ある時期一斉にフローリングに改修したのですが、クレームがどっと増えました。
子供が飛び降りたりするドスンドスンはもちろん、机から物を落とした時のコツンまで、全て伝わってしまうのです。
構造体に伝わった音は止めようがないので、躯体に伝わらないように遮断:絶縁することが必要です。
床の場合、躯体(梁や根太、床板)の上に床仕上が乗るので、絶縁が難しい。
マンションのフローリングで、まるでクッションフロアのようなブヨブヨのフローリングがありますね。
あれが、Lxxという(xxは遮音等級)遮音仕様のフローリングです。
気持ち悪いですが、固体伝搬音の対策としてはあのようなクッションが効果があります。
できれば2階はフローリングを止めて、カーペットにすれば、遮音上はずっと安心することができます。
いずれにしても、木造の場合、何をやられてもクレームのない構造は難しいので、最初の段階で良く説明をして理解頂くことが必要でしょう
参考にして頂けたら幸です。
評価・お礼
小家 さん
音の伝わり方により完全に防ぐ事は不可能でも
目的にあった対処を施すことにより軽減はできそうですね。
アドバイスをありがとうございました。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
木造2階建、階層別賃貸併用住宅を検討しております。
2階からの振動音を少しでも防ぐ方法を教えて頂きたいです。
宜しくお願いします。
小家さん (神奈川県/38歳/男性)
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