対象:住宅設計・構造
鈴木 克彦
建築家
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最大の違いは「つば」だと思います
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ドクターかいちさんこんにちは。
アルミサッシと木製サッシの、構造的な最大の違いは、''つば''の有る無しです。
アルミサッシには付いているのですが、つばというのは、サッシ周囲に付いている、雨を中に進入させないための羽根の様な部分です。
木製サッシの最大の難点は、やはり雨漏りです。
もともと、日本の様に雨が多い場所で生まれたサッシではないので、雨対策という意味では、やはりアルミサッシに劣るというのは否めません。
基本的に、外国で生まれた木製サッシは、このツバがないために、交換しようと思えば、周囲の壁を壊さずにスポッと抜いて交換が可能です。
必然、ツバがないので、基本的な収まりは、コーキングに頼ることになります。
性能面では、結露しにくく、アルミサッシよりも遙かに暖かみがあり、風合い・高級感も出ます。
採用の際には、上記のことから、窓のシーリング処理に気を遣うのはもちろんですが、設計上、
''「サッシに雨がかかりにくい」''、
と言うのが何より重要だと思います。
どういう事かと言えば、最近は、コストを抑えたり、デザイン性を重視するために、軒がなかったり、霧除けが無い住宅が増えてますが、日本の気候が昔に比べて雨が少なくなったわけではありません(都会の狭小地で隣地境界状仕方がない場合も多いのも事実ですが)。
つまい、それだけサッシの性能に頼って、本来の日本の住宅のあるべき姿である「雨対策」を無視していると言えると思います。
昔の家は、軒が深く、雨が降ったからと言って、あわてて窓を閉める必要も薄かったのですが、今の住宅は、ほんの少々の雨でもすぐに吹き込むという設計になってしまっています。
この場合、コーキングに頼っている窓は、かなり危険だと思います。
軒が15cm伸びると、壁側面への雨掛かりが25%減少するという検証報告を読んだことがあります。
商品の特徴・性能を引き出すには、その為の設計が大事、と言うことだと思います。
評価・お礼
ドクターかいち さん
解り易い説明 ありがとうございました。
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この回答の相談
木枠サッシとアルミサッシの採用で悩んでいます。
木枠サッシは風合いが良いが、メンテナンスが必要
湿気等々により建てつけが変化する等々
アルミサッシは、耐用年数が長いので長い目でみると
後者の方… [続きを読む]
ドクターかいちさん (広島県/38歳/男性)
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