対象:人事労務・組織
労働条件等に何らかの配慮は必要
会社が出向命令を出すにあたっては、就業規則等に出向を命じることがある旨が規定され、労働契約締結時に包括的な合意があれば、個別の同意まではなくても出向命令は有効になるとされます。
ただ、出向の結果、労働条件が大幅に下がるような場合、いくら規定等があっても「包括的な合意があった」と見られず、出向命令の権利濫用とされる恐れがあります。
判例でも「出向元としては不利益を解消するだけの条件を示すべきであり、かかる条件を提示することもなく、本人の意向を無視して行った出向命令は、その効力を生じ得ない」とされています。
ですから出向を命じるならば、それによって生じる不利益は、手当や補償金、その他何らかの形で解消する必要があるということになります。
出向社員の労働条件は、出向元と出向先が話し合って決めますが、一般的に出向先の条件に合わせる事がほとんどです。これによって余計に働く時間の扱い、減収がある場合の補填、その他条件低下への対応については、本人と出向元の間で決める問題になります。
どのような扱いにするかは一概に決まりはありませんので、内容を本人とよく話し合い、合意しておくことが必要であると思います。
回答専門家
- 小笠原 隆夫
- ( 東京都 / 経営コンサルタント )
- ユニティ・サポート 代表
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この回答の相談
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今度、関連会社に、弊社から、出向させることとなりましたが、出向先は、終業時間が、9時から6時の休憩1時間となっていま… [続きを読む]
たろうちゃんさん (東京都/38歳/男性)
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