対象:労働問題・仕事の法律

本田 和盛
経営コンサルタント
17
管理職の深夜業
凄腕社労士 本田和盛です。
管理職(管理監督者:労基法41条で労働時間等の規制が適用除外
されている者)になった場合、時間外・休日労働に関する規制
(具体的には割増賃金の支払い義務)は適用されなくなります
ので、いくら残業しようとも割増賃金は支払われません。
ただし、この労働時間等の規制が適用されない管理監督者であっても、
深夜業の規制は適用となります。深夜労働(午後10時から午前5時の間
の労働)の割増賃金率は2割5分以上となっておりますので、少なく
とも25%分を上乗せした賃金の支給が必要です。
中小企業の担当者の中には、上記の内容を誤って理解されている
方がいらっしゃいます。明らかな法違反ですので、是正措置を
取って頂きたく。
一方「名ばかり管理職」の問題は、上記の深夜業規制とは別の問題です。
管理監督者については、通達(昭22.9.13発基17号)でも、
「一般的には部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について
経営者と一体的な立場にある者の意であり、名称にとらわれず、実態
に即して判断すべき」としており、マクドナルド事件等の判例も通達
の考えを踏襲し、主に、具体的業務内容、出退勤の自由の有無、
役職手当等の有無を基準として判断してきました。
労基法の労働時間規制が適用除外になる管理監督者の範囲は、実際は
かなり狭いのが現実で、多くの企業では名ばかり管理職が横行してい
ます。
ただ多くの労働者の方は、「名ばかり管理職」の時代をがまん
して、その後、部下が増え、収入が増え名実ともに「管理職」と
なるのを夢見て働いています。
法違反を助長するつもりはありませんが、企業が置かれている
経営環境や、企業の成長性、労働者としての自分の出世可能性
等を考慮しつつ、対応されるのが現実的だと思います。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
このQ&Aの回答
このQ&Aに類似したQ&A