対象:遺産相続
寄与分を主張しましょう。
akinoさん、こんばんは。弁護士の三森敏明です。
さきほどは質問を読み違えました。要するに、夫から生前にマンションの持分を贈与されたことが「特別受益」(民法903条)にあたるので相続の中で考慮しろ、と正妻の子に主張されているわけですね。
akinoさんの場合、マンションの共有持分の贈与が特別受益の中の「生計の資本として贈与された場合」に該当するかが問題となります。「生計の・・・場合」とは、親と世帯を別にして独立するために土地をもらったとか家の新築資金を出してもらったとか、他の相続人と異なり高等教育なり海外留学をさせてもらった場合の費用などが該当します。
akinoさんの場合は、「贈与」というよりも「代物弁済」、つまりお金でない財産で夫から借金を返済してもらった、ということなのでしょう。そうであれば、実質的には「贈与」ではないから、「特別受益」にもならない、ということになります。
ただ、そのほかに、akinoさんには、夫の財産の維持または増加に対して「特別の寄与」(民法904条の2)があったとして、先妻の子には「寄与分」を主張されたほうがいいと思います。寄与分とは、寄与した程度を金額に見積り、その分はもともと相続財産から控除して残りの相続財産につき相続の対象とする、という制度です。akinoさんに寄与分としてマンションの共有持分程度の額が認められれば、結果的に相続においてマンション持分は遺産分割の対象となりません。
もっとも、寄与分の額ないし割合は原則として相続人間の協議になります。akinoさんの場合、先妻の子と冷静に協議ができる関係にないと思われますので、マンション共有持分の「贈与」が「特別受益」にあたるか否か、寄与分の有無や額について家庭裁判所で判断を求めることになりそうです。「贈与」が「代物弁済」だと分かる資料(借用書とか夫の借金使途がわかるもの)を探しておきましょう。
回答専門家
- 三森 敏明
- ( 弁護士 )
- ヒューマンネットワーク三森法律事務所 所長弁護士
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