共有名義で登記するか単独名義で登記するか
幸さんはじめまして。
毎年3月頃から司法書士の事務所に「自宅の登記名義の持分を直して。」というご依頼が増えます。実際の資金拠出の割合と登記名義の持分の割合が異なっているために税務署から指摘を受け,持分を更正する必要が生じたためです。
税務署からの指摘を受けるきっかけとしては
1.所有権移転登記をすると税務署から資金の出所について「おたずね」の書面を送付してくることがあります。その際に「そうだったの?」となることが多いようです。
2.住宅購入をした翌年の確定申告の時期に合わせて住宅ローン控除を受けるために税務署に届出を出しますが,その際にわかることもあります。
>登記しない場合は、夫が「妻にも権利がある」旨を書いてくれると言っています。<
もし書いていただいたとしても「何の権利なのか?」・「どうして購入時にそのとおり登記をしなかったのか?」など「おたずね」の対象になるかもしれません。その「権利」が「幸さんがご主人に資金を贈与した」という内容のものなのであれば登記名義はご主人の単独名義となりますが(この意味で幸さんのおっしゃる「お金を出すのに登記をしないのは権利の放棄だ」ともいえますね。),その贈与に対して贈与税がかかることとなります。
いずれにしても実体関係(実際の資金の拠出割合)にあった持分割合で登記するのがよろしいかと思います。
実際は銀行のローンの組み方(土地と建物一括してローンを組んでいるのか,土地・建物について別々にローンを組んでいるのか)によっても取り扱いも変わってきますので,建築などをお願いをしている不動産業者の担当者によくご相談されることをお勧めします。
なお事実婚と法律婚での違いが贈与において発生する場面として,事実婚では夫婦間の贈与で一定の要件の下で受けられる贈与税の特例措置が受けられないという点が挙げられますが今回のケースでは特に違いはありません。
ご参考まで。
回答専門家
- 運営 事務局
- ( 東京都 / オペレーター )
- 専門家プロファイル
登録している専門家やQ&Aやコラムといったコンテンツをご紹介
専門家プロファイルに登録をしている皆様の記事や、Q&A、まとめ記事など編集部でピックアップしたものを定期的に配信していきます。よろしくお願いいたします。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
このQ&Aの回答
このQ&Aに類似したQ&A